振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

イケてる自動車部品メーカー②

お疲れ様です!桜田紋吉でぇす!今日も書くから読んで下さい!

 

 

 

 

さっそく前回(①)の続きを・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある年の(2015年ぐらい?)

 

3月にイケてる自動車部品メーカーの採用試験を受けたアラサーの俺。

 

4月に『アンタを採用しちゃうよ〜』との通知が届き・・・

 

将来に対し若干の安堵感に包まれた俺は

 

結婚を前提とした彼女を作ることにも成功。

 

しかし

 

5月になっても

 

『アンタを採用しちゃうよ〜』以降の連絡がイケてる自動車部品メーカーから届かず

 

入社日などの詳細が一切不明なまま

 

ギリギリ倒産していない今の職場で楽しい時間を謳歌していた。

 

毎日が楽しいのはいいが

 

『あれ?いつからイケてる自動車部品メーカーに行くんだ俺?しかも入社して半年間は東海地方での研修だよな?大丈夫かコレ?』

 

『もしかしたら採用されていないんじゃないか?』

 

と連絡が来ない日が続けば続くほど不安が膨らんでいった。

 

コッチから『俺は本当に入社できんの?』とイケてる自動車部品メーカーに電話すんのも変だし・・・

 

とりあえず待つことに。(それしかできん)

 

 

 

 

 

 

その間に・・・

 

彼女の両親へ挨拶をしに行った。

 

前の彼女の親で痛い目にあっていたので(過去のブログをチェケラ☆)

 

慎重に様子を伺うように挨拶しに行った。

 

念の為にスーツ着用で。

 

そしたら・・・

 

めちゃくちゃ気さくな人柄のご両親で

 

「で、いつ結婚するの?早い方がいいぞ!」

 

・・・トントン拍子で話が進んだ。

 

最終的に

 

『東海地方での半年間の研修が終わって地元に戻って来たタイミングで籍を入れる』

 

『その後には結婚式を挙げる』

 

・・・まで話が進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

『1回目の挨拶でこんなに話が進むか!?』

 

と自分でも驚いた。(前の彼女の親の件があったから尚更)

 

俺の両親に彼女の両親と話してきた内容を伝えると

 

やはり喜んでいた。そして安心していた。

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

6月になった。

 

やっとイケてる自動車部品メーカーから連絡が来た。メールで。

 

『採用される方が一気に入社されると不都合があるので【8月に入社される方】【10月に入社される方】【12月に入社される方】に分けます。どの月がいいですか?』

 

っていう内容で。

 

あんまり意味が分からなかったが(分ける意味がね)

 

俺の想像だと・・・

 

 

 

 

 

 

 

今からアナタの地元に新工場を建設するので

 

工場が完成するまでの間は

 

東海地方の本部で勉強してくれ・・・と。

 

 

勉強が済んだ者(半年過ぎた人)から徐々に地元に戻ってもらって

 

地元の工場を軌道に乗せてくれ・・・と。

 

・・・多分こんな意味だろう。

 

 

 

 

 

 

詳細な理由は書いてなかったが自分なりに想像していた。(想像しても意味は無いけど)

 

100人ぐらいは地元の工場に採用するって話だったので

 

100人が一気に本部の工場に来ると困るのだろう。(店に客が来店し過ぎると売る物が無くなって困る・・・みたいな。←例えが驚くほど下手だな)

 

 

『入社は別にいつでもいいけど』と俺には強い希望が無かったので

 

正直に『いつでもいいです』と返信した。

 

すると

 

イケてる自動車部品メーカーから返答が。

 

 

 

 

 

 

 

 

『アナタは10月入社に決まりました』と。

 

10月かぁー・・・

 

まだ4ヶ月もあるやないかい!!!

