振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

優子ちゃんの一連の流れ

毎度お疲れ様です。今日も桜田紋吉(もちろん仮名)です。ヨロシクお願いします。






最近の口癖は「何か良いニュースないの?」です。マジで勘弁して下さい。


コロナ・熱中症・豪雨・不倫・自殺・・・とかばっかりじゃないですか。


頼みの大谷はピッチャー今季絶望になっちゃいましたし。今年からメジャー移籍した秋山・筒香も『う~ん』って感じですし。ダルビッシュだけですかね。期待していいのは。


本当に今年のダルビッシュは『ついに!』の雰囲気が満載です。毎年毎年『今年のダルビッシュはサイヤング賞イケる』って言われてきましたが、とうとう本気になりました。ダルビッシュが。もう皆さん、ダルビッシュだけを見て今年を乗り切りましょう。


『希望』と書いて『ダルビッシュ』と読みましょう。


ってか


あまりにも悪いニュースしか報道されないんで俺は絶対に話題に乗らないようにしています。


職場とかで『昨日コロナの新情報がテレビでやってたんだけど~』とか『俳優のXXが自殺しちゃったな~』みたいな話題が上がると絶対に会話に参加しないようにしています。


なーんか


マイナスな話で盛り上がるという状態に違和感を感じるようになってきまして。


でも、いますよね?マイナスな話が大好きな人が。ノリノリで話す人いるんだよな。そういう人すらも苦手になってきました。得意気にマイナスな話すんなって感じです。







では・・・本題に入ろうかな!









今回は『好きな女性のタイプが変わった瞬間』って話。


子供(小学生)の頃の話だけどね。


そもそも


『子供の頃から好きな女性のタイプはずっと同じです!』って人は少ないと思うが


『この瞬間からタイプが変わった!』と断言できる人も少ないんじゃなかろうか?







それでも俺ははっきりと記憶している。


あの瞬間を・・・









小学5年生の頃の俺は『ハキハキと喋る』『スポーツ万能でおてんば』『グループのリーダー』みたいな女の子が好きだった。


こんな女の子は男子にも喧嘩では負けない。時には気の弱い男子を泣かすこともあった。


そんな女の子に俺は惹かれていた。


特に俺が惹かれていた女の子は『優子ちゃん(もちろん仮名)』だ。







ある日・・・


体育の授業が


『男子は運動場でソフトボール』『女子は体育館でバレーボール』という男女別に分かれて行われることになった。








優子ちゃんが先生へ異議を唱えた。


「女子の中にもソフトボールしたい人がいるんですけど!絶対バレーボールじゃなきゃダメなんですか!?どうして男子に混ざってソフトボールしたらダメなんですか!」







気の強い優子ちゃんの迫力に先生も押され


「・・・そっそうだね!じゃあ他にソフトボールの方がやりたいって女子はいるかな?」


優子ちゃんの手下のような気が強い女子が数名「はーい!」と手を挙げた。







「じゃあ男子の中にバレーボールがやりたいって人はいるかな?」


と先生が男子を見渡した。


さすがに5年生にもなると「女子に混ざってバレーボールしたいです!」という野郎は皆無だった。(オジサンになった今なら女子に混ざってバレーボールがした・・・あっスイマセン)







というわけで・・・


優子ちゃんを筆頭に数名の女子が男子に混ざりながらソフトボールをやるということに決定。


さっそくプレイボールだ。







俺と同じチームに優子ちゃんはいた。


後攻だったので、まずは守備からだ。






優子ちゃんはサードの守備で俺はセカンドを守っていた。


ヤル気満々の優子ちゃんが吠えた。


「おーい!ここに打ってこい!ガンガン打ってこいよ!」






もちろん相手チームの先頭打者は男子だ。


性別なんかお構い無しに「ここに打ってこい!」と挑発しながら吠える優子ちゃん。


『優子ちゃんカッコ良い~!』←俺の心の声


俺は痺れていた。男子よりも男子な優子ちゃんに痺れていたのだ。






そんなことを思っていると・・・


「ボール!フォアボール!!!」


と審判(審判は担任の先生)が大声で伝え先頭打者は一塁へと走っていった。






2番打者も・・・


「ボール!ボール!ボール!ボール!フォアボール!」


一球もストライクが入らずに3番打者まで回ってしまった。






ピッチャーをしていたのはスポーツ音痴の『Y君』だ。


『なんでスポーツ音痴にピッチャーを任せたのか?』と疑問に思うが


俺の記憶では


スポーツが得意な人はボールを取ったり、ボールを追い掛けたりするのが楽しいんであって『ずっとボールを投げるだけのポジション』は人気が無かったのだと思う。しかもソフトボールは下から投げるやつだし。


『おまえ守備できないだろ?だったらピッチャーやれ!』みたいな強引な決め方でY君がピッチャーに任命されたと記憶している。






Y君は「ボール!」と言われる度に泣きそうな表情に変化していった。


「おーい!一球ぐらいストライク投げろー!」
「緊張すんなー!」
「大丈夫かー!Yくんー!!!」


Y君に向けて様々な声が掛けられていた。






・・・が


3番打者に対してもフォアボールを出してしまったY君。








ついに・・・


優子ちゃんがキレた!!!







