振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

懺悔【前編】

お疲れ様です。桜田紋吉と申します。今日も書きますのでヨロシクです。

 

 

 

 

では・・・

 

さっそく本題に入ろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

俺だけじゃなく誰にでも経験があると思うが

 

職場の上司や先輩からハラスメント被害を受けた経験はあると思う。

 

セクハラやパワハラなど人によってハラスメントの種類はバラバラだろうが

 

俺ぐらいの年代(30代半ば)の人間なら若い頃や今も受けている人は腐るほどいるはずだ。

 

もしかしたら今の若い人達も

 

ハラスメントの知識が薄い上司や先輩の下で働いていると現在進行系で被害を受けている可能性もあるだろう。

 

 

今回のブログで俺が書きたいことは・・・

 

『被害を受けたって話は誰もがするけど【ハラスメントをやった・やった過去がある】っていう話はしないよね』

 

ってことだ。

 

 

 

 

 

 

はっきりと言う・・・

 

俺は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去に後輩に対してパワハラをした。

 

間違いなくパワハラを行っていた。

 

今日は懺悔のつもりで書く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さんは覚えているだろうか?

 

俺が社会人として最初に就職した酒蔵に

 

松井くん(仮名)という後輩が入社してきた話をブログに書いたことを。

 

見てない方はまずコレを→たった1人が盛り上げる。たった1人が平和を壊す。 - 振り返ればオアシス!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は松井くんと俺は年も近かったし同じような仕事内容ではあったが

 

立場は違っていた。

 

それは先輩・後輩という立場の違いではなく

 

杜氏見習い』と『蔵人』の違いだ。

 

 

 

 

 

 

松井くんは『杜氏見習い』として入社してきた。

 

杜氏見習い』とは名前の通りで【将来的に杜氏になれるよう修行中】ってこと。

 

杜氏』とは酒造りの世界では【設計士&現場監督&最高責任者】みたいなものだ。

 

「こういう味の酒を造る!」と自分で決めて

 

その味が出来上がるように作業員に的確な指示を出すという役目だ。

 

酒造りのチームのピラミッドの頂点にいるのが『杜氏』で背負う責任も大きい。

 

 

 

 

 

 

んで・・・

 

俺が『蔵人』として入社してるわけ。

 

『蔵人』の説明は超簡単。

 

杜氏』の指示通りに動く【作業員】だ。

 

ただのプレイヤーである。プレイヤーなので体力の消耗はエグいが責任は薄い。

 

俺は『○○○な酒が造りたい!』とか『将来的に酒蔵をこういう風にしたい!』みたいな野望も希望も無かったので『蔵人』で充分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで・・・

 

過去のブログに書いた通り・・・

 

松井くんが退職した。しかも1年ぐらいで。

 

『次に誰か【杜氏見習い】で入社してくるのかなぁ?』

 

なんて思っていたら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

社長から

 

「昨日さ!【杜氏見習い】で入社希望の男の子と食事に行ったんだよね!男の子っていっても32歳なんだけど、XX大学を卒業してるし、会話している時もしっかりした人っていう印象だったから入社してもらうことにしたから!島田くん(仮名)って名前ね!覚えといて!」

 

・・・と言われた。(社長のテンションは高かった。嬉しかったのだろう)

 

【入社希望の人間と食事に行く】という謎のシチュエーションはどうやって生まれたのか意味不明だったが

 

とりあえず杜氏見習いで1名入社してくるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「島田くんは杜氏見習いだけどさぁ!最初は右も左も分からないだろうから桜田くんが面倒みて色々と教えてやってよね!」

 

と新人さんの最初の指導者として俺が任命された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後・・・

 

朝、酒蔵の駐車場に見慣れない車が駐車してあった。  

 

『・・・島田さんが今日から働くのかぁ。』

 

素早く察した俺は挨拶をちゃんとしようと急いで酒蔵へ向かった。

 

島田さんの方が新人ではあるが年齢は俺の方が下だったし(俺は当時20代半ば)

 

将来的には島田さんが俺に指示を出す側になるのだから俺が先輩面するのは変だと感じ丁寧に接しようと決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒蔵へ入ると・・・

 

1人の男が酒蔵のど真ん中に立っていた。

 

立ちながら天井を見上げていた。

 

