振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

資格取得の話。【後編】

お疲れ様です。桜田紋吉(もちろん仮名)とかいうダセェ名前で書いてます。許して下さい。






さっそく前回の続きを書いちゃおうか!


前回のブログ→資格取得の話。【前編】 - 振り返ればオアシス!









会社に内緒で2月に受けるはずの資格試験を3ヶ月前の11月にコッソリと受けに行った俺。


リハーサルのつもりで行ったのだが


結果はまさかの合格。


もちろん嬉しい気持ちにはなったが


『受かった場合』を想定していなかったので動揺した。


・・・会社にどう報告しようかなぁ。


悩んだ俺はとりあえず


参考書を買ってきてくれた事務員さん(イズピンじゃない方)に報告することに。







事務員さん(イズピンじゃない方)が一人になる時間を見計らって声を掛けてみた。


桜田紋「あのぉー・・・資格取得の件なんですけどぉー・・・」


事務員「・・・あぁ!資格のやつね!今度それの合格に向けての講習会があるらしいから申込書に名前書いてくれる?」


事務員さん(イズピンじゃない方)は机の引き出しから申込書を探し始めた。






桜田紋「いや!もう取得しました!勝手に試験受けました。すいません!」


事務員「・・・ん?どういうこと?」


俺は事情を説明した。『受かると思っていなかったので報告しなかった』と。







・・・すると事務員さん(じゃない方の)が右手を挙げて「うわぁー!凄い!やったね!」とハイタッチを求めてきた。


ハイタッチという行為に俺は若干引いていたが無視すんのも変なのでハイタッチした。


60代のオバチャンと35歳のオッサンのハイタッチは冷静に考えるとキモい。


それでも喜んでくれたので俺も嬉しかった。






「じゃあ私が社長に報告するね!それと試験に必要だった費用は会社が出すから紙に書いて!交通費も出すから試験会場までの距離も書いといてね!」


事務員さん(NOイズピン)はテンションが上がっていた。


「みんなにも報告したら?良い話なんだし。」


そう言われて俺は考えた。・・・うん。やっぱりどう考えても【元・部長】には言いたくない。


謎の嫌味を言われる可能性100%だからだ。


「すいません。【元・部長】の耳には入らないようにしたいんですよね。」


そう答えた俺に事務員さんが頷きながら答えた。


「・・・確かにね。実は【元・部長】も若い時に社長から◯◯の資格を取れって言われたのよ。もちろん【元・部長】は『そんなの取っても無駄だから必要ない!』って騒いで逃げたけどね。」


・・・ほらね。俺の勘は冴えている。【元・部長】に報告しなくて正解だった。


俺が予想するに【元・部長】だったら過去に自分が逃げて取らなかった資格を後輩が取得したって聞くと自分を正当化する為に嫌味や文句をダラダラと何回も言うはずだ。


やはり報告しなくて大正解。勘が冴えていた。






ってことで・・・


シマセンには伝えてみた。上司だし。


「実はですね・・・」と流れを全部話した。


するとシマセンは


「へぇー・・・おめでとうおめでとう。ってか楽勝で合格する試験だったろ?あれ簡単なんだろ?」


と上から目線で言いやがった。しかもニヤニヤしながら。


さすがに俺もイラッとして『シマセンが着用しているマスクに野良犬のフンを内緒で塗りたくって気絶させよう』と考えたがフンが近くに無かったので我慢した。


数分後・・・


シマセンが「紋吉!俺、◯◯の資格を■■の資格と勘違いしてた!◯◯の資格を一発で独学で取得したなんて頑張ったな!やるなぁ~。」


さっきとは全然違うリアクションで俺を褒めてきた。犬のウ◯コを塗らなくてよかった。危ない危ない。


俺は「自分で勝手に取っただけですから」と謎にスカした。







でその後・・・


俺は事務所に用事があったので作業場から事務所へ移動すると


今度はイズピンが「社長が『桜田くんが合格した』って話してたわよ!凄いじゃない!」と興奮していた。なんで社長が合格したのを知ってんだ?と思ったが事務員さん(じゃない方)が伝えたのだろう。


イズピンは絶妙に興奮していた。


イズピンの話によれば、イズピンの息子も同じ資格を取得したが1回目の試験は不合格だったとのこと。


だから余計に興奮していたのだろう。俺が勉強している雰囲気を1ミリも出していなかったのでとにかく驚いた様子であった。





俺は


『みんなから祝福されるってマジで気持ち良いなぁ!』


と少しだけ天狗になりそうだったが


冷静になって考えてみると


『不合格だった場合には内緒にするつもりだったのに合格したらしたで天狗になる』っていうのはカッコ悪すぎるなと感じ謙虚な姿勢を貫こうと決めた。


よって


『試験に必要だった経費は会社が支払うよ』と言われても


「いえいえ・・・自分で勝手にやったことですのでお金は要りません!」と伝えていた。






もちろん・・・


心の中では・・・








「必要経費を払う!?はぁ???当たり前だろうが!!!最初から資格の話が出てなきゃ俺も動いてねぇーよ!!!むしろ経費プラス祝い金ぐらい払え!!!」


と怒鳴り散らしていた。


・・・まぁ俺が何回も『費用は要らない』と伝えても絶対に会社側から支払われるに違いないという自信があったからこそ謙虚な姿勢になれたっていうのは正直ある。(相変わらず性格は悪い)


