振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

3社目の職場での出来事【中編】

こんにちは。お疲れ様です。桜田紋吉です。

今日も読んで下さいねー!!!

 

 

 

 

さっそく前回の続きを・・・

 

前回のブログ→3社目の職場での出来事【前編】 - 振り返ればオアシス!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は第2工場へ戻った。

 

3人の先輩達が1箇所に集まって話し合いをしている。仕事内容の確認でもしているのであろう。

 

とりあえず声を掛けてみた。

 

「お疲れ様です。第1工場の手伝い終わりました〜。」

 

 

 

 

 

 

 

3人の先輩達が俺の方を見た。

 

「お疲れさん!第1工場の仕事は何をやらされた?」

「第1工場の雰囲気って悪いだろ?」

「駒井さんって高圧的じゃね?」

 

3人が一斉に俺に話し掛けてきた。

 

言葉で返答するよりも見せた方が早いと感じた俺は両手を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩達「・・・うわっ!!!やばっ!!!」

 

俺の『水ぶくれ』だらけ&真っ赤な両手を見た先輩達はドン引きした。

 

 

 

 

 

 

 

先輩A「駒井さんだろ?あの人が強引にやらせたんだろ?」

 

どうやら先輩達は駒井さんの性格を若干知っているような雰囲気だった。

 

 

 

 

 

 

桜田「・・・そうっすね。俺から何回も熱いって言ったんですけどね。」

 

先輩A「やっぱね。そういう人なんだよ駒井さんって。パワハラ的な噂もよく聞くしさ。ほんと災難だったな。」

 

先輩B「俺も何か高圧的って聞いたから避けるようにしてんだよね。」

 

先輩C「有名よ。アイツがパワハラ野郎だってのは。自分さえ良けりゃいいのよアイツはさ。」

 

桜田「・・・やっぱ有名なんですね。」

 

先輩C「うん。だからアイツが来た時に3人共シカトしたの!ゴメンな!おまえに貧乏クジ引かせちゃって。申し訳ない!」

 

先輩A「・・・ゴメンなぁ。」

 

先輩B「すまん!」

 

桜田「大丈夫です。そもそも先輩達が謝ることじゃないんで。」

 

 

 

 

 

 

 

3人の先輩達が謝ってきたので俺も何となく申し訳ない気持ちになった。

 

とりあえず3人の先輩に両手を見せたので俺は病院へ行くつもりだってことを伝えた。

 

桜田「仕事終わりに皮膚科に寄って帰ろうかと思うんですけど・・・近くに良い皮膚科ってありますかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩達「・・・えっ?」

 

3人の先輩達が真剣な表情に変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩A「病院に行くつもりなのか?」

 

桜田「・・・いや、痛いんで。」

 

先輩B「病院に行ったら隠せんぞ。絶対に職場でケガしたって医者は分かるぞ。」

 

桜田「・・・でしょうね。家では両手がこういう風にはなりませんからね。」

 

先輩C「おまえ・・・本気か?」

 

 

 

 

 

 

 

先輩達3人全員が

 

俺が病院に行こうとしていることに対して難色を示した。

 

その態度に俺は少しイラっとした。

 

『行け行け!上司を困らせてやれ!』みたいなノリになると少しだけ期待していたから。

 

少しだけイラっとしたまま俺は言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜田「噂では聞いたことありますよ俺も。労災を出したら連帯責任で給料やボーナスに響くって。でも!先輩達は上司では無いから大丈夫でしょ?班長とか課長や部長が関係するんでしょ?」

 

すると先輩達が淡々と話し始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩A「・・・そうだよ。俺らの給料には何にも影響は無いよ。」

 

桜田「じゃあ行っても別に・・・」

 

先輩B「おまえが飛ばされると思うよ。」

 

桜田「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

俺は『飛ばされる』という物騒なワードに動揺した。

 

 

 

 

 

 

 

桜田「・・・飛ばされる?」

 

先輩B「会社から【裏切り者】の扱いを受ける可能性が高いぞ。」

 

