振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

裸の王様の行く先~中編~

はい。こんにちは。桜田紋吉(もちろん仮名)は私のことです。読んでも得にならないブログを本日もヨロシクお願いします。







最近の口癖は「また勉強かよ・・・」です。


9月の台風で延期になっていた資格試験が11月にあるんで


また10月の後半ぐらいから勉強を再開しようと思っているんですがぁー・・・


めんどくさい!!!やりたくねぇ!!!


勉強する時間をブログに回したい!!!


・・・って感じです。


またブログの更新が遅くなりますね。書きたいこと死ぬほどあるのに!!!













はい。では前回の続きです。


前回のブログはコチラ↓
裸の王様の行く先~前編~ - 振り返ればオアシス!













シマセンが静かに喋りだした。






シマセン「紋吉とは長い付き合いになるかもしれねぇから・・・もう話すわ。部長について話すわ。」


桜田紋吉「なんかあったんですか?」


シマセン「部長はね・・・初歩的な基本作業しかしないよ。それか自分の好きな作業だけやるか。」


桜田紋吉「・・・そうなんですか。」


シマセン「この会社が設立された日に俺も部長も入社したんだけど、一番の年長者ってだけで入社した日から『作業員の中のトップ』みたいな立ち位置を与えられたんだよ部長は。」


桜田紋吉「・・・なるほど。」


シマセン「部長は最初からトップの立ち位置なわけだからさぁ・・・部長が苦手な作業や面倒な作業があると『もう俺は年だから若いおまえらがやるべきだろ!』って怒鳴って威嚇してくるわけ。今思えば当時の部長は今の俺より若かったけどさ。」


桜田紋吉「・・・うわぁ。キツいっすね。」


シマセン「で俺も当時は二十歳ぐらいで何にも分からない状態だったし、怒鳴られるのも嫌だったから毎回毎回『はいはい。分かりましたよ。』って感じで我慢に我慢を重ねてきたわけよ。すべての作業を黙々とやってきた。」


桜田紋吉「設立されてから20年間そんな感じだったんですね。」


シマセン「そうそう。若い俺らが我慢すればするほど部長は調子に乗っちゃってさぁ、話す時は誰だろうと偉そうな口調で話すようになっちゃったし、誰かと接する時の態度も常に偉そうだしなぁ・・・あっ・・・でも部長は立場が上の人とか気の強そうな人には口数が少なくなるんだよなぁ。」


桜田紋吉「へぇ。上には弱いんですねぇ。部長は立ち位置をキープしようと必死なんじゃないですか?年下には仕事量と仕事に関する知識量で負けているわけだから、そこを問題視される前に態度で威圧して『俺はおまえらより上なんだぞ!』みたいな。で自分より上の立場の人にまで威圧的だと嫌われちゃって一気に立ち位置を落とされる可能性があるから、上の立場の人の前では大人しくしとこって感じじゃないですか?」


シマセン「それはあるだろうなぁ。どっかのタイミングで我慢せずに『それっておかしくないか?』って言えてたら状況は変わってただろうなぁー・・・。やっぱ我慢し過ぎた。俺らが生んだモンスターでもあるな部長は。」


