お疲れ様です。桜田紋吉(もちろん仮名)は35歳とは思えない内容のブログを書いています。ようこそ幼稚な世界へ。
最近の口癖は「とりあえず黙ろうか」です。
会社の先輩のシマセンが俺に質問してきました。(久々の登場)
シマセン「紋吉!スマホの位置情報ってONにしているか?」
桜田紋吉「・・・はい?してますけど。」
シマセン「マジか!?いつも俺はOFFにしてるぞ!」
桜田紋吉「・・・へぇ。」
シマセン「何故か分かるか?」
桜田紋吉「いや、分からんですね。(分からんでいいけど)」
シマセン「ONにしとくとよぉー・・・盗まれるらしいぜ!情報を抜き取られるらしいぞ!」
桜田紋吉「・・・誰にですか?」
シマセン「中国!中国は情報を欲してるらしいからよ!」
桜田紋吉「・・・へぇ。そりゃ大変ですね。大変だぁ。」
シマセン「おまえも気を付けろよ!」
・・・どうですかコレ。
中国側の声が聞こえてきますよね。
「おまえの情報はいらん!」って。
盗んだところで「一番必要としない情報やないかコレ」って。
絶対にシマセンは何の情報も握ってないと思うんですが(クレジットカードすら所有したことない男だし)
何故か中国の圧に怯えておられました。
うん。とりあえず黙ろうか。
・・・ほんと忙しい男ですね。やっぱ最高ですわ。
では本題へ入ります。
今、俺が勤めている職場の経営者は70歳を超えた爺さんだ。
『経営者=社長』だがウチの場合は『社長』とは呼ばない。
使っている呼び方が特殊(特殊なのでブログでは使えない)で普通の人には意味不明だ。
なので
このブログでは『経営者』と呼んでいたが
それも微妙なのでブログ内では『社長』と今からは呼ばせてもらう。
社長は70歳を超えているのに新しい物に凄く敏感。
iPhoneの最新式を所有していて
腕時計はAppleWatchを使用中。
現金は所持せず支払いはPayPayで行うという爺さんの中ではかなり珍しいタイプだ。
そして
社長は食通でもあり「XX町にある新しい中華料理屋は旨かった」や「□□□を使った料理が出される料理屋に行ったけど微妙だった」とか「もっと調味料を工夫したら△△市にあるフランス料理屋は人気が出るのに」みたいな発言を頻繁にしている。(少しウザく感じる時もあるが)
70オーバーとは思えない若い感性だ。
職場には『元・部長』の60代前半の男性も勤務しているが
社長は『元・部長』よりも年下に感じる。かなり年下じゃね?と錯覚してしまうぐらい中身が若い。
60歳の『元・部長』の方がジジイみたいだ。(ってか『元・部長』は新しい物が極端に苦手な古いタイプの人間だから余計にそう思うのかも)
そんな若々しい70オーバーの社長を見ていると
自分もいつまでも若い感性で過ごしていきたいなと羨ましく思えてくる。
が
やはり社長は自分自身でも『俺は若いぜ。最新の情報にも詳しいぜ。そこら辺のジジイと一緒にすんなよ!』って分かっている感じがする。
たまに『そんな感じの空気感』を出してくる。(俺は若いぜって感じのやつ)
正直それは・・・鼻につく。『気取ってんなコイツ』って思ってしまう俺がいる。
社長は自分に自信があるからなのか
『うんちく』や『説教』や『自分語り』の所要時間が長い。とにかく語る語る。
『説教』と言っても『キレながらの説教』ではないので助かりはするが(どっちかと言うと『お坊さんの説教』みたいな)
長い時間はマジ勘弁。ホント疲れるんだよね。
毎回毎回・・・
「今からの時代は~~」
「これからの日本は~~」
「人の在り方とは~~」
・・・なんて言っちゃってて
バカな一般人の俺からしたら『誰に何を言ってんだ?は?』の状態になる。
それでも
『過去の話ばかりする老人』が俺は嫌いなので(本当に高齢者に多いよね)
未来の話や今の話をメインに話すことが多いウチの社長は好きな方ではある。(たまに過去の話をしていらっしゃる時もあるが)
つい先日・・・