 

 

 

 

 

 

少しだけ拍子抜けしたが

 

『まぁー・・・今の職場は相変わらず楽しいから9月末まで呑気に働こう!』

 

俺は残された時間を楽しむことにした。

 

そして心の隅っこでは

 

『10月から東海地方で過ごして・・・半年後の翌年4月に戻ってきて・・・夏頃に結婚するのかな?』

 

と結婚までのスケジュールも考えていた。

 

もちろん彼女と話し合いながら。

 

 

 

 

 

 

 

アラサーになって

 

やっと

 

人生がゆっくりと前に動き出した。

 

・・・ような気がした。

 

それはそれで嬉しかった。

 

今までが前進してんのか後進してんのか分からないような人生だったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

9月になり・・・

 

上司から「9月末で退職らしいけど君は有給が残っているから9月の2週目から有給消化する為に休んでくれ。もちろん9月末まではウチの社員だから変なことすんなよ〜!」

 

と言われた。

 

「変なことって何すか(笑)」なんてサムい絡みを上司としちゃったりした。

 

でも

 

「有給は残っているが月末まで働きに出て来いよ!ここを裏切って他の会社に行くんだろオマエは!」

 

みたいな言葉を言う上司も世の中にはいると思うので

 

「有給消化で休め」と言ってくれる上司の対応と

 

「裏切り者!」ではなく「月末まで変なことすんなよ〜!」と冗談みたいに言ってくれる優しさが

 

妙に身に沁みた。

 

この会社が俺は心から好きだったんだろう。

 

じゃないと身に沁みないもんな。

 

会社に感謝した。

 

 

 

 

 

 

 

有給消化の時期に突入し・・・

 

彼女の両親に

 

『来月から東海地方に行くので半年後の4月に帰って来ます。で夏頃に入籍しようかなと考えています。』

 

と俺の考えを伝えた。

 

彼女の両親からは了承を頂いた。

 

ついでに自分の両親にも伝えた。

 

これで何とか結婚まではスムーズに進めそうだと安心した。

 

 

 

 

 

 

気付けば

 

あと1週間で10月になろうとしている。

 

そんな時・・・

 

会社の同僚から電話が・・・

 

 

 

 

 

 

「有給消化でどうせゴロゴロしてんだろ?送別会やってやるから週末!」

 

との連絡が。

 

指定された日に指定された居酒屋に行くと

 

 

 

 

 

 

・・・泣きそうになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同僚や上司を合わせて20人以上が俺のために集まってくれていた。

 

マジで泣きそうになった。

 

俺は皆が残る今の会社を捨てる決断をした人間なのに。

 

だからこそ集まってくれていること自体に感動した。

 

今思い返しても

 

この会社には感謝と楽しかった思い出しか残っていない。

 

「新しい会社でも頑張れよ!オマエなら頑張れるさ!」

 

皆が笑顔で送ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

この頃の俺は

 

感動と希望でお腹いっぱいだった。

 

『俺の未来は明るい』

 

そう信じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに10月1日になった。

 

午後から東海地方の本社工場で入社式っぽいのをやるらしい。

 

朝一で新幹線に乗り込み・・・

 

新幹線から普通列車に乗り換えた。

 

普通列車を降りて

 

バスに乗り本社工場の前まで来た。

 

 

 

 

 

 

・・・驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが本社工場!?」

 

思わず口に出して言ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

建物がめちゃくちゃ古い・・・。

 

なんか雰囲気も薄暗い・・・。

 

入口にいる警備員の愛想もクソ悪い・・・。

 

だから思った・・・

 

 

 

 

 

 

『あっ・・・会社説明会で見た会社紹介の映像ってCGを駆使したやつだったな・・・』

 

『こんなにボロけりゃCGに頼るしかないよな・・・ヤラれた・・・』

 

直感で

 

『こりゃヤバいぞ・・・』の感じがした。

 

ぶっちゃけ

 

『騙された』とさえ感じた。

 

 

 

 

 

 

 

本社工場の端っこにあるクソボロい建物の中に入った。

 

地元から来たであろう25歳から35歳ほどの男性が20人ぐらい座っていた。

 