桜田紋吉「そうですか・・・。」








シマセンは悔しさと切なさが入り交じったような表情をしていた。


どう考えても部長が100%悪いのに


『俺が我慢し過ぎたのが原因の一つ』と反省しているところがシマセンがどれだけ優しい人間かを物語っていた。







・・・変な空気になってしまったので違う質問をしてみた。部長の良いところを聞きたいという気持ちもあったからだ。







桜田紋吉「・・・でも・・・人の上の立場ってことは・・・責任は部長が取るんでしょ?誰かがミスした時とか相手に謝らなきゃいけない時とかは部長の出番なんでしょ?」


シマセン「・・・そう思うだろ?違うよ。」


桜田紋吉「えっ?」


シマセン「『おまえがこの作業をして失敗したんだから謝るのはおまえだ!』とか『俺はその作業に関わってないから無関係だ!』みたいなセリフしか言わないよ部長は。」


桜田紋吉「うわぁー・・・。」


シマセン「何の為に『部長』っていう役職があるんだよって感じだよな。」







ここでずっと気になっていたことを質問してみた。






桜田紋吉「・・・ってか何で【部長】っていう役職がこの職場にあるんですか?営業部とか人事部とか『◯◯部』っていう『部』が無いのに【部長】って変じゃないですか?」


シマセン「・・・気付いた?さすが。」


桜田紋吉「何か理由あるんですか?」


シマセン「・・・あるよ。言っても意味不明だろうけど。」


桜田紋吉「聞きたいです!お願いします!」









シマセンは『なぜこの職場に【部長】という役職が存在しているのか』を詳しく説明してくれた。







シマセン「会社が設立されて10年間は【部長】なんて役職は存在しなかったよ。今では『部長』のあの人も『施設長』って呼んでたんだ。」


桜田紋吉「・・・なるほどなるほど。」


シマセン「今は『部長』で当時『施設長』のあの人が50歳になったぐらいだったかなぁ。大声で愚痴を言い始めたんだよ。あの人が。」(シマセンは『部長』のことを『あの人』と言い始めた)


桜田紋吉「はい。『あの人』ですね。」


シマセン「あの人が大声で『高校の同窓会に行ったら周りの同級生は【課長】とか【専務】とか【部長】ばっかで俺だけ【施設長】って名前のポジションで恥ずかしかったぞ!なんなんだよ!施設長って名前は!』って怒り狂ってたんだよ。」


桜田紋吉「・・・は?」


シマセン「『俺も【課長】とか【部長】みたいな名前がいい!』・・・だってさ。」


桜田紋吉「・・・え?」


シマセン「驚くだろ?」


桜田紋吉「え?だって同級生は全く違う会社とか職業の人ですよね?何と比べてるんですか?『施設長』って名前が嫌?アンタがなんなんだよって感じなんですけど。」


シマセン「だろ?」


桜田紋吉「それだけの理由で社長もよく『施設長』から『部長』に変えさせましたね。何で変更が可能なんですか?ってか理由が最高に面白いんですけど。」


シマセン「そう!そこ!そこが重要なんだよ!実はさ・・・当時の副社長って今の副社長とは違う人だったんだよね。」


桜田紋吉「・・・ほぉ。副社長が。」


シマセン「で副社長はあの人をかなり嫌ってたんだ。はっきり言ってあの人を副社長はクビにしたかった。」


桜田紋吉「なるほどなるほど。」


シマセン「で【部長】という名ばかりの管理職をこの会社に作って、管理職になった場合には『残業代』も『休日手当』も出さないと。どこの会社も管理職には出さないんだろ?」


桜田紋吉「まぁそうですね。労働組合がある会社の場合は管理職の人は組合には入れませんから。会社側の人間ってことになるんだと思いますけど。」


シマセン「だろ?だからあの人には『部長になってもいいけど『部長手当』以外は何の手当も付かないぞ?それでもいいのか?』って聞いて、それでも『部長になりたい!』という答えを出した場合には施設長から部長に変更させると。」


桜田紋吉「・・・ほぉ。」


シマセン「で、あの人の性格からすると『部長になったら給料下がったじゃねぇか!』とか『こんな給料が安くなるなら施設長に戻せ!』みたいな感じでキレると。」


桜田紋吉「・・・なるほど!」


シマセン「あの人がキレた瞬間に『ワガママばっかり言いやがって!おまえはクビだ!』って言おうと副社長は計画してたんだよ。」


桜田紋吉「なるほどなるほど!・・・で計画は失敗ですよね?だって今も偉そうに出勤してるし。」


シマセン「・・・そう。大失敗!」


桜田紋吉「あいたたたー!」


シマセン「まず『手当が付かないけど部長になるのか?』って質問に『なる!』って答えたところまでは良かったんだよ。まんまと部長になりやがった。」


桜田紋吉「はいはい。」


シマセン「部長になったもんだから偉そうな態度も倍増してさ!『あんなに偉そうにしてんだから金額が下がった給料明細を見た瞬間にアイツはブチギレるだろう。部長なのに給料が安いってどういうことだ!みたいなブチギレを。』って誰もが思ってたんだよ。」


