振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

イケてる自動車部品メーカー⑦

お疲れ様です。桜田紋吉です。

 

今日もありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

さっそく⑥の続きを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事務職へ配属された俺。

 

人生で1度も事務系の仕事は経験が無いが

 

偉い人の「大丈夫大丈夫!」の言葉と

 

『このまま現場にいても倒れるだけ』という俺の気持ちから

 

事務所内で仕事する流れになった。

 

 

 

 

 

 

 

『どんな仕事をするんだろう?』

 

『事務所の中には入ったことすらないから誰がいるのかも分からん・・・』

 

『これからどうなるんだろうか・・・』

 

様々な不安な気持ちが駆け巡っていた。

 

 

 

 

 

 

事務職に移動して初日の朝・・・

 

いつもなら現場の作業場へ向かう俺だが

 

今日からは事務所の方へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい!皆さーん!注目ー!今日から我々の仲間になった桜田くんでぇーす!」

 

・・・って青春ドラマの転校生がやってきた初日みたいなのは一切なく

 

 

 

 

 

 

事務所を仕切っているであろう人から

 

「ノートパソコンが置いてある席がアッチに見えるでしょ?アレが君の席ね。分からないことがあったら近くにいる人に聞いて。」

 

・・・超絶に雑な説明で俺の事務職勤務はスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・えっ!?ちょっと待って!!!

 

「分からないことがあったら」って何!?

 

そもそも

 

『俺は何をやるのか』『ここでは何が行われているのか』すら知らないのに

 

「分からないことがあったら」って何!?

 

分からないどころか

 

何も知らないんだよ俺は!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも・・・

 

周りの事務員の方々(男性も女性も)は全く俺に対してリアクションしない。

 

俺という人間が空気と化している。

 

とりあえず席に座った。

 

 

 

 

 

 

小さいノートパソコンのみ置いてある。

 

他の方々は大きいデスクトップのパソコンで仕事してらっしゃる。

 

『まぁ・・・俺にデカいパソコン渡されたとしても何していいか分からんもんな・・・』

 

と独り言を呟きながら周りを見渡してみた。

 

 

 

 

 

 

冷静に周りを見ると

 

俺だけ少し離れた場所にいる。

 

事務員さん達の席から少し離れた壁際の場所が俺の席だ。

 

俺の一番近くに座っている事務員さん(オジさん)ですら数メートル離れていた。

 

俺だけ隔離されているかのようだ。

 

 

 

 

 

 

体調を崩し・・・

 

仕事のパフォーマンスも無に等しく・・・

 

会社の戦力としてはゼロの俺・・・

 

この壁際に隔離されている状態からし

 

まさに『窓際族』ってやつだ。

 

座っている席は『壁際』だが

 

扱いは『窓際族』という状態。

 

 

 

 

 

 

 

・・・まぁ仕方ない。

 

俺には病人的な扱いをしなきゃいけないんだろう。会社としては。

 

とはいえ

 

せっかく事務職に移動になったし

 

結婚式も数カ月後に控えてるし

 

どうせ働くならバリバリ働きたい!との意欲も少しは俺の中にある。

 

体調が悪化する前に

 

初日からちょっとでも仕事を覚えて戦力にならないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は一番近くの事務員のオジさん(背の低い小太りの人だった)に声を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜田桜田です。今日からヨロシクお願いします。」

 

オジさん「どうも。」

 

桜田「何か仕事ありますか?初日ですが色々と覚えたいんで。」

 

オジさん「・・・ないです。」

 

桜田「はっ?」

 

オジさん「無いですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

・・・俺は絶句した。無いよって。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜田「・・・無い?」

 

オジさん「あっ。『無い』の意味は『君が出来るような仕事は無い』って意味ですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・あら。

 

このオジさん、とても嫌な言い方するタイプだコレ。

 

キツいんですけど。

 

 

 

 

 

 

 

オジさんは続けてこう言った。

 

「ここの仕事って配属されて1日や2日で出来る仕事なんて無いんですよね。最近まで現場で作業していた人に任せられる仕事なんて無いですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・うわぁぁ、何も言えねぇぇぇぇ。

 

このオジさんの言い方や表情(澄ました顔してやがった)が非常にムカつく。

 

だが

 

言っていることは正論だ。

 

マジで何も言えねぇー・・・

 

ってか

 

このオジさん冷てぇぇぇ・・・

 

もう少し優しくしてもよくないか!?

