こんちはー!!!桜田紋吉(もちろん仮名)ですよー!!マジで最近寒いよ・・。地球のイタズラか?
本当に寒くて嫌になっちゃいますね・・。
もう12月も半ば・・。早いよ!バカタレが!
楽しい日々は過ぎるのが早いと言いますが・・・。俺のつまらない日々でも過ぎるのが早いよ・・。どうなってんだ!!
平和で平穏で家族も健康で安心!って思う反面、「俺の人生って・・。」って思う時もあります。そりゃ俺だって人間なんだぜ・・。←うぜぇ
そんなセンチメンタルな気分の時は・・
過去の嫌な出来事を思い出すとダメです。どんどん堕ちていきます。当たり前です。
かといって・・
過去の楽しかった出来事を思い出してもダメです。「あの時は楽しかったなぁー・・」の後にタメ息が出て、いつの間にか堕ちています。オススメできません。
ですのでぇー・・
そんなセンチメンタルな時に俺は・・
必ず思い出すようにしている「あの時の吉岡さんの表情」があります。それを思い出します。※もちろん吉岡さんは仮名です。
それがセンチメンタルから抜け出す一番の方法です。(俺だけの方法だ)
その「あの時の吉岡さんの表情」とは・・
5年程前に働いていた工場(酒蔵の後に就職した職場さ)に吉岡さんはいた。
俺の方が吉岡さん(もちろん仮名だから!)より入社したのが2週間早かった。しかし、年齢が俺より12歳上の方だったので・・最初から先輩として接していた。
吉岡さんはめちゃくちゃ真面目で正義感も強く、仕事もバリバリ出来る人間だった。
「桜田くん!会社に何かの不満があったら俺に言いなよ。俺が会社にガツンと言ってやるからよ!」
そう豪語する吉岡さんに対して、俺は完全に彼を尊敬の眼差しで見ていた。
若造の俺の気持ちを汲み取って発言してくれる姿は「頼りになる兄貴」って感じで輝いていた。
吉岡さんはスキが全くなく正論のみで進むが故に、会社側とたまに揉めていたが・・。上司や会社に嫌われないようにゴマすって生きている他の先輩方よりも何倍もカッコ良く見えた。
いつでも堂々としていて、それでいて落ち着いており、周りの同僚や後輩の面倒見もよくて、上司や偉い人でも間違いだと思えばハッキリと反論していた吉岡さん。
ある日の朝・・。
出勤時に工場の駐車場に車を停めて作業場の方に歩いていた俺。
ボーッとしながら歩いていると・・
ある1台の軽自動車がガンガン爆音で音楽を響かせながら駐車場に入ってきた・・
マジで爆音だった。引くぐらいの爆音・・。
「うるせぇな・・。誰だよ。バカかよ」
と思い、運転席の方を凝視してみると・・
吉岡さんだった。(まさかの)
しかも吉岡さんは真顔だった・・。
キレてんのか?ってぐらい真顔だった。
「吉岡さんってあの性格なのにガンガン爆音タイプかよ・・。」とドン引きしてしまったが挨拶ぐらいしとこうと思い、吉岡さんの車の方へと向かった。
吉岡さんはキレてるような、疲れているような、何かに集中してるような、何とも言えない表情を浮かべて車から降りてきた。
桜田「吉岡さん。おざーす。」
吉岡「・・・・ん?あっ。おはよー。」
桜田「おざーす」
吉岡「・・あのさ、うるさくなかった?」
桜田「えっ?さっきの音楽ですよね?確かに爆音でしたね。・・・・いやっ別に迷惑とかは思わなかったですよ!」←ウソつけ
吉岡「音楽ってゆうかさー・・ラジオなんだけどさー・・まいったなぁ・・ほんとに。」
桜田「ん?どうかしたんですか?」
吉岡「朝からさー・・謎だけど・・エンジンかけた瞬間にラジオが音量マックスで流れるんだよね・・。何しても直らないんだよね・・。マジで・・。」
桜田「えっ?オーディオの電源をオフにしたら大丈夫じゃないですか?」
吉岡「試したよ。でも無理。電源オフにしても爆音で流れ続けるし・・音量ボタンをイジっても変わりゃしねぇ・・。」
と言った後に、俺の前でもう一回エンジンをかけてみた吉岡さん・・。
予想通り・・爆音が響き渡った・・。
ラジオの「交通情報」が流れ出した・・。爆音中の爆音で。
吉岡「・・・・ほらね。(エンジン切りながら)」
桜田「えっ・・ヤバいですね・・。」
吉岡「うん。俺さ、◯◯町から通勤してんのよ!?ここまで一時間以上だぜ!?勘弁してよ・・マジで・・。」
桜田「・・・・あっ!△△さん(職場の同僚)に頼んでみたらどうですかね!!前に自動車整備の仕事してたらしいですよ!!」
吉岡「そうか!確かにそうだ!!△△さんもう出勤してるよね!?探してくる!!!」
そう言って吉岡さんはダッシュで△△さんを探しに作業場の方へと向かって行った・・。
俺は
我慢出来ずにトイレへと走った・・。
便意があったからトイレに走ったわけではない・・。便意ではない。
我慢出来なかったのだ・・
アレを我慢出来なかったのだ・・
何をって・・?
