桜田紋吉です。お疲れ様でーす。またスラムダンク見たいな・・・。
では
さっそく・・・本題へ・・・
昨年のブログで書いたけども
1月の末に仕事関連の資格試験があった。
なかなか難しい筆記の試験で
俺の上司(シマセン)は
勤続20年が過ぎてから初めて試験を受けに行き(合格するためのセミナーにも彼は通っていた)
数回ほど落ちて数年前にやっと合格した。
で
元の上司(元・部長)は数回チャレンジしたが合格にはならず・・・
「あんなもん受かるわけねぇだろ!!!」
とブチギレて『もう絶対に試験は受けない』と諦めた。
確かに元・部長の気持ちも分かる。
試験は1年に1度しかなく(2年に1度の時もあったな)
試験時間は2時間程で問題数も膨大だ。
4択問題や○✕クイズのような形式はなく
記述式ばかりであり
計算問題は答えが正解でも『式』が間違えていたら不正解となる。
『◯◯を説明せよ』みたいな問題だと
誤字脱字があれば不正解となる。
とにかくムズいのだ。
(ちなみに試験を受けることが許される条件もなかなか厳しい。業界で5年以上の経験があって、該当する資格を何個か所持している人、それと偉い人の推薦状が必要みたいよ)
で
ある年は
東京の会場で試験をやったり
その次の年は
大阪の会場で試験をやったりと
その年によって会場の場所が違うのも
なかなか疲れる要素だ。
そんな試験に
今年は俺が挑戦した。
「桜田くん受ける?まだ入社して5年目だから受けなくてもいいよ!10年目とかに受ける?どうする?」
なんて社長に言われたが
『元・部長が合格しなかった試験に合格して職場でのパワーバランスを崩したい!』
の気持ちで(性格最悪)
受けることにした。
何冊もあるテキストを頭に叩き込み
3ヶ月ほど毎日勉強した。(勉強というか暗記だな)
仕事の空き時間にも勉強した。
その時の職場の空気がキツかった。
『どうせ一発じゃ受からないって』の目線で従業員達が俺を見てくるのだ。
従業員だけじゃない・・・
取引先の連中までも
「まぁ参加することに意義があるから!そんなに本気でテキスト読んでも一発で合格なんてないから!気楽に過ごそうぜ!」
・・・とか言ってくる始末。
ん?バカにしてんのか?
子供が一生懸命バスケットのリングに手を伸ばしている時に
「無駄だからwww届くわけねぇwww」
と笑うのか?
いつか届くと思わないのか?
おいコラ。今しか見てねぇだろ。
その積み重ねがダンクシュートに繋がるって分からねぇのかよ!(ほら、スラムダンクの映画見たばっかりだから俺)
・・・とキレそうになる時もあったが
俺はテキストを必死に読み込んだ。
しかし
『誰も期待していない』ってのが
意外と助かる場面もあった。
社長なんて
「桜田くん!観光ついでに試験を受けるような気持ちで行っていいから!」
「試験会場まで新幹線で行こうが飛行機で行こうが自分の好きにしていいよ!船でもいいし!ホテルも好きな場所を予約して!お金は出すから好きにして!」
と自由にさせてくれた。
『受かりはしないだろうが・・・若い奴が挑戦するんだから・・・その気持ちだけは認めてやろうかな・・・』
ってことだろう。
とにかく
誰も俺には期待していないのが
ビンビンに伝わっていた。
その証拠に
誰も「頑張ってね!」とは言わず
「試験会場まで事故のないよう気をつけて行ってね!」の言葉ばかりを聞かされた。
百歩譲って『全く期待されていない』のは構わない。(されたらされたで困るし)
それよりもイラついたのが