『え?天井に何かあるのか?』と思ったが

 

天井には何も無く、ただ見ているだけなんだろうなと深くは考えなかった。

 

天井を見ているからか俺には全く気付いていないようだ。

 

 

 

 

 

 

男の身長は低めで筋肉はほぼ無いといっても過言ではないぐらいガリガリの身体。

 

猫背なのか姿勢が悪く、色白だった。

 

色白だから口周りのヒゲの青さが目立ち

 

髪型は天然パーマで短髪。東野幸治の髪型と同じ。

 

ズボンは腰より高い位置まで上げてあり

 

かけているメガネは昔の羽生名人がかけていたような古くてダサいやつだった。(寝癖で有名だった頃の羽生名人ね)

 

パッと見た感じの全体の雰囲気は・・・

 

 

 

 

 

 

 

『冗談が通じなさそうな理科の先生』って雰囲気だ。

 

とりあえず挨拶をした。

 

 

 

 

 

 

 

桜田「おはようございます!・・・島田さんですか?」

 

島田「・・・あっ!はっはい。すすすいません。」

 

桜田「社長から島田さんに仕事を教えるように言われている桜田です。今日からヨロシクお願いします。」

 

島田「はい。すすすいませんっ。」

 

桜田「・・・ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそく俺は違和感を感じた。

 

一流大学を卒業していて見た目が『理科の先生』ならば冷静で落ち着いた人間なんだろうなと予想していたからだ。(勝手に予想したんだけどね)

 

俺の予想とは全く違い

 

島田さんは妙にオドオドしていて

 

何故か「すいません」を連続で発していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・大丈夫かな・・・この人・・・』

 

俺は心の中がザワついた。

 

初対面で緊張しているとしても

 

32歳で「おはよう」が言えなくて

 

自分の名前すら紹介できないって・・・

 

ヤバそうな匂いがプンプンする・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・で

 

結果的に俺の『ヤバそうな匂い』は当たっていた。

 

島田さんは『ヤバそう』ではなく『完全にヤバい男』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

まず・・・

 

島田さんは人の話を全く聞いていない。

 

マジで聞いていない。

 

っていうか

 

人が説明している途中でも天井を見上げてボーッとし始めるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

島田さんが来た初日に機械の説明を俺なりに丁寧に話していた。

 

説明の途中で何となく島田さんの顔を覗いてみたら

 

島田さんは天井を見上げていた・・・。

 

もちろん天井に機械が設置されているわけではない。

 

俺は説明を止めて『あのぉー・・・説明している途中なんですけど』みたいな雰囲気を出してみた。

 

 

それから数秒間マジで島田さんはボッーとしていた。マジで引いた。

 

『コイツ・・・ヤバっ・・・』

 

俺は天井を見上げている島田さんの横顔をガン見した。

 

ガン見したくてしているわけじゃなく

 

島田さんに何と声を掛ければいいか分からなかったからだ。

 

話している途中にいきなり相手が天井を見上げている状態なんて想定外だったし経験も無かったから。(誰にも無いだろ)

 

それから数秒後に島田さんは俺がガン見しているのに気付いて「すすすいません!」と謝ってきた。

 

 

 

 

 

 

桜田「・・・聞いてました?」

 

島田「すいません!」

 

桜田「別にいいんですけど・・・どこまで聞いてました?」

 

島田「すいません。」

 

桜田「最初から説明し直しましょうか?」

 

島田「すいません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

話の途中で天井を見上げることにも驚きだが

 

コッチが何を質問しても「すいません」で返答してくる島田さんとは会話すら出来なかった。

 

 

 

 

 

 

桜田「メモとか書かないんですか?覚えられますか?」

 

島田「すいません。」

 

桜田「とりあえず説明した通りに機械を動かしてみましょうか。」

 

島田「すいません。」

 

桜田「・・・いや、動かしてみて下さい。覚えてますか?」

 

島田「すいません。すいません。」

 

桜田「電源ボタンの位置は覚えてます?」

 

島田「すいません。」

 

桜田「・・・今度からメモとか取りながら説明を聞きましょうね。」

 

島田「すいません。すいません。」

 

 

 

 

 

 

 

・・・こんな調子だ。俺もお手上げ。

 

ちなみに島田さんは

 

