振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

殺気が充満した食堂

こんつあ。桜田紋吉はオッサンです。今日もヨロシクお願いします。

 

 

退院しましたが体調は・・・

 

んんんぅぅぅー・・・微妙ですねぇ。。。

 

仕事には復帰しましたが

 

完全復活には遠い感じ。。。仕方ねぇ。。。

 

 

 

 

では

 

今日の本題へ。

 

 

 

 

 

 

本日は

 

久々に『イケてる自動車部品メーカー』で働いていた頃の思い出を書こうか。

 

あれは何年前だったかな。

 

2014年?2015年?2016年?

 

・・・まぁその頃だ。

 

 

 

 

 

年明けから2週間ほど経った日の朝だった。

 

1月の中旬。

 

朝礼の時に

 

いきなり班長が言った。

 

 

 

 

「今日はこの後、社長が新年の挨拶をしにやって来るらしいから食堂に移動しなきゃダメだぞ〜!」

 

 

 

 

 

 

俺は思ったね。

 

『なんで食堂やねん』って。

 

『もう1月中旬やねん』って。

 

『でも仕事するより楽チンだろうから別にいいけどやねん』って。

 

 

 

 

 

先輩に

 

「なんで食堂?なんで1月中旬?」

 

って聞いてみたら

 

 

 

『食堂が一番人数が入る施設だから』

 

『社長は日本中・世界中を飛び回っているらしいから新年の挨拶はいつもタイミングがズレた時期に来る』

 

・・・と返答してもらった。なるほど。

 

 

 

 

 

 

 

食堂へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

・・・とんでもない人数が食堂にいた。

 

 

 

 

 

 

そりゃそうだ。

 

ここの工場めちゃくちゃ大きいもん。

 

何棟も建物あるし。

 

事務員だけでも人数ヤバいんじゃね?

 

 

 

 

その全員が食堂へ大集合した。

 

夜勤の人達はもちろん来ていないが

 

それでも

 

とんでもない人数だ。

 

こんな時に思う。

 

やっぱ『イケてる自動車部品メーカー』は規模がヤバいなって。

 

この工場だけでも働いている人数が

 

とんでもなくいる。

 

しかも

 

『イケてる自動車部品メーカー』はこの規模の工場を日本に数ヶ所、世界に数ヶ所、保有している。

 

 

 

 

そりゃ社長の新年の挨拶もタイミング合わんはずだ。

 

何ヶ所も挨拶行かなきゃダメなんだから。

 

いやぁー・・・全部の工場の従業員って何人いるんだろ?

 

数千?いや、数万か?

 

凄いな・・・。

 

ってか

 

その全従業員のトップに君臨する社長って

 

マジすげぇな。。。

 

どんな人物なんだろ。。。

 

 

 

 

 

とんでもない人数が食堂で社長の到着を待っていた。

 

食堂は『満員電車状態』だ。

 

両隣の人との肩と肩が触れる。

 

夏だったら地獄だったはずだ。

 

 

 

 

 

・・・で、なかなか社長が来ない。

 

少しでも食堂がザワザワすると

 

専務みたいな偉い人が

 

「喋るなぁー!!!」

 

と叫んでいた。

 

 

 

やはり

 

専務達からすると社長はかなり怖い存在なのだろう。

 

「おまえ達の工場の従業員はなんだ?教育がなってないじゃないか!」

 

なんて言われた日にゃ

 

専務達の顔面は真っ青になるはず。

 

 

 

 

・・・まぁ俺みたいな平社員には社長なんて距離があり過ぎてピンとこない。

 

社長?へぇ。。。ってなもんだ。

 

平社員達は何とも思ってないのに

 

専務達だけピリピリしていた。

 

 

 

 

 

 

やっと社長の登場だ。

 

登場から『さすが社長!』って感じの登場だった。

 

 

 

 

まず

 

食堂の入口ギリギリに超高級車(もちろん運転手付き)が停車するのだ。

 

駐車場に車を停めてから歩いて来るとかではない。

 

超高級車から一歩でも外へ出れば

 

すぐ食堂の入口になり

 

また何歩か歩けば

 

もう挨拶をする場所へ到着だ。

 

 

 

 

また

 

社長の外見も『さすが社長!』って感じの外見だった。

 

妙に日に焼けていて

 

金持ち特有の太り方をしている人だった。

 

芸能人で例えるならば

 

梅宮辰夫だ。

 

あの金持ち特有の太り方。

 

ブラマヨ小杉みたいな不摂生で太った外見ではなく

 

完全に贅沢しているから太りました。ってタイプの太り方だ。

 

 

 

 

 

その梅宮社長(もちろん名字は梅宮ではないけども)の挨拶も凄かった。

 

 

 

 

 

 

新年の挨拶はサラッと済ませ

 

