こんにちは。ペンネームは桜田紋吉です。今日もヨロシクお願いします。
では・・・
前回の続きを書きましょうかね。
前回のブログ→3社目の職場での出来事【中編】 - 振り返ればオアシス!
部長「本当に行くつもり?」
桜田「・・・そうですけど。ダメなんですかね?」
部長「そうかぁー・・・」
病院へ行こうかと考えている俺に対して
部長の雰囲気がピリッとしたのが電話越しでも伝わってきた。
部長「どうして行こうと思ってるの?」
桜田「いや・・・痛いんで。」
部長「だったら何日か休めばいいじゃん。」
桜田「その何日間で自分で治せってことですよね?」
部長「そうそう。」
俺の『痛いから病院へ行く』という当たり前すぎる考えに部長は「どうして?」と疑問を投げ掛けてきた。
この時点で今思い返しても少し笑える。
『痛いから病院へ行く』ってマジで当たり前の感覚なのに。一般人の俺と感覚がズレ過ぎてて笑える。
それに対して少しピリッとしながら「どうして?」と聞いてくること自体が
この職場の組織がヤバい組織だという証拠だろう。
俺は逆に俺の疑問を投げ掛けてみた。
桜田「逆に『どうして病院へは行っちゃダメな雰囲気なんだろう?』って疑問が自分の中にあるんですが・・・何故ですか?」
部長「あぁー・・・そこ質問するんだ。」
桜田「・・・気にはなりますよね。」
また少しピリッとした。
「そこ質問するんだ」の裏に『あんま色々と聞くなよ小僧が』の意味も含まれていると思われる。
しかし
何度も言うが俺は1ミリも悪いことをしていない。
このまま雰囲気に流されて「そうですね」と言うような人間でもない。いいともの客ではない。(タモリさんに「そうですね!」って1回でもいいから言ってみたかった。観覧してみたかったなぁ)
そして
部長がどんな言葉を使って俺を制圧するのかにも興味があった。
大企業だからゴリゴリのパワハラワードは使わないだろうなという推測もしていた。
ゴリゴリのパワハラワード無しで面倒な社員をどうやって抑え込むのか・・・
部長が喋り始めた・・・
部長「何か聞いたことない?労災について。同僚とか先輩から。」
桜田「・・・ありますよ。部署の連帯責任で上から下までの人間が給料に反映されるって聞いたことがあります。」
部長「そうそう。それはそうなんだけど。」
桜田「・・・あっ。部長の給料に響きますもんね。俺が病院に行っちゃうと。」(バカなフリして嫌味を言ってみた)
部長「いや・・・それは別に構わないって感じかな。もちろん給料が下がるのは嫌なんだけど。それで済むなら病院へ何回も行ってくれていいんだけどね。」
桜田「・・・ん?」
俺の嫌味に対して部長は意外にもサラッとしていた。
むしろ
『連帯責任で給料が〜』よりも本質はソコじゃないとでも言いたそうな雰囲気だ。
部長「例えばだけど・・・」
桜田「はい?」
部長「今から言うことは私の予想なんだけども・・・」
桜田「・・・はい。」
部長「あくまでも予想ね。予想よ。」
とにかく部長は『今から言うことは予想だ』と強調してきた。
部長「例えば、誰もが簡単に病院へ行って労災ですって申請を出すとするでしょ?」
桜田「・・・はい。」
部長「それが何人も続くとさ、労働基準監督署が調べに来るよね。」
桜田「・・・あぁ確かに。」
部長「そうなったら工場の機械をストップしなきゃいけないでしょ?」
桜田「なるほど。で生産を止めていたのが1日だろうと損失額は巨額になりますねぇ。」
部長「そうそう。それを会社は嫌がるんじゃないかなぁー・・・と私は思うね。予想だけどね。」
桜田「・・・なるほどぉ。」
明らかに予想じゃなさそうな雰囲気だったが『会社はこう考えている!』と断言してしまうと部長的には非常にマズいのだろう。
