お疲れ様です。桜田紋吉です!今日もヨロシクお願いします。
さっそく本題へ。
『このくらいでイラッとするなんて俺もまだまだ若いなぁ』
なんて思う出来事があった。
最近の俺はイラッとしないように心掛けてはいる。
40年近く生きてきた結果・・・
何かでイラッとした後に、イラッとした理由を自分なりに分析してみると
『そこまでイラッとするようなことではない』
と思うような事柄ばかりのような気がする。
なので
イラッとなりそうな気持ちになると
『待て待て。多分、大したことではない』
と自分に言い聞かせている。
しかし
先日、イラッとしてしまった。
まだまだ未熟で若いのだろう。
ある日・・・
お得意先の営業マンが
作業場で仕事中の俺にコソコソと話し掛けてきた。
その営業マンはいつもニコニコしていて性格も良い。ナイスガイである。
で、その話の内容が
「息子が部活動で全国大会へ行くので寄付を募っています。もし、可能なら協力してくれませんか?」
という内容の話だった。
一口1000円から寄付をお願いしているらしい。
俺は「オッケー!一口でもいいでしょ?」と財布から千円札を出した。
営業マンは「あーざすっ!」と頭を下げてくれてニコニコしていた。
すると
営業マンが思い出したかのように
「あっ!そういえば商品付きの寄付もあるんですよねぇー」
と聞き慣れない『商品付きの寄付』というワードを口にした。
どうやら
一口2000円出すと
ご当地の食材が貰えるらしい。ラーメンとか煎餅とか。
多分、2000円出して
そのうちの1000円が寄付されて、残りの1000円で商品を購入するようなシステムなのではないだろうか。
俺は
『2000円でラーメンを購入したと思えばいいか。それで寄付になるなら。海外なんてラーメン1杯3000円ぐらいするって聞いたことあるし!』
と自分でもよく分からない理由で自分を納得させ、また財布から千円札を追加で出し
合計2000円で商品付きの寄付をした。
恥ずかしながら
俺は今まで寄付をした経験がほぼない。
被災地の映像がテレビで流れる度に
『あぁ寄付しなきゃダメだよな・・・』
なんて思いながらも
実際、自分の生活や銀行の残高なんかを考えると
『寄付か・・・いつかきっと・・・』
と寄付からそっと逃げてきた。
だからこそ俺は
今回の商品付き寄付で2000円を営業マンに渡した時に
自分が少しだけ成長したような気になり
被災地への寄付じゃないとしても
『困っている人への寄付という意味では似ているだろう。自分を褒めたいな!』
なーんて心の中で思っていた。
なぜか寄付した側の俺がニコニコするという気味の悪い状況になり
照れ臭さを隠すように
「では仕事に戻ります」と急いで作業場へ。
大した額の寄付をしたわけではないのに
『俺はいいことをした!』と満足気な俺に
一人の男が近づいてきた。
・・・シマセンである。(真打登場)
どうやらシマセンは
俺と営業マンの絡みを少し離れた場所から覗き見&盗み聞きしていたらしい。
シマセンは俺に言った。
「あのさぁー、どうせ寄付するなら商品付きの寄付じゃなくてさぁー、2000円を渡すんならさぁー、一口1000円を2回分寄付した方がぁー、相手側に2000円が全部寄付されるようにした方がぁー、よかったんじゃねぇ?」
・・・えっ!?俺は動揺した。
そんな俺にシマセンが止まらない。
「いや、寄付なんだからさぁー、商品を貰おうっていう考えは捨ててさぁー、ちゃんと寄付だけした方が相手も喜ぶと思わないか?」
・・・えぇぇ!!!マジかよ!!!
俺は言葉が出なかった。
まさか
商品付きだとしても、寄付したことには変わりないはずなのに、そんな感じで言われるとは夢にも思わなかったからだ。
言われてみれば・・・
確かにそんな気もする・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
いや、普通にムカつくんだけど。
俺の善意に冷水ぶっかけんじゃねぇよ。
おいおいおい。おーい。
俺が俺の金でやったことだろーが。
カチーンとくるねぇ・・・。
・・・いや、でも、確かにシマセンの言っていることも分からんではない。
・・・いや、でも、俺に言う必要あるか?
・・・いや、でも、シマセンも一理ある。
・・・いや、でも、ムカつくよなぁ。
こんな感じで俺は
『シマセンの言うことも分かる・・・』
『でもムカつく・・・』
を何回も頭で繰り返し、ちょっとした迷路に迷い込んだ。
すでにシマセンはどっかに行ってた。
言うだけ言って、どっかへ行った。
俺は何度も考えたが『正解』が分からない。
迷路から抜け出せずに
ゔゔゔゔぅぅぅ!!!と叫びそうな俺に
またさっきの営業マンがやって来た。
「寄付ありがとうございました!今日のところは失礼します!また仕事でお世話になると思うので、そん時はヨロシクお願いします!」
相変わらずのナイスガイな挨拶で帰ろうとした営業マンを俺は引き止めた。
「あのぉー・・・なんかすいませんねぇ。商品付きの寄付じゃなくて、純粋に寄付だけした方がよかったでしょ?」
と俺は聞いてみた。
すると営業マンは・・・
「いえいえ!ってか、ここの職場の皆さんは全員『商品付きの寄付』でしたよ!気にしないで下さいよ〜!」
・・・えっ?
俺は急いで
「ウソ!?〇〇さん(シマセン)も!?」
と焦りながら聞いた。
営業マンは答えた・・・
「ん?はい!そうですよ!全員そうです!」
・・・はぁ!?
こらぁぁぁぁ!シマセンこらぁぁぁ!!!
マジどゆこと!?どーなってるわけ!?
なーにが「ちゃんと寄付だけした方が・・・」だ!
おめぇも商品欲しがってるじゃねぇか!!!
意味が分からん!!!
いつも意味が分からんけど、今日は特に意味が分からんって!!!
さすがだな!シマセン!!!
さすがだよ!!!お手上げ!!!
俺は呆然としながら
「あっ・・・そうですかぁ・・・お疲れ様でしたぁ・・・」
と営業マンを見送った。
営業マンは「では、帰ります!」と車を停めている方向へ歩き出した・・・
そして
何かを思い出したように振り向いて俺に言葉を発した。
「ちなみに〇〇さん(元・部長)は寄付の話すら聞いてくれませんでしたwwwだから全員が寄付してくれたわけではないですwww」
・・・さすがだな!さすが!!!
俺はこの職場が好きだ。最高すぎる。
(シマセンにイラッとするなんて俺もまだまだ甘いぜ)