その後1度もメモを取ることは無かった。

 

しかも

 

島田さんは「すいません。すいません。」と言っている割には

 

「すいません」と言い終わった瞬間に平常心に戻るのだ。

 

反省している表情とか悲しそうな表情ではなく「すいません」の後に無表情の真顔に即効で戻る。

 

「すいません」と言っている最中は少し焦っている雰囲気はあるが言い終わった瞬間に真顔になる。

 

つまり

 

謝っているわけではなく・・・

 

島田さんの中では

 

ただの返事の言葉が「すいません」なのだ。

 

「はい」「いいえ」と同じだ。

 

むしろ

 

「はい」と「いいえ」の両方を「すいません」の一言で済ませているのだ。

 

だから何を質問しても「すいません」になっていた。

 

俺は何度も

 

「『すいません』じゃなくて『はい』か『いいえ』で言うならどっちですか?」

 

と島田さんに聞いていた。(そういう風に聞くと「はい」か「いいえ」で答えてくれた)

 

 

 

 

 

 

そんな島田さんは仕事の覚えが悪いとかいうレベルでもなかった。

 

1日が経つと・・・

 

すべてが初日に戻っているのだ。

 

朝が来れば『酒蔵の真ん中で棒立ちしながら天井を見上げている島田さん』が毎日いる。

 

島田さんは誰よりも早く出勤しているのだが

 

誰かが出勤してくるまで棒立ちなのだ。

 

で次に出勤してきた誰かが

 

「ボイラーの電源は?入ってる?」と聞き

 

「すすすいません」と島田さんが答えるのが毎日の光景になっていた。(ちなみに島田さんは最後までボイラーの使い方を覚えなかった)

 

 

 

 

 

ここまで来ると俺も考え始めた。

 

失礼かもしれないが『島田さんは脳に障害があるのでは?』と疑い始めた。

 

しかし本人に「障害があるんですか?」とは聞くわけにはいかない。

 

とりあえず

 

まずは社長に聞いてみた。

 

 

 

 

 

 

 

桜田「あのぉー・・・島田さんって社長から聞いてたような人物じゃない気がするんですけど。」

 

社長「確かにね。皆からダメダメ過ぎて話にならないって聞くよ。」

 

桜田「何かの人違いって可能性があるんじゃないんですか?」

 

社長「いやいやいや!それはないでしょ。だって一緒に飯食べたんだから。」

 

桜田「・・・この先どうすりゃいいんですかね?教えるってレベルじゃないんですが。」

 

社長「・・・根気強く頼むよ。彼は勉強は出来るはずなんだから。だってXX大学出身だからね。」

 

桜田「・・・それも本当なんですかね?酒が完成するまでの流れとか仕組みを全く理解できない人が勉強なら出来るとかあるんですかね?」

 

社長「そうねぇー・・・でも頼むよ。もう根気強く教えてやってとしか言えない。杜氏見習いとして正社員で雇っているんだから。」

 

桜田「分かりました・・・。」

 

 

 

 

 

 

どうやら社長も疑い始めてはいるが打つ手なしって感じだった。

 

 

俺も俺で島田さんに対してイライラが蓄積されていた。

 

百歩譲って『じっくりと根気強く教える』のはまだいい。

 

 

俺以外の普段は穏やかな爺さん作業員達までもイライラし始めており

 

『島田と一緒にいると邪魔で仕方ないからアイツと組ませろ』

 

といった無茶な要望まで出るようになった。

 

ここでの『アイツ』とは

 

島田さんが入社してくる半年前ぐらいに

 

20歳の男性がアルバイトとして採用されていて『将来的には正社員としてココで働きたい』と熱心に酒造りに参加していた人物だ。

 

 

 

 

 

爺さん達は『邪魔だから20歳のアイツと組ませろや』って言うが

 

俺としては『いやいや・・・彼はまだアルバイトで来てるから正社員で【杜氏見習い】の島田さんが20歳のアルバイトの下に引っ付くのは変だろ』っていう思いもあるし

 

20歳のアルバイトの男性は『あの島田って人は全く仕事しないで正社員なのにガッツリ仕事している俺がアルバイトって不公平じゃない?』って不満が溢れているし

 

島田さん以外の人間が全員イライラしている雰囲気に酒蔵全体がなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして・・・