『コイツらも今日から入社だな』

 

俺は会釈しながら空いている席に座った。

 

 

 

 

 

 

数分後・・・

 

本社工場の偉い人らしき人物が入ってきた。

 

やる気があるのかないのかローテンションで話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「えぇー・・・今日から皆さんにはこの工場で半年間ほど研修してもらいます。この工場の敷地には『第1工場』『第2工場』『第3工場』があります。この3つの工場は仕事内容や覚える作業が違うので配属先を確認し席を移動して下さい。」

 

・・・手元にある資料を見ると俺は『第2工場』に配属されるらしい。

 

席を移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『とりあえず今日は皆さんの配属先の工場の見学をして下さい』との説明があった。(もちろん就業規則の説明とかもあったよ)

 

俺は第2工場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

第1工場も第2工場も第3工場も・・・

 

とにかくデカい。地元じゃ見ないデカさ。

 

そして・・・

 

ボロい。震度1で全壊するんじゃないかと思うほどボロい。めちゃくちゃ古くて傷みまくっている。

 

そして・・・

 

暗い。常に暗視ゴーグル着用か?と思うほど暗い。未だにLEDライトではなく安い蛍光灯を使用しているようだ。

 

そして・・・

 

作業員のガラが悪い。アホみたいな腰パンで昔のドラゴンアッシュ風味な奴もいる。(顔面はドラゴンアッシュではない)ガムをクチャクチャしながらメジャーリーガー気取りで作業している奴もいる。

 

 

 

 

 

俺は嫌な予感しかしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・が!なんと!

 

第2工場の奥の方で見つけた!!!

 

前の会社で一緒に働いていた先輩を見つけたのだ!!!

 

確かに先輩は「オマエは10月入社かぁ!俺は8月入社になったんだよ!一緒に働けると嬉しいよな!」って言ってたんだよ!

 

希望の光だ!!!

 

ここに希望があったとは!!!

 

先輩も第2工場配属だったとは!!!

 

めちゃくちゃ明るくて優しい先輩だったので近付いて話し掛けようとした・・・

 

 

 

 

 

 

 

・・・が!

 

どうやら様子が変だぞ・・・。

 

先輩の横には本社工場の奴が立っている。

 

地元から来た人間と本社工場の人間ではヘルメットの色が違うので判別は簡単だ。

 

遠くから先輩を見ていると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩は必死にペコペコと頭を下げている。

 

本社工場の奴は先輩を怒鳴っているっぽい。

 

『えっ先輩が何かやっちゃったのか?』

 

と心配しながら見ていると・・・

 

次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

本社工場の奴が・・・

 

 

 

 

 

 

 

先輩の太モモ付近を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蹴りやがった・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・嘘だろ?蹴るか?大人が人を蹴るか?

 

先輩がどんなミスをしたか知らんが

 

蹴る?普通に考えて蹴るか?キックするか?

 

しかも

 

その周辺にいる人間は全員スルーしている。

 

見ていないのか・・・

 

見ても知らんぷりなのか・・・

 

どっちにしろ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この職場は・・・

 

『クソ』の可能性が高い。

 

クソの臭いがプンプンする。

 

 

 

 

 

 

数分後・・・

 

俺の存在に気付いた先輩が近付いてきた。

 

俺は先輩が蹴られる場面を見てしまっていたので

 

どんな表情をして接すれば分からなかったが

 

とりあえず

 

「お久しぶりです。俺も第2工場です。また一緒に働けますね。」

 

と笑顔を作って伝えた。

 

すると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんなに明るかった先輩が

 

死んだような表情で・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここはヤバいぞ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とだけ言って作業に戻った。

 

どうやら嫌な予感は的中らしい。

 

今日から俺はここで働くのだ。f:id:oasis2018:20220119182046j:image

(あまりにもボロい建物を見て『だからCGで作った映像を見せたんだ!』と少しだけ納得しちゃったよ俺。すべての事柄には裏があんのよね)