『最終的には必ず費用を支払ってくれる』なら『これだけ費用が必要だったんで支払って下さい!』より『いやいや!要らないですよ!』の方が印象が良いだろうと思った。


結果が一緒なら・・・印象が良い方が・・・


さすが性格の悪い俺らしい姑息な手法である。







そんなことを考えながら作業をしているとイズピンから「社長が事務所に来てって呼んでるわよ!」と連絡があった。


『ふふふふ・・・。資格取ったから褒めてくれるんだろう・・・まいったね!』と半分ニヤニヤしながら事務所に向かった。







事務所の扉を開けると・・・


「合格したんだって!?内緒で受けに行ってるもんだから事務員さんから聞いて驚いちゃったよ!おめでとうおめでとう!」


と予想通りに褒めてくれた。


社長の近くにいたイズピンとイズピンじゃない方の事務員さんも改めて褒めてくれた。






そんな雰囲気の中で俺は・・・


『もう褒めなくていいよ!マジで!』みたいな謎の感情を抱き始めた。


さっきまで『褒められるかもしれない』と浮わついていたのに・・・。


もちろん


褒められることに照れていたわけでもない。


褒められることに飽きたわけでもない。


ただただ俺は・・・







『とりあえず早く試験の為に俺が支払った金額を俺に渡しやがれ!』


・・・となかなか最低なことを思っていた。


何故そんなことを思ったのか?・・・もう俺は疲れていたのかもしれない。


『マジでもういいから。早く支払ってくれ!すべて終わりにしようぜ。』と強く思っていた。








試験が何回も延期になったことや


その度に勉強して暗記して・・・と仕事じゃないのに労力を注ぎ込んだこと等で


すべての疲れが一気に出たのかもしれない。


『もう資格関連の話は当分の間いらないから!もう日常の俺に戻るから!』


・・・強くそう思っていた。







そんな俺の思いを察したのか・・・


社長が「もちろん必要だった費用は全額渡すから!どんなに小さな額でも会社が払うから安心して!」とニコニコ顔で言ってきた。


俺は心の中では『当たり前だろ!』と叫びながらも


「いえいえ!大丈夫ですよ!俺が勝手に動いただけですから!」


・・・なーんて優等生の真似事みたいなセリフを口にした。









予想通りに社長が「ダメダメ!ちゃんと支払うから!」と言い・・・


それを聞いた俺は『そこまで社長が言うなら仕方ないですねぇ』の表情を作り


「・・・えぇ!?いいんですかぁ?俺が勝手に動いたのに申し訳ないですぅ」


と胡散臭い演技で俺の資格取得までの旅は終了した。


近くにいたイズピンもイズピンじゃない方の事務員さんも「ちゃんと支払われるんだから素直に受け取っておきなさい」と口を揃えて言っていた。


俺は『ザ・優等生』で終えることが出来た。







・・・よし!もう資格も取得したし、印象も良く終われたし、完璧だろ!!!


我ながら大満足で事務所を出ようと扉に近付いて行った・・・


その瞬間・・・!











社長「あっ!言い忘れたけど会社の都合で交通費だけは出ないから!車で行ったんでしょ?ガソリン代は出ないよ!ゴメンね!」









その言葉を聞いた俺は気付いたら口が動いていた。


「は?なんで?出すのが普通でしょ。なんで出ないんですか?」











・・・一気に事務所内が静まり返った。


そりゃそうだ。


数秒前まで『費用は要らない』って謙遜していた人間が急に「は?なんで?」とか言っちゃってるんだから。


皆びっくりしたんだろう。間違いない。


だって


俺が一番びっくりしてんだから。


マジで自分でも驚いたよね。自分の発言に引いたよね。


多分『ガソリン代まで絶対に100%支払ってくれる』っていう自信が俺にはあったんだろうね。


不意に言われちゃったから俺も不意に言ってしまったんだよね。バカだよね。


イズピンとイズピンじゃない方の事務員さんなんか俺を見る目がサイコパスを見る目になってたからね。当然だよね。


マジで完全にやっちまった!!!


やらかしたよ俺!!!


やらかしましたー!!!








俺が『やべっ・・・』と思った時にゃもう遅かった。


社長が・・・


「えっ・・・ゴメンねぇー・・・コッチの都合の話だから「なんで?」って言われても難しいんだけど・・・ゴメンね・・・。」


めちゃくちゃ申し訳なさそうだった。







もちろん


事務所内の雰囲気は『ものすごい空気感』になってしまった。


急いで俺は「いやいやいや!大丈夫です!大丈夫ですよ!ガソリン代ぐらい!」と言い直したが時すでに遅し!!!


何を言っても俺は『サイコパス桜田』として君臨していた。


もう時間は戻らない。。。







・・・あぁクソッ!!!


もう1秒でも早くこの部屋を出たい!


そう思った俺は再び扉の方へ・・・










すると社長がまた何か言い始めた・・・










「次は●●の資格に挑戦してみない?」









・・・いや、この空気で言うセリフか!?


まさかアナタもサイコパス?仲間なの!?


なんなの?










だからさ・・・


社長のそのセリフを聞いた俺は言ってやったよ。


さっきのミスが響いている俺は言ってやったんだ。


即座に言ったね。












「はい!頑張ります!」ってね。
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(また勉強すんのかよ俺・・・)