こんにちは。桜田紋吉(もちろん仮名)です。今さらですが『(もちろん仮名)』って表記いらなくね?と思ってきました。
でも・・・まだ表記しとこうか。そのうち変えるとしよう。(どうでもいいよね)
では・・・さっそく本題へ・・・
よく『人を見た目で判断してはいけない』って聞きません?聞くよね?
確かに見た目だけで判断するのはダメだよね。その通りだと思う。
でも・・・
俺は・・・
見た目で判断しちゃうから!!!
気付いたら『勝手に見た目で判断済み』しちゃってるから!!!
『タンクトップ着てんのか・・・絶対にカラオケで【湘南乃風】を何曲か熱唱するだろコイツ。一緒にカラオケ行くのは断ろ・・・』
とか
『なーんか清潔感に欠けるぞコイツ・・・たぶん歯磨きもしっかりやってないだろ。口の臭いが怪しい可能性が高い。至近距離で話すのは遠慮しとこ。』
って感じで見た目で俺は判断しがち。
早い話が俺の心が狭いってわけ。
もちろん
見た目と中身が意外と違ったなぁ~ってこともある。
今日はその『見た目と中身がめちゃくちゃ違った話』をさせてもらう。
あれは俺が・・・
高校生になったばかりの4月のこと・・・
俺の席の後ろが『杉岡(もちろん仮名)』という名の男だった。
杉岡は眉毛がほぼ無いレベルで薄く、そして細かった。
しかも髪型は坊主・・・!
マジで怖かった。
入学式の時に初めて杉岡を見た時は
『あっ・・・いつかコイツからカツアゲされるんだろうな・・・』
とビビりまくっていた。
しかも席が俺の真後ろ・・・。
絶対に目を合わさないように心掛けていた。(特にプリントを後ろに渡す時とか)
入学式から数日が経った頃・・・
何の授業だったか忘れたが
自己紹介を皆の前でやろうって流れになった。
その自己紹介は教室の前に一人一人が出てきてやるものではなく
自分の席から立ってサッと終わらす無難なやつだった。
ある女子は「K中学校から来ましたXXです。好きな芸能人は木村拓哉です。」
とか
ある男子は「A中学校から来ました□□です。得意科目は数学です。」
って感じの
マジで無難な自己紹介の連続で何の盛り上がりもなく
教室の端っこに座っている人から順々に淡々と行われていった。
で
俺の番。
「T中学校から来ました桜田です。中学ではバレー部だったのでバレーが得意です。」
・・・いや、普通だなぁ。これぞ普通。
特に何の感触もなく
俺の後ろに座っている杉岡に自己紹介の順番が回ってきた。
杉岡「N中学から来ました杉岡です。好きなテレビドラマは・・・」
(俺の心の声)
・・・えっ!好きなドラマを言っちゃうタイプなの?
自己紹介で好きなドラマを発表する奴ってレアなんだけど!
杉岡「好きなテレビドラマは・・・」
杉岡「『伝説の教師』(松ちゃんと中居くんのドラマね)の・・・」
(俺の心の声)
・・・伝説の教師かい!確かに面白かったっちゃ面白かったけど!
しかも「『伝説の教師』の・・・」の【の】って何なんだよ!
「『伝説の教師』の第三話が好き」とか意味不明なこと言うんじゃねぇだろうな!
杉岡「好きなテレビドラマは『伝説の教師』の・・・」
杉岡「・・・再放送です。」
(俺の心の声)
・・・面白いっっっ!!!
何それ!面白いって!!!そのコメント最高すぎるから!!!
「好きなドラマは『伝説の教師』の再放送」って想像の斜め上のコメントすんなし!!!
負けた!!!負けたよ杉岡くん!!!
君は面白い!!!
・・・いや、マジで脱帽だぜ。
自己紹介っていうボケるにはハードルが高過ぎる場面でサラッとボケてくる君は最高だ。
しかも普通に言っている感じもポイント高いしね!いかにも『俺ボケてますよ~』っていう言い方でもないから好印象!
一気に君のファンになっちゃったよ!
ただ・・・
やはり君の怖い顔面のせいで微妙にしか教室ではウケていない。
でも俺は分かっているから。君が面白い人間だってこと。
だから落ち込むなよ。
ちゃんと後で褒めてやるから。(何様だ)
で
休み時間に杉岡に話し掛けた。
桜田「さっきの『再放送』って言ったやつ面白かったよ。めちゃくちゃ面白かった。」
杉岡「・・・ん?あっそう?」
桜田「あれ狙って言ったの?度胸あるねぇ。」
杉岡「・・・え?いや、伝説の教師の再放送が少し前に放送されてたじゃん。夕方に。見てなかった?」
桜田「・・・夕方の再放送は見てないけど。でもドラマの内容じゃなくて杉岡くんが『再放送』って言ったのが最高に面白かったよ。」
杉岡「え?俺が見たの再放送だったからなぁ。夜に放送されてた時は見てなかったんだよね。」
桜田「いや、そうじゃなくてさ・・・。」
杉岡「え?見たことない?伝説の教師。」
桜田「・・・見たけどさ。・・・まぁいいや。分かった分かった。」
杉岡「・・・ん?」
なんじゃコイツ!!!
ただの天然野郎じゃねぇか!!!
怖くてヤバい奴かと思ったら
ナイスなボケ発言カマして
こりゃ面白い奴だと確信してたら
まさかの天然野郎かい!!!
え?見たことないの?伝説の教師を?・・・じゃねぇよ!!!
おまえはアレか?「好きなテレビゲームは何ですか?」って聞かれたら
「ドラクエ3の・・・スーファミ版です。」って言うのか?・・・言わないよな!!!
そこはファミコン版とかスーファミ版とかは関係ないからね!!!
え?スーファミの方が画質が綺麗だから好きなんだよなぁ・・・って?
やかましいわ!!!!!
そのクソ小さい情報は今いらん!!!
だから!!!
伝説の教師は伝説の教師なんだよ!!!
再放送だろーがDVDで見よーが伝説の教師は伝説の教師なんだよ!!!
だからこそ!!!
俺は!おまえが計算してボケたと思ったんだよね!!!
それがシンプルに天然野郎だとはな!!!
もう色んな意味でやっぱ俺の負けだわ!!!
とか言いつつ・・・
数年後に俺が初めて一人暮らししていた頃
アパートにコッソリ遊びに来てくれた杉岡。
そん時の杉岡は都会の学校に進学していた。
俺が「何かアルバイトしてんの?」と聞いたら
「警備員してる。ミュージシャンとかアイドルがライブする時に観客の前に立って警備してる。」
って言ってた。
俺が「顔が怖いから天職だろ!」なんて言って二人で笑い合ったのは良い思い出。
それから1ミリも会ってないし連絡すらしていないが元気かな?
(伝説の教師・・・今この年齢で改めて見たら劇的に面白くなさそう。)