「オイ!コラ!!ヤル気あんのか!!!」


「もう交代しろ!!!私と交代しろ!!!」







優子ちゃんは怒鳴りながら怒りの表情でY君に詰め寄った。


Y君は・・・


「ごっごめん・・・。」


と下を向きながらボールを優子ちゃんに渡しピッチャーの座を降りた。





ピッチャーがY君から優子ちゃんになり


サードの守備が優子ちゃんからY君になった。


Y君は当たり前だが元気が無くなっていた。







逆に・・


優子ちゃんはニコニコ顔で


「よーし!打てるもんなら打ってみろよー!」


と相手の4番打者に向かって叫んでいた。



すると



「おい!優子!おまえの球なんかホームランにしてやるからなー!」


と相手の4番打者が優子ちゃんに強気の発言。


一気に現場の雰囲気が盛り上がってきた!










優子ちゃんの表情が真剣になり・・・






一球目を投げた・・・!!!








ボールが見事なコントロールによって


ど真ん中に構えるキャッチャーミットへと吸い込まれて・・・









と思った瞬間!!!








4番打者が凄い勢いでバットをスウィング!


からの


ジャストミート!!!








完全に芯で捉えた打球は・・・











優子ちゃんの顔面へ!!!


そのまま


おでこにジャストミーーート!!!











「うぇーん!!!」


大声で泣き出した優子ちゃん。


騒然とする運動場。


「大丈夫?」「痛くない?」と声を掛けながら優子ちゃんの周りに人が集まる。


それでも泣き続ける優子ちゃん。








保健室の先生が優子ちゃんの側へと走ってやって来た。


「痛い?・・・骨には異常なさそうね。でも脳は調べないとダメだから・・・よし!私が病院へ運ぶわ!」


と優子ちゃんを背負って校舎の方へと歩き出した。


その姿を皆が心配そうに見つめていた。








俺は・・・


『心配そうに見つめる人達』の輪の中にいなかった。


一歩引いた場所から傍観していた。








なぜかって?






必死だったのさ。












笑わないように必死に耐えてたのさ!←性格最悪









だってそうだろ?


しゃしゃり出てきて一球目で病院だぜ?


「オイ!コラ!」からの「うぇーん!」だぜ?


逆に『皆なんで笑わないの?』って不思議だったもん。









『え?こんな時に笑いたい俺ってサイコパス?一緒に心配そうにしなきゃダメだったの?』


なんて思っていたら・・・










Y君が・・・


優子ちゃんからピッチャーの座と元気を取り上げられたY君が・・・













離れた場所で爆笑していた。


俺がいる場所からはY君の姿がはっきりと見えた。


皆からは見えない場所に彼は移動していたが俺のいる場所からは完璧に見えたのだ。


ちゃんと皆からは見えない場所に移動して笑っているのが笑える。








本当に驚くほどY君は爆笑していた。


笑い過ぎて涙を拭く仕草も俺の位置からはしっかり見えた。


誰にも見られていないと思い、狂ったように笑うY君。


笑い狂うY君。取り憑かれているかのようだ。







Y君の笑う姿を見ていた俺も最初の方は愉快な気持ちになっていたが


ここまでY君の笑い狂う姿を見てしまうと


少し引いてきた。めちゃくちゃ笑ってんだもん。


こんなに笑っているY君を見るのは初めてだ。








しばらくY君を見ていると


俺の中に『恥ずかしい・・・』という感情が芽生えてきた。








それは


『怪我した人を笑うのが人として恥ずかしい』ではなくて


『めちゃくちゃ笑われている優子ちゃんの一連の流れって凄く恥ずかしい』の方の『恥ずかしい』だ。







俺は優子ちゃんに対して


『優子ちゃんは恥ずかしい人』という認識に変わっていった。


カッコ良くて好感を持っていたのに。


でしゃばる

しゃしゃり出る

怪我する

号泣


という流れが


Y君の大爆笑によって『めちゃくちゃ恥ずかしいこと』だと小学5年生の俺の心に強く刻み込まれた。








この『優子ちゃん恥ずかしい事件』の後


俺は【優子ちゃんみたいな女の子】がとても苦手になってしまった。


苦手というか・・・


見ていて恥ずかしくなるのだ。


元気な女の子がはしゃいだりテンション高かったりする様子を見るだけで


恥ずかしい気持ちになりアワアワしてしまう。


心のどこかで『この子は元気だけど調子に乗って失敗して誰かに笑われたりするんだろうな』と思ってしまい


『笑われている姿』を想像して


めちゃくちゃ恥ずかしい気持ちになってしまう。






ある種のトラウマなのかもしれない。
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(優子ちゃんは怪我した翌日おでこが紫色に腫れていた。脳には何の問題も無かったようだが元気が無かった。でも優子ちゃんのおでこを見たY君はいつもより元気だった)