今年の職場の新年会の時に
元・部長が
「桜田には本当に合格してほしくない。そもそも一発で合格なんて絶対にないけど、一発で合格されると俺はムカつく!」
と半ギレで全員の前で叫んだのには
彼の人間としての『底』を見た感じがして
かなりイラついた。ってか引いた。
周りも引いてたし。
元・部長も俺に合格されると職場でのパワーバランスの崩壊が起こるって分かっているのだろう。
・・・俺は燃えた。
『誰も期待していない』&『絶対に合格してほしくない』の二本柱が俺を燃えさせた。
『無理かもしれねぇけど・・・なるべくなら一発で合格したい。。。』
という気持ちから
『無理じゃねぇ!一発で終わらす!』
の強い気持ちに変貌していた。(意外にポジティブよ俺は)
学生時代なんかは
同級生と同じように机を並べて
同じ時間に
『一緒に勉強がんばろっ☆』みたいな雰囲気がクソほど嫌いだったが
今の
自分のペースで
自分の好きな時間に
自分のやり方で
勝手に独学で学ぶ・・・
っていう勉強は意外と楽しめた。
学生時代は
とにかく
みんなと同じ方法で・・・
みんなと同じように・・・
ってのが苦手だったのだろう。
マジで学校ってやつは
協調性が無い人には『苦』しかないのだよ。
・・・まぁ仕方ないか。
そして
試験の前日・・・
俺は翌日にある試験に余裕を持てるように
試験会場近くのホテルを予約していた。
試験を受けるだけなのに
わざわざ飛行機で現地に到着した俺は
『なーんか都会の有名大学を受験する高校生になった気分だな☆』
なんて浮かれていた。
ホテルに着いても
俺は勉強をし続けた。
夕食は近くのうどん屋で済ませ
ホテルに戻ってまた勉強。
朝も早く起きて勉強。
ホテルをチェックアウトした後も
試験会場が開く時間まで
喫茶店でギリギリまで勉強した。
そして試験本番。
途方もない問題数のおかげで
頭フル回転の2時間・・・。
最後の方は腱鞘炎になりそうなぐらい手が痛かった。
手から汗も出まくりだったので
シャーペンがヌルヌルになっていった。
試験が終わり
帰りの飛行機の時間まで
観光でもしたかったが
すでに俺は放心状態になっており
空港のベンチに座り
搭乗時間まで『無』で過ごした。
翌日には職場に出勤。
疲れまくっていたので休みたかったが
そうもいかなかった。
誰もが俺が合格なんてするわけないと思っているので
『まぁ今回はリハーサルのつもりで無事に行けてよかったじゃん!』
と【はじめてのおつかい】から帰宅した子供のような扱いを受けた。
で
その時にシマセンから言われた言葉が
俺は少しだけ気になった。
「試験どうだった?オマエが一生懸命に勉強してたから言わなかったけどさぁ・・・」
「あの試験は【勤続年数】と【今まで試験を受けた回数】も合格基準に入るらしいんだよなぁ。オマエみたいな5年目で試験1回目の人間には最初から合格は遠いんだよ。言わなくてゴメンな。。。」
「せっかく一生懸命に勉強している奴に言ってしまうと一気にヤル気が無くなるかなって思ってさ。。。」
かなり申し訳なさそうな表情のシマセン。
俺は
「・・・はぁ!?マジっすか!?」
と落胆した。
・・・ってか、とりあえず落胆してやった。
落胆している素振りを見せてやった。
そう。
実際は何も落胆してはいなかった。
なぜかって?
正直に言うと・・・
『いや、合格してるだろ俺!!!』
の気持ちが心の中で充満していた。
だって
手応えあったもん。
勤続年数?試験を受けた回数?は?