「笑い」をだよ!!!
笑ったらマジで殺されると思ったから冷静を装ってたけど・・
トイレの個室で涙を流してしまった・・。もちろん笑い過ぎて・・。誰にもバレないように声を殺しながら笑いに笑った・・。ふふふ。
だってさー・・
ミラクル過ぎだろ(笑)
なんだよ「朝イチにエンジンかけたらラジオが大音量で止まらない」って・・(笑)
アンタ、ミスタービーンか?(笑)
もう最高だよ!マジで!!!拍手!!!
多分・・俺が勝手に想像してみた結果・・
吉岡さんはあの手この手でラジオを止めようと必死だったんだろう。朝っぱらから。
でも無理だった。一瞬、「車屋に行ってから出勤しようかな?遅刻しちゃうけど仕方ないよな・・。」と思ったはずだが・・
とにかく真面目で堅物な吉岡さんはそれが出来なかった!!!
分かる!その気持ち分かるよ!「車が動かなくなった」なら遅刻しても自分の中で許せる範囲の理由になるはずだ。
しかし、彼は・・
「車は動くから・・。」と!!
「動くからには行かなきゃいけねぇ・・。」と!!
もう泣けるやん。一周回って泣けるやん。
健気やん・・。もう愛くるしいよ俺は!!
真面目で堅物が故に・・爆音を我慢しながら出勤することに決めた吉岡さん。(もちろん俺の想像で語ってます)
一時間以上の通勤時間の途中には・・・
様々な物語があったのだろう。
何をやっても爆音が直らなくてイライラしながら運転・・。
もうこうなったら運転に集中して気にしないようにしようとしていたが・・やっぱり気にしてイライラの増量・・。
途中、信号待ちの時にあまりの爆音のせいで周りの車や歩行者からジロジロ見られちゃって恥ずかしい思いもしただろう・・。
そもそも、狭い車内で信じられないぐらいの爆音ってだけで物凄いストレスだったはずだ。
・・とはいえ
運転から30分後には慣れもあり、完全に悟りの域に達した瞬間もあっただろう。
そして・・
目的地の仕事場が見えてきた時にホッと安心し、それと同時に疲労も一気にきたに違いない。
やっとの思いで工場の駐車場に到着・・
その時に出た表情が・・
さっき俺が目撃したアノ表情だっ・・!!
「キレてるような、疲れているような、何かに集中してるような、何とも言えない表情」
↑これよコレ(笑)
もう最高ですよ・・(笑)
ほんっっとに最高の表情でした。アカデミー俳優でも出せんよ、あの表情は。
いくつもの感情が絡み合った抜群の表情は思い出す度に俺に元気をくれます・・!
センチメンタルな気分の時に思い出すと効果抜群です。
「あの表情」と「その裏にあるミラクル」が私のハートを何年経っても温かくさせます。
・・・・人の不幸でハートを温かくしている俺の性格の悪さに少し引いてしまいますが。
でも「朝イチにエンジンかけたらラジオが大音量で止まらない」っていうのは、そこまでの不幸でもないと思いますのでオッケーでしょう!!
とてつもなく不幸な出来事は誰も笑えないし誰も幸せな気分になりませんが・・・・
小さな不幸なら
意外と誰かを笑顔にしているかもしれないし、幸せな気分にしているかもしれない。
「あの時の吉岡さんの表情」はそんなことを教えてくれた出来事でもありました。
元気にしてるかなぁ。吉岡さん。(もちろん仮名です)
(この名曲は今回の話とは逆で、誰かが幸せになると誰かが不幸になるんだよ。って曲ですね。全員が幸せな世界なんてありません!)