『今回の年末年始はシンガポールで過ごして最高だった!』・・・という話を始めたのだ。

 

どうやら

 

社長は毎年、年末年始は外国で過ごすらしく

 

特に今回のシンガポールは最高だった!らしい。

 

 

 

 

 

しかし

 

あまりにも『シンガポール最高!』の話が長いので

 

食堂に集合している

 

多数の平社員達がイライラし始めた。

 

 

 

 

しかも

 

社長は何を勘違いしているのか

 

「この食堂にいる社員の中にも外国で年末年始を過ごした人は多数いると思いますがぁ」

 

・・・とか言い出しているのだ。

 

 

 

 

 

いやいや、この中に金持ちはいねぇだろ。

 

専務達の給料は知らんが

 

平社員の給料なんて・・・。

 

絶対に毎年、外国旅行してます!って奴なんかいるわけねぇだろ。。。

 

ってか

 

集まっている従業員の作業着を見て分からんかな?

 

油まみれ、汗まみれ、鉄粉まみれの作業着の人間ばっかだろ?

 

平社員なんて『汚れて安月給』が当たり前だろうが。

 

それなのに

 

「外国で年末年始を過ごした人も多数いると思う」・・・じゃねぇよ。

 

絶対に『多数』はいねぇ!

 

もしかしたら1人もいねぇかもな。

 

 

 

 

 

・・・なんて俺が思っていたら

 

やはり

 

近くの男性平社員達がヒソヒソと話し始めたぞ。

 

 

 

 

「俺達はそんな金も余裕もないって」

「嫌味で言ってんだろ」

「全員にめちゃくちゃ給料払っているって思ってんじゃね?」

「子供の学費を払うので精一杯なのに」

「なんかムカつくよな」

「やっぱ会社のトップの感覚がズレてんだからダメなんだよ、この会社」

 

 

 

 

 

 

・・・ほら、ヤバい雰囲気になってきたぞ。

 

明らかに

 

食堂に集まっている平社員達がイラつき始めていた。

 

 

 

 

 

そして

 

ついに

 

社長は貧乏な平社員達の前では

 

『してはいけないやつ』をやっちまった。

 

 

 

 

 

 

社長「年末のシンガポールの夜景がとても綺麗だったので夜景を見ながら趣味の『川柳』を作りました。・・・それを今から詠みたいと思います!」

 

 

 

 

 

 

・・・エグい空気になった。

 

平社員達の血管が爆発しそうな気配だ。

 

しかも

 

社長が「川柳を詠む!」と言った後に

 

専務達、数名が拍手をしたのが(すんなよ)

 

また平社員達をゴリゴリに刺激していた。(微妙に偉いポジションにいる人間の社長に対するヘコヘコ具合は天下一品)

 

 

 

 

 

 

 

梅宮社長の川柳タイムに突入。

 

川柳の内容は詳しく覚えていないが

 

シンガポールの夜景も俺の心も穏やか、これからも穏やかに生きていこう』

 

・・・みたいな全員がリアクションに困る川柳だった。

 

そもそも川柳に対してのリアクションの正解が何なのかは知らないが。

 

 

 

 

しかし

 

よくよく考えてみれば

 

貧乏な平社員達は毎日、穏やかには暮らしていない。

 

貧乏人の生活って大変だから。

 

それなのに

 

社長は『これからも穏やかに』とか詠んでるわけよ。

 

そりゃ平社員はムカつくよね。。。

 

しかも

 

また専務達が社長が川柳を詠み終わった後にアホ丸出しで拍手してたし。。。

 

北朝鮮みたいだな。。。

 

 

 

 

もうね・・・

 

社長が川柳を詠み終わった時のさ・・・

 

食堂の雰囲気がね・・・

 

暴動寸前だったよ。

 

俺、思ったもん。

 

『こりゃ誰か1人が社長に殴りかかったら、残りの全員も暴れ始めるんじゃないの?』

 

って。

 

そんぐらい雰囲気ヤバかった。

 

 

 

 

 

 

『この先どうなるんだ!?』

 

って心配してたら

 

社長が

 

「あっ!もう時間なんで移動します!」

 

とか言いながら

 

一瞬で超高級車に乗り込み

 

あっという間に消えた。

 

 

 

 

 

専務達が

 

「終わったので食堂から出て下さいー!」

 

って言い始めた時には

 

平社員が全員キレながら食堂を出てたね。

 

 

 

 

 

「なんだったんだ!?あの挨拶!?」

「ただの自慢話に付き合っただけかよ!」

「川柳の発表会か!」

「ムカついたわぁー・・・」

 

 

 

 

 

それぞれの文句を聞きながら

 

俺は

 

さすが『イケてる自動車部品メーカー』だなぁ。色んな意味で。

 

 

ある意味、感心した。f:id:oasis2018:20230705140159j:image

(マジで嘘みたいな新年の挨拶だった)