何がマズいのかは俺でも分かる。
俺が意外にも「なるほどぉ」のスタンスで返答してきたのが嬉しかったのか
部長は『予想その2』を語り始めた。
部長「これも予想なんだけどぉー・・・やっぱ会社のイメージは大事だよなぁ。」
桜田「イメージ?」
部長「会社の近くに同じような自動車関連の企業が何件もあるよね?」
桜田「ありますね。」
部長「やはり会社としては優秀な人材は少しでもウチに入社してもらいたいわけ。」
桜田「あぁー・・・はい。」
部長「特にウチの会社なんかトヨタの子会社とか日産の子会社より全然マイナーだろ?そんなマイナーな会社が労災が多いって噂が広まるとキツいでしょ。誰も来なくなる。」
桜田「確かに。」
部長「だから会社の外の国道から見えるように『連続無災害XXX日達成!』って横断幕が掲げられているでしょ?」
桜田「あぁー・・・なるほど。外部にアピールしているわけですね。」
部長「そう。・・・予想だけど(笑)」
部長は俺が素直に聞くもんだから
安心したのか言葉の最後に『(笑)』が出るようになっていた。
・・・なるほど。
部長の言っている意味はめちゃくちゃ分かるぞ。
俺1人の行動で会社全体がキツくなるってことだな。
だから連帯責任システムにして全員で会社を守るために隠せってことか。
うんうん。かなり分かる。分かるよー。
でも・・・
何回も言うけどさ・・・
俺、悪いことしてねぇから!!!
何回も言ってるけど!!!
悪いことしてねぇのに我慢しなきゃいけねぇのがムカつくって!!!
会社の理論は分かりました!!!
はいはいはい!!!分かりました!!!
そりゃよかったね!!!!!
素晴らしいんじゃないの!!!!!
知らんけど!!!!!
でも!!!
俺は悪いことしてねぇ!!!!!!
そこんとこヨロシク!!!!!!
とにかく俺は
『なるほど!だから隠さなきゃダメなんだ!納得!』という気持ちより
『言うことを聞いて我慢してやった俺が痛みに耐え病院へすら行かせてくれないのか!』の気持ちの方が大きかった。
ここで愛社精神があれば『それでも納得!』の気持ちが勝るのかもしれないが
俺が会社に対する感情は
ただただ働いて並の給料を貰うだけの関係性ってだけだったので愛社精神は微塵も無かった。
ってことは・・・
話が脱線するが・・・
全国の会社はまず新入社員には愛社精神を持ってもらうことが最優先事項なのでは?
社員に愛社精神さえあれば
会社が社員に対して何らかの問題やミスを犯した時も社員が我慢してくれる可能性が高いってことだ。
いちいち揉めなくて済む。
じゃあ、どうやったら愛社精神を新入社員に植え付けることが出来るの?って聞かれたら
それは知らん。
各々で考えろ。・・・としか言えんけど。
ってことで
部長が俺という人間を愛社精神がある人間だと思っているのか思っていないのかは分からんが
『会社のために全員で労災を隠さなきゃダメな理由』を俺に話し終わった後に
部長が俺に説得を完了したかのように爽やかさマックスで聞いてきた。
部長「すべては予想だけどね(笑)何て言うか・・・分かってくれたかな?桜田くんなら理解してくれたと思うけど(笑)」
桜田「もちろん理解しました。すべて理解しましたよ。」
部長「さすが(笑)ありがとう!休んでゆっくり治してね!」
桜田「会社を守るためってのは理解したんですが・・・」
部長「え?」
桜田「個人的には悪いこと何一つしていない俺が我慢しなきゃいけないってのがムカつくっていうか・・・」
部長「は?」
桜田「ちゃんと言うことを聞いた、何回も熱いって伝えたけど却下された、最後まで痛みに耐えた、でケガしただろうけど会社を守るために秘密でヨロシク!って・・・」
部長「・・・うん。」