 

露骨に『邪魔しないでくれる?』のオーラ出すなや!

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず俺は「あっ・・・何かありましたら言ってください・・・」とだけ言い

 

席で大人しくしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

定時になった・・・。(夕方5時)

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・えっ???マジかよ!!!

 

帰る時間まで何の指示も無かった・・・。

 

ずっとホーム画面のままのノートパソコンの前に座ってただけだったぞ・・・。

 

そのまま帰宅。

 

『えっ?何で?もしかして上司に渡した白い封筒(病院から渡されたやつ)に【病人ってことで安静にさせとけ】とか書いてあったのか?』

 

俺は一瞬だけ『会社の優しさで俺を完全に放置してんのかな?』とも思ったが

 

『・・・いやいやいや、完全放置に優しさもクソもねぇよなぁ。』と客観的に見て

 

自分が会社から受けている対応に疑問を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

で翌日・・・

 

さすがに朝から夕方までノートパソコンの前に座っているだけではキツいので

 

また近くのオジさんに

 

「何か仕事ありますか?」と聞いてみた。

 

オジさんは

 

「え?えぇー・・・あっ。ゴミ箱の中のゴミがいっぱいだから捨てて来てください。」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・とまさかのゴミ捨てへ。

 

ゴミ箱を持って工場の端のゴミ捨て場へ処分しに行った。

 

で事務所へ戻った。

 

10分ぐらいで終わった。

 

 

 

 

 

 

事務所に戻った時にオジさんから言われた。

 

「もう特にやってほしいことないから。何かあったら声掛けるんで待機してて下さい。」

 

すんごい冷たい感じで目も合わせずにサラッと言われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になった・・・。

 

 

次の日も・・・次の日も・・・

 

何日間もずっと何も言われずにノートパソコンの前で座っているだけの日々が続いた。

 

『え!?座っているだけで給料貰えるの?ラッキー!』

 

と考え方を変えようかと思ったが

 

給料は初任給に戻されてたし(酒蔵で働いていた頃と変わらない金額)

 

ボーナスの査定では最低のランクで評価されていた。

 

そりゃ何も仕事をしていないので

 

当然の待遇なのだが

 

周りが働いていて自分だけ離れたスペースに隔離されたまま存在すらしていないような人間として扱われているのには

 

かなり精神的ダメージが大きかった。

 

もちろん体調もどんどん悪化するばかり。

 

毎日、何回もトイレで吐いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで・・・

 

勇気を振り絞り・・・

 

工場の中で1番偉い『工場長』へ何とかしてもらおうと直談判しに行った。

 

「仕事が何も無く座っているだけの1日は辛い。どうにかしてくれないか?」

 

と助けを求めた。

 

工場長の返答は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや大丈夫!大丈夫!ずっと座っているだけでもいいじゃない!気にするな!」

 

・・・という完全に俺なんか眼中には入っていないような答えだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時に俺は気付いた。

 

マジで気付いてしまった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あっ・・・会社は俺が「会社辞めます」って言うのを待っている。その言葉を言わせるように仕向けているな・・・!』

 

って気付いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚式まで後3ヶ月ほどある。

 

招待状は配り終えたし

 

今から結婚式をキャンセルに出来るわけもないだろう。

 

逃げるわけにもいなかい。

 

俺の本当の地獄はここからだった。f:id:oasis2018:20220531172322j:image

(逃げられない孤独ってキツいぞぉ)