振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

ヤマちゃんとヨリ君

桜田紋吉(もちろん仮名)です。





ど田舎で生まれ育ち、今も同じ場所に居ます。

地元はとてもとても田舎で何もありません。あるのは田んぼとジジババと私ぐらいなもんです。

毎年の人口減少は当たり前で、特に若い人なんかは存在すらしていません。本当に若い人は探さないと見つかりません。

ジジババはどこからか湧いてきていると錯覚するレベルでたくさん存在しています。

そんな場所です。特に魅力はありません。




高校の数もどんどん減っていってます。合併しまくっているらしい。

夏の高校野球、地方大会トーナメントは試合数が少なく、他の都道府県に比べると簡単に本大会にいけます。それでも高校球児は死ぬ気でやっているとは思いますが・・

それぐらい高校の数が少ない。




では・・



中学校の数は・・?






・・・・知らねぇ。調べる気にもならねぇ。




では・・・・



小学校の数なんかは・・?








・・・・知るわけがねぇ。知りたくもねぇ。






・・・・それでも、私が過ごした小学校や中学校の思い出を語ることは出来る・・・・いや、誰でもできるわ。






私が通っていた小学校は、県自体が田舎なのに・・・さらに田舎!田舎の中の田舎にあり、キングオブ田舎に存在していた。

クラスの数は全学年で6クラス。つまり1学年で1クラスである。(ちなみに数年前の新1年生は8人しか入学していないらしい)

そして、小学校を卒業するとみんな街の中学校に進学する。




もちろん中学校も生徒の数が少な・・・・いや!!めちゃくちゃ多かったわ!!!!

息をするのがしんどいぐらいに人が溢れていた。1学年に10クラスあり、1クラスに35人ほど、全体で1000人は軽く越えていた。


こんなに人数が多いと、人数の少ないスーパー田舎小学校を卒業して、街の中学校に入学してきた人間は良くも悪くも内面的に変化が起こる。


ちなみに私の行っていた小学校の卒業生は、街の中学校に入学し、数ヵ月後には2つの人間に分かれてしまう。



思っていたよりうまくいかず、暗い表情で中学校生活を送っている人間。

そして

思っていた以上に充実しており、明るい表情で中学校生活を送っている人間。

この2つの人間に分けられる。



実はこの「ど田舎の小学校を卒業して街の中学校に入学した数ヵ月後には2つの人間に分けられるパターン」について、私は小学校6年の頃に既に気付いていた・・。










・・・あれは私が小学校6年生の時の夏・・・



まだ「小学校」という小さなコミュニティしか知らない私は暑い夏の日の昼間、近所の同級生とキャッチボールを楽しみながら、夏を感じていた。(感じていた。という表現のキモさに自分で少し引いている)


そこに近所に住む1つ年上のヤマちゃんが自転車をこいでやってきた。ヤマちゃんは学ランの制服を着ていて、学校から家に帰る途中らしい。まだ中学校に入学して日が浅い為、制服はキレイなままだ。



ヤマ「よぉ~」

紋吉「ヤマちゃん!学校帰り?」

ヤマ「うん。今日は部活なくて早く帰れるんだぁ」

紋吉「じゃあ一緒にキャッチボールしようや~」

ヤマ「・・・・いや、帰るわ。疲れてるから早く寝たい」

紋吉「そうか~中学校って大変?」

ヤマ「・・・・別に」





暗く疲れた表情を浮かべヤマちゃんは帰っていった・・。




私は

「小学校時代は穏やかでニコニコしていたヤマちゃんが暗い表情になってしまうぐらいの中学校とは一体どんな・・・・」とまだ見ぬ中学校というものに若干の恐怖を感じた。




ヤマちゃんが帰った後もキャッチボールを続けていた私達の所へ今度はヨリ君が自転車でやってきた。


ヨリ君も1つ年上で近所に住んでいる中学1年生であり、こちらも学校から家へ帰る途中らしい。




ヨリ「お~い!!」

紋吉「ヨリ君!キャッチボールしよう!」

ヨリ「いやいやいやいや!ほんまに疲れてんねん!!勘弁して~~や!!」

紋吉「めちゃくちゃ元気じゃん!ウソつくなよ!」

ヨリ「いや、ほんまやで。小学生の君らには分からへんやろうけどな!」



明らかにヨリ君は元気だった。表情がイキイキしていたからだ。間違いなく元気だった。テンションも高かった。

というか、元気なことより目を向けるところはそこではなかった。



紋吉「ってか、なんで関西弁?」

ヨリ「あぁ~!やっぱ出てもうてるかぁ~!」

紋吉「?」

ヨリ「いや、ちゃうねんちゃうねん!こっちの方言だけでは中学校は通用せーへんねん!小学校の時はこっちの方言しか必要ないけどな!中学校は規模がちゃうねん!」

紋吉「・・規模?・・どういうこと?」

ヨリ「ほんま君らが羨ましいで!!・・ええか、中学校いう場所はな、色々な所から人が来るねん。関西や東京、北海道・・・・とにかく色々や!!」

紋吉「えっ!?まじ!?すげぇーー!!!」

ヨリ「せやで。ワシの周りには関西の人間がぎょーさんおるから、ワシも関西弁になってしもうたってわけやがな・・・・!」

紋吉「・・すげぇ」







当時の私は心が踊った。

確かに、様々な小学校から1つの中学校に人間が集まってくるという噂は聞いていたが、そこまでの規模だとは思わなかった・・。

しかも、ほんの4ヶ月ほど前までこっちの方言しか話せなかった人間を関西弁に変えてしまう程の魔力!!

とにかく心が踊った・・。

早く!早く中学生になりたい!!!

・・と本気で思った。ヨリ君の瞳も輝いて見えた。





ヨリ君を憧れの眼差しで見ていた時に

「おーい!」と声がした。


さっき帰ったはずのヤマちゃんが自転車に乗って再びコッチにやってきた。

ヤマ「やっぱ、おまえらとキャッチボールやろうかなって思ってさ~」





ヤマちゃんとヨリ君の2人が揃った。


ここから物語は一転する・・・・!

後半へ続く。(誰も見てないのに、まさかの2部制だぜ)