桜田「会社ぐるみのハラスメントなんじゃないかなって思うんですけど。」
部長「そうかぁー・・・あぁー・・・そういうことねぇー・・・」
部長の声から『小僧が・・・いい加減にしとけよコラ・・・』の感情が滲み出てきた。
部長「そのぉー・・・桜田くんは『悪いことは一切していない』んだよね?」
桜田「はい。」
部長「本当にそうかな?」
桜田「は?そうですよ。」
部長「証拠は?」
桜田「は?」
部長「駒井班長に何回も熱いって伝えたのに却下されたっていう証拠は?」
桜田「証拠・・・?」
部長「駒井班長が『桜田くんは熱いとか言ってなかった。一言も。』って会社に言ってきたらどうするの?」
桜田「え?」
部長「現場では何にも言わなかった人間が後になって実は火傷してました!って言われてもねぇ。そん時に言えやって話だからね。」
桜田「いや、言いましたよ。何度も。」
部長「いやいや。何て言うかなぁー・・・こんなこと言いたくもないんだけどさ。」
桜田「・・・?」
部長「あのね・・・・」
部長は驚きの言葉を口にした。
部長「会社はね・・・いくらでも真実を後から作れるんだよね。」
桜田「えっ!?」
部長「証拠が無いなら会社側で真実は好きなように作れんのよ。もちろん会社の都合の良い方に話を作るよね。」
桜田「えっ・・・」
部長「桜田くんが全部ウソをついている。桜田くんはホラ吹き野郎だ。・・・ってことにもできる。」
桜田「あっ・・・そうかぁ。」
部長「残念だろうけど・・・学校じゃないからね。会社だから。会社の組織ってそんなもんよ。」
桜田「・・・はい。」
部長「正しい人こそが正義です!ってのが学校。でも君は学生じゃない。社会人だ。組織の一員なんだから。」
桜田「・・・はい。」
部長「そういうもんだから。会社の組織の一員ってのは。覚えておいた方がいいよ。」
桜田「いやぁー・・・そうですね。」
部長「納得してくれたかな?」
桜田「・・・はい。分かりました。」
部長「そうか!とりあえずさ、ゆっくり休んでよ!」
桜田「・・・はい。」
部長「じゃ!お大事に!」
・・・俺、完敗!!!!!!!!
マジで完敗!!!!!!
確かに言われてみりゃそうだ。
どっちが悪なのか・・・
そんなことは俺がいくら吠えたところで
組織全体で『おまえはウソつきだ!』と攻撃されたら・・・
完全に潰されてしまう。
で
気付いた時には俺が悪になっているはず。
さすが・・・部長だ・・・
何も言い返せなかった・・・
これが部長までの階段を登り続けた人間の技なのかぁ。
組織の怖さもしっかり教えてもらった。
ゾッとしたもんね。怖いよね。組織って。
いやぁー・・・勉強になったわ。
ホントに勉強になったから
今回の出来事は色んな人にどんどん話していこう!
部長も俺が色んな人に話すってのが前提で話してくれたんだろうしね!
・・・って言ってるけど
何事にも本音と建前があって
本音は誰も話してほしくないんだよね。
世の中は建前で作られていて
でも
本音で動いてるんだよなぁー・・・
めんどくせぇー・・・・
この3社目の職場は
俺には正直クソだったので(もちろん俺以外の人も山ほど辞めていったけどね)
いつか
入社した経緯から辞めた理由まで書こうかなと思う。(まぁ書くよね)
マジでエグい職場だったから書くのにカロリーめちゃくちゃ消費する気がする・・・
(組織って面倒くさいよね。俺はすんごい苦手。組織=仲間みたいな考えが理解不能。仲間なわけないだろ。たまに会社や組織を『仲間を通り越して家族です!』みたいに書いてある求人募集とかない?死んでも入りたくねぇよ。職場は職場。同僚は同僚。でしかないだろ。それ以上でもそれ以下でもないから。仲間意識とか連帯感を強要されるのって何なの?)