食通の社長が「ここから(職場から)車で5分ぐらいの場所に新しく焼き鳥屋がオープンしたぞ!今日の仕事終わりに皆で食べに行こう!」と全員に焼き鳥をご馳走してくれることになった。
俺は『焼き鳥だったら【お持ち帰り】にして家で食べてぇな。全員で食事会なんて面倒だなぁ。高齢者より我が子と食事してぇよ!』とテンション低めだったが
自分だけ断れる勇気も無く、仕事が終わると焼き鳥屋へちゃんと向かった。
焼き鳥屋は個室完備でオシャレな雰囲気を出しており『これが令和の焼き鳥屋だぞ!』と言わんばかりの【今風】の店だった。
受付にいた店員も【今風】であり
背は高いが前髪で目を隠しているという『米津玄師の偽物』みたいな奴が俺を個室まで案内してくれた。
『米津玄師の偽物』の店員は元気が無く
「コチラに・・・なっ・・・ます。」
と小声で何を喋ってんのか俺には理解不能だった。
個室に入ると俺以外のメンバーも到着しており全員が揃った。
社長の乾杯の挨拶が終わり食事会スタート。
出てきた料理&焼き鳥の味は・・・普通だ。
ってか、俺は舌が肥えているタイプではないので正確な評価は出来ない。
出された料理が半分以上減ってきた頃に社長の語りが始まる。いつものことだ。
社長「今からの時代は人と人との繋がりが今までよりも重要になってくる。ネット社会だからこそ人との繋がりは大事にしなきゃいけないんだ。」
・・・なるほど。分からんでもない。
社長「どんな時でも相手の気持ちをしっかりと考えてからの行動や言動が求められるぞ。今からの時代は。」
・・・そりゃそうだ。間違いない。
良いこと言う爺さんだぜ。
俺はほっこりとした気持ちになった。
『ほっこりとして俺の気分も良いし早く帰りてぇな。そろそろ帰りてぇー・・・眠いし。』
飽きてきた俺は寝そうだった。眠い。
そんな時に個室の扉が開いた。
店長らしき人が入ってきて俺達に声を掛けた。
「すいません!店の前の川に車が落ちちゃって車内に女性と子供が乗ったままみたいなんですよね!車から出してあげたいんで誰か手伝ってくれませんか?」
・・・ほぉ。珍しいことが起きるもんだ。現場を見てみたい。
俺は断る理由も無いんで
「俺でいいなら手伝いますけど。」
と席を立った。
そしたら何故か俺以外のメンバーも席を立ち上がり(社長を含め全員)
俺の後ろを1列になってついてくるという『ドラクエのパーティー』のような状態で店を出た。
店の外に出てみると
川というか農業用の水路に車が横転してハマっていた。
車は左側が空を向いている状態でハザードが点滅していた。
(この画像はもちろんイメージです。現場は夜でした。横転の雰囲気は画像と似ています)
ラッキーなことに農繁期のシーズンではなかったので水路の水位は低く
車の中に水が入り込む心配は無さそうだった。
しかし
夜の8時を過ぎていたので周りは真っ暗。
ハザードの光だけを頼りに車へと近付いた。
車の近くには女性が立っており
どうやら窓を全開にして自力で脱出したみたいだ。
女性「すいません・・・。車の中に子供が3人いるんで抱っこして引き上げてもらえますか?」
動揺しているのか妙に冷静な口調で女性が頼んできた。
野次馬の人達に見守られながら(ウチの職場の人達以外も近所の暇人が見に来ていた)
『俺』と『店長らしき人』と『米津玄師の偽物』で子供を抱き上げて救出した。
3人の子供は小学校低学年と幼稚園児って感じの三姉妹だった。
子供に「大丈夫?」と聞いてみると
泣きそうな表情で「・・・うん。」と小さな声で返事をした。外傷は何も無さそうに見えた。
救急車が到着し三姉妹を救急隊員に任せたところで俺達の仕事は終了。
車の横に立っていた母親であろう女性は
「本当にありがとうございました。本当に助かりました。」
と俺達に深々とお辞儀をして三姉妹が乗っている救急車へと小走りで向かった。
すると・・・
その女性を呼び止める人が現れた。
「ちょっと!待って!待って!」
俺は『ん?誰だ?早く救急車に行かせてやった方がいいんじゃね?』と思いながら呼び止めた人を凝視した。
・・・まさかの社長だ。どうしたんだ?