桜田「・・・えっ?」

 

先輩C「過去に何人かいたなぁ。会社に黙って病院に行ってさ、病院で労災だってバレて会社に連絡が来てさ、翌月には聞いたことねぇ部署にいきなり飛ばされてたなぁ。」

 

桜田「・・・マジですか?」

 

先輩C「その部署はパートのオバサンしかいない部署でさ、オバサンに混じって朝から晩まで超簡単な作業させられて結局は精神が崩壊して会社を辞めたんだよね。その人。」

 

桜田「・・・うわっ。きっついなぁ。」

 

先輩C「その辞めた人は病院に行くまでは第2工場で10年近く働いてたんだぜ!?それが裏切り者って言われた瞬間にパートのオバサンの中に入れられたんだから。会社は本人が辞表を出すまでオバサンの中から出さないつもりだったんだと思うよ。」

 

桜田「・・・うわぁ。」

 

先輩B「桜田、とりあえず休め。明日は休んでいいから。病院に行くのは止めてさ、好きに休んでいい。もし明日の夕方になっても手が痛いままなら明後日も休めばいいじゃないか。病院へ行って会社から【裏切り者】にされるよりはマシだ。」

 

桜田「えぇー・・・そんな感じですか?」

 

先輩B「ここの作業員はケガした時は全員そうしてるんだから。」

 

桜田「・・・分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日

 

俺は先輩の言うことをちゃんと守って病院へは寄らずに帰宅した。

 

汗を流したかったのでさっそく風呂へ。

 

浴槽に浸かりながらジンジンと痛む『水ぶくれ』だらけの両手を見つめて俺は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別に裏切り者で上等なんですけど!!!

 

そもそも

 

なーにが裏切り者だコラッ!!!!

 

コッチは1ミリも悪いことしてねぇし!!!

 

駒井のパワハラで両手がヤラれてんだ!!!

 

入社して数ヶ月しか経ってねぇから裏切り者にされてもいいよ別に!!!

 

会社に愛着がねぇんだからよぉぉぉ!!!

 

入社して数ヶ月で愛社精神が芽生えているわけないじゃーん!!!

 

会社に対して味方も敵も思ってねぇから裏切り者だろーが何だろーが思われて構いませんけどぉぉぉぉ!!!

 

 

 

 

 

 

よしっ!!!決めたっっっ!!!

 

この両手のおかげで明日は休みだ・・・

 

ふふふ・・・

 

行ってやるよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院に行ってやるよバカ野郎!!!

 

朝から行くぞバカ野郎!!!

 

会社から1番近い皮膚科に行くわ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・俺は決めた。病院へ行くと。

 

先輩達が俺を説得している時は『飛ばされてしまうのかぁー・・・怖いな・・・』と恐怖心があったが

 

よくよく考えてみると

 

愛社精神も会社に対する愛着も尊敬する先輩や上司もゼロなので

 

『・・・あれ?飛ばされたら会社を辞めればよくね?そこまでして今の職場で働く意味は無くね?』の気分になってきた。

 

愛社精神が何も芽生えていない今の会社を大事にするよりも

 

間違ったことを一切していない自分を大事にしようと決めた。

 

会社自体を好きになっていれば自分を犠牲にすることも考えるのだろうが

 

今の会社が好きってわけじゃねぇし。

 

例えば『会社が火事で全焼です!』ってなっても一応「うわぁー・・・悲しい・・・」のリアクションはすると思うが

 

心の中では『この火事が原因で倒産したら次はどんな職種に就こうかなぁ』と冷静に思っているはずだ。同期で入社した人間が火事に巻き込まれたとかなら心配するだろうけど。

 

 

 

 

 

 

・・・ってか

 

好きでもない会社のために犠牲になって病院へ行かないってさ

 

俺の正義感が許さないよね。

 

何ひとつ悪いことしてねぇ俺が

 

手伝いをしてやった俺が

 

両手の痛みを我慢し続けた俺が

 

病院へ行かない?