 

俺のイライラがプチ爆発する時がきた。

 

島田さんが入社して数週間が経った日・・・

 

相変わらず島田さんは初日と同じモードで仕事内容を全く把握しておらず

 

会話しようとしても「すいません」を連発。

 

コミュニケーションすらまともに出来ず

 

何の作業を任せればいいのか俺は困り果てていた。

 

しかも

 

俺の真後ろにいっっつも島田さんが棒立ちで存在している。

 

でも

 

話し掛けたら毎回「すいません」と言い

 

作業の説明を俺が始めたら天井を見上げる謎の状態に入る島田さん・・・。

 

『マジで何させりゃいいんだ・・・』

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず・・・

 

布を乾かす乾燥機(コインランドリーに設置してあるようなやつ)の運転が終わっているみたいだったので

 

「乾燥機の運転が終わってるから中の乾いた布を畳んで棚に収納して下さい。」

 

と島田さんにお願いした。

 

 

 

 

 

 

 

 

すると・・・

 

無言で島田さんが乾燥機へ向かって行った。

 

『これぐらいはさすがに出来るだろう』

 

と島田さんの背中を見つめていたら

 

島田さんが数秒間、乾燥機の前で棒立ちになり

 

また俺の方へ歩いて来た・・・

 

 

俺に言ってきた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの布は本当に乾いているんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一言に俺はキレた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「触って確認しろバカ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立て続けに俺は言い放った・・・

 

「アンタはコインランドリーに行った時も乾燥機で服が乾いているか人に聞くのか?フタを開けて少し触れば乾いてるかどうか確認できるだろーが!!!」

 

 

 

 

 

 

 

すると・・・

 

いつもは「すいません」しか言わない島田さんが今日に限って謎の返答をした・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや・・・コインランドリーに行った経験が無いから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に俺は再びキレた・・・

 

「はぁ!?そこじゃねぇだろ!!!気になるポイントそこじゃねぇ!!!」

 

興奮した俺は・・・

 

流れでついに言ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタさ・・・頭に異常でもあんのか?明らかに変だぞ。何か隠してないのか!?」

 

とうとう言ってしまった俺・・・

 

俺からキレられた島田さんはハッとした表情を浮かべた。

 

 

彼は驚きの行動をし始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなりポケットから携帯電話を取り出したのだ。

 

俺は『え?何?何で携帯電話?』と一気に冷静になった。

 

 

島田さんがどこかに電話を掛けだした。

 

『え?え?え?何で?何で?こわっ』

 

俺はマジで鳥肌が立った。

 

目の前にいる人間にキレられた直後に電話し始めるなんてイカれているとしか考えられない。

 

島田さんが電話しながら喋り始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっもしもし?お母さん?あのさ、『頭に異常があるんじゃないか?』って職場の人に言われたんだけど何か異常があるのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・やばっ!コイツはマジでヤバい!!!

 

え?え?え?32歳だろアンタ?

 

「お母さん〜」ってマジかよ!!!

 

ヤバいってコイツは!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・うん。うん。あっそう。何も異常とかは無いんだね。分かった〜。」

 

島田さんは電話を切った後に

 

俺をジッと見つめ・・・

 

「親に確認したら異常とか聞いたこと無いって言ってました。」

 

と真顔で俺に淡々と言ってきた。

 

俺は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう・・・ですか・・・」

 

と答えるのが精一杯。ゾッとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この人はシャレにならん。もう何の指示も出さずに後ろにおってもらうしかない!』

 

俺は島田さんに仕事を教えるということを諦めた。

 

次の日から・・・

 

マジで俺の後ろに島田さんは立っていた。

 

さすがに一日中ずっと何もさせないのは問題なので

 

重たい物を一緒に持ってもらったり・・・

 

適当に掃除してもらったり・・・

 

とりあえず確実に誰でも簡単に出来る作業をやってもらっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし・・・

 

また俺がキレてしまう事件を島田さんが起こしてしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

次回に続く。

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(正直に言うと島田さんをブログに登場させるのは止めようと思っていた。なんか『こんな変な人がいたんですよぉ』みたいな雰囲気じゃなく『病的なもの』を感じたから。ただ俺がイライラしてハラスメント行為をしたのは事実。よって懺悔のつもりで書く)