社長は女性に近付いて喋った。
社長「夜だからさぁ・・・車のハザードが点滅したままじゃチカチカして目立つでしょ?消さないの?」
・・・は?
その場に居た全員が『なんだコイツは?何言ってんだ?』の表情を浮かべ微妙な空気が流れた。
呼び止められた女性は
「えっ?ハザード?・・・あっ!すいません!すいません!消さなきゃダメですかね?今から業者が車を引き上げに来るんですが・・・。その業者に任せちゃダメですか?」
かなり困りながら返答していた。
俺は心の中で『ジジイは無視して早く救急車に乗ってやってくれ!子供達の側に行ってやってくれ!』と叫んだ。
実際に声に出したい衝動に駆られたが相手はウチの社長なので心の中だけに留めた。
その時!誰かが叫んだ!!!
「そこの爺さんは無視していいから!早く救急車まで行って下さい!車は俺が見届けますんで心配しないで下さい!大丈夫ですよ!」
女性は「ありがとうございます!助かります!」と言い救急車へ乗り込んだ。
・・・よかったよかった。
誰だ?素敵なカッコいい台詞を叫んだ奴は?
声がした方向を見てみると・・・
・・・意外にも『米津玄師の偽物』がカッコいい台詞を発した人物だった!!!
いや、おまえかい!!!
でかい声出るんかい!!!
カッコよすぎ!!!見直したし!!!
『米津玄師の偽物』はウチの社長へ近付いて穏やかな口調で喋り始めた。
「あの・・・生意気かもしれませんが今はハザードとか何とか言っている場合じゃないと思います。相手の気持ちを考えて発言された方がいいと思います。」
・・・THE ど正論!!!ナイス!!!
【『人は見かけによらない』を王道で突っ走る男】それが『米津玄師の偽物』だっ!!!
一気にコイツのファンになった。
米津玄師じゃなくて君が歌ったCDなら買うよって伝えたくなった。(アホ)
ど正論を突かれたウチの社長は
「・・・すいませんでした。」
と素直に謝った。
それを聞いた『米津玄師の偽物』は
「謝るならさっきの女性に謝ってやって下さい。俺も生意気なこと言ってすいません。では、もう店に戻ります。失礼します。」
・・・素敵すぎる!!!マジで!!!
今年の紅白歌合戦の目玉はおまえじゃ!!!と伝えたくなった。(アホ)
去り際までカッコ良かった『米津玄師の偽物』が店に戻っていく背中を見つめながら俺は「俺も前髪伸ばそうかな」なんて独り言を呟いた。
なんだかんだで俺と社長と他のメンバーも店に戻り
全員が再び元の席に座ったが・・・
雰囲気が抜群にビミョー。笑うぐらいにビミョーだ。
そりゃそうだろ。
70過ぎの社長が前髪の長い若者に説教されたんだもん。最高だぜ。
しかも説教された内容が『相手の気持ちを考えろ』だもんな。
少し前に社長本人が「相手の気持ちを~~」なんて言っちゃってんだもん。
完璧なブーメランが社長本人に突き刺さってしまっちゃったんだから。もう傑作よ。
で
席に再び座ってからの長めの沈黙の後に社長が何て言ったと思う?
「さて・・・そろそろ9時になりそうだから解散するとしますか・・・。」
だってさ。コントやないかい。
社長は帰宅しても寝れなかったんじゃないの?ブーメランの痛みで。
今の職場に入社してから一番楽しい食事会だったぜ。
今後もこれを超える食事会を期待しとこ。
(なんでハザードがそんなに気になったんだろ)