・・・いや、合格してるだろ。普通に。
ゴリゴリに問題解けたよ。ほぼ。
小論文なんか無双してたはず。多分。
元・部長なんて
俺が落胆している様子を出しちゃってるもんだから(俺は演技派)
「大丈夫大丈夫www1回目は誰でも不合格だぞww俺だって不合格だったんだからwww」
と落胆している俺を見て
メチャクチャ嬉しそうにニヤニヤしていた。
安心したんだろう。
『やっぱり桜田は落ちたなw』ってね。
『これで職場でのパワーバランスも今のままだなwww』ってね。
ってか
元・部長の「俺だって不合格だった」の発言はマジで意味不明だった。
だって
1度も合格してないくせに
『1回目は不合格だった』じゃねぇだろ。
アンタはずっと不合格だったんだよ。
今でも合格してねぇだろ。
途中で諦めて退散しただろうが。
そこ間違えんなよ。
上から発言すんな。ウザいから。
とりあえず
早く合格発表の日にならねぇかな・・・
俺は待ち望んでいた。
そして
約1ヶ月後・・・
その日の昼間
従業員全員が事務所に集まるように
社長から指示が出た。
社長は
従業員の前で
1枚の紙に目を通しながら
内容を読み上げた。
「えぇー・・・桜田くんが・・・」
「合格しました!!!!」
その瞬間に
元・部長が
メチャクチャ大きい声で
「えっ!?えぇぇぇ!!!!!」
俺は心が踊った。
元・部長の悲鳴に近い声を聞けたから。
他の従業員は
「すごっ!」
「やったじゃん!」
「やばっ・・・」
と想定の範囲内のリアクションだったが
元・部長の
悲鳴こそが
俺には快感&爽快だった。
この悲鳴を聞くために
俺は勉強したのだ。
そんな俺の性格の悪さが
合格という結果に繋げてくれた。
性格悪くてよかった。
社長は
「これはもう・・・さすがとしか・・・言葉が出ない・・・」
と合格と書いてある紙を持つ手を震わせながら驚いていた。
元・部長は
我慢できずに
社長に
「そっ・・・その紙、見せてくれ!」と
社長から紙を取り上げた。
「ごっ・・・合格かよ・・・」(小声)
元・部長は紙を何度も見返し
受け入れたくない現実を
しっかりと叩きつけられていた。
俺は今まで
元・部長の
パワハラにどれだけ我慢しただろうか。
どれだけ悩んだだろうか。
どれだけ『殺してやる』と思っただろうか。
その我慢や悩みが今・・・
一気に・・・
昇華された!!!
我慢したのが大きかった分・・・
昇華された時の
痛快さが・・・
たまんねぇ!!!
これで・・・
職場のパワーバランスが崩れたぞ。
ふっふっふっ。
いやぁー・・・
気持ちいいわ。
完全なる勝利。
まぁどんな資格か詳しくは言えないが
簡単に言うと
俺が合格したのが【1級】で
元・部長は【2級】までしか合格してないってこと。(1級・2級とかの呼び方じゃないけどさ)
【2級】しか所持してなくても仕事自体に支障はないが・・・
そりゃ【1級】と【2級】じゃ差が大きいよね。
【A級ライセンス】と【B級ライセンス】でも違うでしょ。
・・・まぁそんな感じ。
全国各地の支店の従業員が集まる会合なんかでも
やはり
【1級】を所持している人間と
【2級】までしか所持していない人間とでは
明らかに扱いが違うもん。
ここで言う【1級】を所持している人間って全国に少数しかいねぇから
態度も大きくてムカついてたもんなぁ。
「【1級】を持ってるからって偉そうにすんなよ!」って聞こえるように言ってたもん俺。
そんな俺もついに・・・!
やってやったぜ・・・!
でも
何があっても偉そうな態度だけは出さないように心掛けておこう。マジで。
で
俺が合格してからは
確実に元・部長の口数が減った。
そりゃそうだ。出した結果が違うんだもん。
『結果で周りを黙らせてきた人間』だとして
もちろん俺なんか
1ミリも彼らには追いつけないが
俺の人生で
『結果で黙らせる』っていう瞬間が
小さいながらも訪れるなんて
・・・最高だぜ。
誰にも迷惑を掛けずに
うるさい奴を黙らせることに成功した。
あぁー・・・よかったよかった。
夏に本社ビルで
合格者だけの表彰式があるらしいんだけど
もう賞状もトロフィー的なやつも要らないよ俺は。
すでにプレゼントしてもらったからね。
『元・部長の悲鳴』を。
(実は意外にシマセンも動揺してた。『俺がメチャクチャ努力してやっと合格したのにアイツはサラッと合格しやがった!』みたいな感じで。いやいや、俺も頑張って勉強したんだから。サラッと合格したわけじゃないよ!)