 

・・・なわけないだろ。

 

俺に失礼だろ。それは。

 

悪いことをしていないなら堂々と病院に行ってやらなくちゃ俺の体に失礼だろ。

 

俺は自分の体に失礼なことはしたくないので病院へ行くよ!決めた!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂の中で完全に『病院へ行くモード』になった俺は

 

風呂から上がった後にさっそく会社から1番近い皮膚科をスマホで探し始めた。(ボタン押す度に痛いのよコレが)

 

家から近い皮膚科でもよかったのだが

 

会社から近い方が病院で事情を話す時に

 

『あの会社で作業している時に火傷した(させられた)』とスムーズに話が進みそうな気がしたからだ。

 

 

 

 

 

医者「どこの会社ですか?」

 

桜田「XXXっていう会社・・・」

 

医者「あぁー!はいはい!」

 

桜田「知ってますか?」

 

医者「知ってるも何も近所じゃん!君の他にも火傷でウチに来た人が何人もいたよ!」

 

桜田「やっぱり!」

 

・・・みたいな感じでイケそうな気がしたからだ。

 

どうせなら

 

桜田「黙って病院へ行ったって会社にバレると『飛ばされる』らしいんですよねぇ!」

 

医者「マジで!?ヤベェ会社じゃん!」

 

・・・みたいなノリになって盛り上がらんかなぐらい考えていた。(どんなノリの医者なんだよ)

 

 

 

 

 

 

 

『よしっ!明日はこの皮膚科に行くか!』と皮膚科を決めて

 

その皮膚科が朝の何時からやっているのかスマホを見ていたら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマホが鳴り出した・・・

 

知らない番号からの着信だ・・・

 

 

 

 

 

 

 

『誰だろ・・・?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜田「・・・もしもし?」

 

??「あっ!もしもし?桜田くん?」

 

桜田「そうですけど・・・」

 

??「第2工場の桜田くんだよね?」

 

桜田「・・・はい。そうです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「部長の□□ですけど!」

 

桜田「・・・っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかの部長からの電話だった。

 

部長は第2工場の部署でトップの人間だ。

 

トップの人間が俺みたいな最下層に何の電話だ?

 

今日の火傷のことか?

 

 

 

 

 

 

 

部長「今日は大変だったらしいねぇ!聞いたよ。火傷したって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・やっぱり火傷のことか。

 

 

 

 

 

 

 

 

部長「火傷の具合はどうなってる?痛い?」

 

桜田「まだ痛いですねぇ。」

 

部長「そうかぁー・・・あのさ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部長「・・・病院には行ってないよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり出たね。言うと思ったわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜田「行ってないですね。」

 

部長「だよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーにが「だよね!」だ。

 

どのテンションで「DA.YO.NE!」なんだよ。

 

大昔のラップかよ。

 

ここらでカマしとくか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜田「明日、休みもらったんで・・・」

 

部長「うんうん!休んでいいよ!ゆっくりしときな!」

 

桜田「病院に行こうかと思ってます。」

 

部長「・・・は?」

 

桜田「・・・。」

 

部長「本当に行くつもり?」

 

桜田「・・・そうですけど。ダメなんですかね?」

 

部長「そうかぁー・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電話の向こうがピリッとしたのが分かった。

 

ピリッとした空気感・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌いじゃないよ。この空気感。

 

さて・・・

 

部長さんよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナタはどうやって俺を説得するんだい?

 

俺は面倒で嫌な奴だぞ。

 

部長まで昇進してきたエリートは俺に何て言うのだろう?

 

俺は

 

大企業の部長にまでなる人間の話術がどのレベルなのか興味が湧いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・次回へ続く。

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(偉い人や目上の人が下の人間から『痛いとこ』や『誤魔化したいとこ』を突っ込まれた時のピリッとした空気感が俺は好きなんだよなぁ。それが好きな人は意外に多いはず。だって半沢直樹とか視聴率スゴいもんね)