桜田紋吉「まさかのキレなかったパターン?」


シマセン「・・・いや、キレたよ。予想通りにあの人はキレたよ。」


桜田紋吉「それこそ副社長の登場じゃないですか!ここでしょ出番は!」


シマセン「いや、それが違った。」


桜田紋吉「え?」


シマセン「びっくりしたよ。あの人がキレる数日前に副社長が違う人に変わるっていうね。」


桜田紋吉「げっ!!!なにしとんじゃ!!!副社長コラ!!!」


シマセン「あの人がキレた時には副社長は違う人になってたから誰も何も言えないわけ。新しい副社長なんかキレてる理由すら知らないんだから。」


桜田紋吉「うわっ。最悪じゃないですか。でも社長が何かしら言ったんじゃないですか?」


シマセン「社長はさ『施設長から部長に変えたのは副社長がやったことだから私はよく分からん』って。」


桜田紋吉「うわうわうわ・・・。でも『ワガママ言うなら辞めろ!』ぐらいは社長なら言えるんじゃないですか?」


シマセン「それがさぁー・・・なんだかんだで社長は優しいからさぁー・・・」


桜田紋吉「何も言わず?」


シマセン「いや。言ったよ。あの人に言ってたよ。『せっかく部長になったんだから少しは我慢して頑張ってみたらどうだ?』って。」


桜田紋吉「なんじゃそら!!!部活のノリじゃねぇか!!!」


シマセン「それを言われたあの人は『そこまで社長が言うなら・・・頑張ります!』って。」


桜田紋吉「ダセェ青春ドラマのセリフ!!!すぐ気持ちの切り替えすんな!!!」


シマセン「・・・これがあの人が部長になった理由だ。」


桜田紋吉「なんすかそれ・・・。イタすぎでしょマジで。」


シマセン「ただ・・・もうすぐだ。」


桜田紋吉「もうすぐ?」


シマセン「あの人は・・・もうすぐ定年退職なんだ!俺の我慢ももう少し!」








シマセンは表情をキラキラさせながら話を続けた。








シマセン「あの人は60歳で定年退職して再雇用制度を使って65歳まで働くらしいよ!」


桜田紋吉「えっ?だったら辞めるわけじゃないんですね・・・。」


シマセン「でもあの人の立場が【部長】じゃなくて【嘱託社員】に変わるから。あの人はもう指示も出せないし偉そうに文句ばっか言える立場でもなくなるんだよ。」


桜田紋吉「そりゃ助かりますね!・・・ん?次は先輩が【部長】になるんですか?」


シマセン「いやいや。そこは社長と話を済ませたよ。俺が上になる時には【部長】は廃止して【施設長】に戻してくれって。」


桜田紋吉「おっ!・・・まぁそうですよね。必要ない部長の椅子に座らされても恥ずかしいだけですもんね。」


シマセン「そりゃそうよ。同業者が全国で何千人いるか知らねぇけど【部長】とかいう不必要な役職があるのはウチだけなんじゃないか?さすがに恥ずかしいだろ。」


桜田紋吉「ですよねぇ。」








俺は安心した。


入社してから部長の存在が一番のストレスになっていたが『そろそろ定年退職』という情報が俺をホッとさせた。









とにかく俺は・・・


部長が定年退職を迎えるまで耐えに耐えた。


ざっくり言うとパワハラに耐えた。


社長が「桜田くん大丈夫?部長から嫌な気分にさせられているんだろ?大丈夫か?」と心配しちゃうほどに俺は耐えた。(優等生の俺は「大丈夫です!我慢するのも仕事ですので!」と答えた)


もうパワハラエピソードが何個もありすぎるので全部は書けないが少しだけ書かせてくれ。








まず・・・


『家族行事・地域行事・冠婚葬祭のどれかで仕事を休むとキレる』


である。







一人目の子供が産まれる前に『安産祈願』へ行くってことで休みを取ろうとした。


すると部長は


「安産祈願?俺が若い頃には父親が絶対に参加しなきゃいけないみたいな風潮はなかったぞ!おまえは行くのか?忙しい時期なんだぞ!」


とすでにキレ気味。


しまいにゃ俺が安産祈願に行く前日に


「明日は何時に出社するんだ?朝から晩まで安産祈願をするわけじゃないんだろ?会社のことを考えるなら終わったら早く会社へ来いよ!」


と怒鳴られた。


本当なら安産祈願の当日は


俺の両親と嫁の両親と俺達夫婦で和食屋でランチを食べる予定だったが


部長がしつこく「早く出社しろよ!」と言うので仕方なく昼前には俺だけ抜けて会社へと向かった。


で会社に着いたら部長から


「今日は暇だぞ!全然仕事ねぇぞ!」とクソみたいな発言が。


マジで部長の全部の白髪を燃やしてやろうかと思った。(あん時に燃やしときゃよかった)


ちなみに


俺に子供が産まれた時には


電話で「子供は産まれたのか?そうか。おまえ今日はいきなり休んだんだから他の従業員にちゃんと謝罪の電話しとけよ!」と最低発言を浴びせられた。


思い出しただけで俺は当時と全く同じ温度でイラつくことができる。(やっぱ燃やしときゃよかった)









『幼なじみの結婚式があるので休む』と伝えた時にもクソ発言があった。


「別に俺はおまえが結婚式だろうが葬式だろうが好きに休んでいいと思っているよ。だけどな!忙しい時期に結婚式に行った時点で他の従業員から『うわ!忙しいのに結婚式で休みやがった!普通この職場に勤めているなら休まないのに!裏切り者!』って思われるぞ。それでもいいのか?」


と圧をかけられた。マジでクソだ。


シマセンに「結婚式で休むと裏切り者なんですか?」と尋ねたら


「は?そんなわけねぇだろ。紋吉が結婚式に行った2週間後に俺も知人の結婚式で休むし。あの人の言うことは気にすんな!前に勤めていた若い奴も部長から精神を削られて辞めたんだから!絶対に気にすんなよ!」と優しい言葉を投げ掛けられた。










・・・これだけでもパワハラエピソードとしては強すぎると思うが後一つだけ書かせてくれ。









それは・・・


『とにかく部長は臭い』ってことだ。







マジで臭い。


理由ははっきりしている。


部長は作業着を洗わないのだ。夏でも。いつでも。


汗でグチョグチョになった作業着でも翌日も普通に部長は着る。


手袋や防寒着も一切洗わない。すごい臭いがする。


屋外で作業していて『鳥のフン』が肩に落ちた時もフンを付けたまま部長は普通に過ごしていた。部長はフンに気付いていないわけではないのに次の日からもそれを着ていた。一切フンを気にする様子もなかった。


たまーに洗濯しているような気もするが


どのタイミングで洗濯しようって気持ちになっているのか不明だ。マジでめちゃくちゃ臭い。毎日洗えや。


シマセンなんか社長に「消臭機能が付いている空気清浄機を買って下さい!」って直談判してたからね。


で空気清浄機が会社に届いたら


シマセンが「紋吉!24時間365日すべて【パワフル消臭モード】にしとけ!」って珍しく鬼の形相で大声出したんだから。








・・・ってこれは『パワハラ』っていうか『スメハラ』ってやつか?


『ハラスメント』であることには間違いないけど。









『ハラスメント』の話は少ししか書けなかったが


とにかく耐えた。


耐えて耐えて耐えて耐えた。










そして・・・


部長が定年退職を迎えた・・・。


全員にとって歓喜の時だ。


彼は『部長』から『元・部長』になった。









『元・部長』は定年退職してからも普通に出勤する。当たり前だ。


嘱託社員だからって楽が出来るわけではない。


普通に出勤しているが故に『元・部長』になってからも


『部長』みたいな態度が数ヶ月ほど抜けていない様子だったが


そろそろ彼が『元・部長』になってから2年が経とうとしている。








2年が経った今・・・


彼に変化が出てきた・・・


どうやら


今まで好き勝手にやってきた彼にツケが回ってきたようだ・・・











次回へ続く。
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(マジで腐るほどパワハラエピソードあるからね。書いてたらムカついてくるから書かないけどさ。とりあえず作業着は洗ってくれ)