振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

中田の爺さん

こんちわ!桜田紋吉(もちろん仮名)です。意外とロマンチストです。

 

 

 

 

 

もう1月も半ば・・。

 

年明けの「明けましておめでとうムード」もすっかりなくなり・・。あっさりと普通の日々に戻っております。

 

 

 

 

穏やかで・・つまらない・・そんな普通の日々を過ごしています。平穏な冬・・。これは幸せなのか?

 

 

 

 

 

まぁ・・酒蔵で働いていた時は冬の忙しさが異常だったからな・・。

 

その時代と今を比べても仕方ないよなぁー。

 

寒い季節になるといつも思い出してしまいます・・酒蔵で働いていた時代を・・。

 

 

 

 

あぁ・・あの頃の思い出が・・

 

 

 

 

・・・・フラッシュバック!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで

 

今回の話は酒蔵に勤めていた時の話でーす!

 

 

 

 

 

 

 

当時二十歳そこそこの俺は酒蔵で日本酒製造を行っていた・・。

 

 

 

 

一緒に日本酒を造っていた仲間の中に「中田さん(もちろん仮名)」という70歳を越えたパワフル爺さんがいた・・。

 

見た目は「バガボンド」に出てくるキャラクターそっくりだった・・!f:id:oasis2018:20190115172101j:image

(このキャラの名前は忘れた。マジでそっくり。中田さんはヒゲは生えてない)

 

 

中田さんはとても筋肉質な身体をしており、姿勢もメチャメチャ良く「マジで70代!?ウソだろ!?」と入社した頃の俺は仰天した記憶がある。

 

俺はこの「中田の爺さん」が大好きだった。

 

膝・耳・目が少し悪いとはいえ・・・毎日元気でパワフルで声が大きく、周りの人間にも元気を分け与えているような最高の爺さんだった。

 

中田の爺さんが発する冗談やギャグも天下一品であり「トンチの効いた冗談」から「引くぐらいの下ネタ」まで・・引き出しの多さは他の爺さんメンバーとは次元が違っていた。

 

 

「いやー!今日は天気がいいなー!こんな日は美人ちゃんなんかと【野チョンチョン】すると最高だろーなー!」※ちなみに【野チョンチョン】は昔の方言で【野外S◯X】らしいです・・。

 

 

「最近の女の子は小学生ですら色っぽいな!たまに登校中の女の子見ると股間が反応しちまうのよ!・・・・あっ!もう反応しても立たないチ◯ポだったー!!がっはっはっはっはっ!!」※場所が場所なら発言した瞬間に捕まります・・。

 

 

「俺の足の匂い嗅いでみ?甘い匂いするんだよ。嗅いでみ?・・・・なっ!甘いだろ?」※ちなみに嗅いだら普通の足の臭さでした。臭かったです・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・はっ!中田の爺さんの「トンチの効いた冗談」が思い出せない!!

 

中田の爺さんの下ネタ発言しか思い出せない!!

 

・・・ってか発言の8割は下ネタだったような気さえしてきた。

 

 

 

 

 

・・・・まぁ、どっちにしろ普通の70代ではなかった。桁外れの爺さんだった。

 

一緒に仕事していると常に笑いに包まれた現場になり、楽しく過ごすことが出来るので俺はよく中田の爺さんと作業をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

そして・・あの日も・・

 

俺と中田の爺さんの二人で作業をしていた。

 

 

 

すると・・そこへ・・

 

 

 

酒蔵の社長がやってきて・・

 

 

 

「あのさぁ~明日、酒蔵見学」

 

 

 

と一言だけボソッと伝えて事務所へ消えていった・・。

 

社長は口下手な人間で、何かを説明したり教えたりするのが凄い下手な野郎だった。

 

 

つまり!通訳すると・・・

 

 

「明日は酒蔵を見学するお客様がいらっしゃるので掃除や整理整頓ヨロシク!」

 

と社長は言いたかったのだ。(それにしても一言で済ませる雑さよ)※余談ですが、世の中には物好きがいるようで酒蔵を見学しに来る一般の方が1ヶ月に数人はいた・・・。「酒」が好きな気持ちは分かるが「酒蔵」を見学したい気持ちが俺には理解不能

 

 

 

 

いきなり「明日は酒蔵見学」という情報を与えられた俺は中田の爺さんに愚痴をこぼした・・。

 

「いやいやいや・・・・この時間に言われたって困りますよねぇー。もう夕方ですよ。面倒だなぁ。早く言ってくれりゃいいのに」

 

 

中田の爺さんは俺の顔をガン見しながら

 

 

「本当に明日来るのか!?本当か!?」

 

 

と謎に何回も聞いてきた。

 

 

「明日って言ってましたよ。面倒ですねぇ」

 

と再度、中田の爺さんに伝えると・・

 

 

「本当に来るのか!?本当か!?」

 

 

・・と、また聞いてきた。

 

しかも中田の爺さんのテンションが何故か段々と高くなっていった・・。

 

何度も同じことを高いテンションで聞いてくる中田の爺さんに若干イラッとした俺はぶっきらぼうに・・・

 

「この前も来たやん。マイクロバスで来たけん、バスが邪魔で自分の車が動かせんって話したやん。」

 

と冷たく言った・・。

 

 

「えっー!!!!あの時も・・・来てたのか!?うわぁ・・そうだったのか・・。」

 

 

中田の爺さんは意味不明なリアクションをカマし続けてきた・・。

 

そして

 

最後に最大級の意味不明な言葉をポツリと漏らしたのを俺は聞き逃さなかった・・。

 

 

 

「そうか・・。明日来るのか・・。今日は積文館に寄って色紙買わないとな・・。」※ちなみに【積文館】とは近所の本屋さん。文房具等の取扱いも多数だよ。

 

 

 

 

 

???????

 

 

 

 

 

 

 

色紙を・・?買う・・?

 

 

・・・・????

 

 

 

 

 

 

最強に意味不明な言葉とリアクションを連発しまくっていた中田の爺さん・・。

 

 

 

 

俺の頭の中は「?マーク」でいっぱいだったが・・・

 

 

 

 

彼が何故そのような状態になってしまったのか理解するのに時間はそんなに掛からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中田の爺さんは・・

 

 

 

 

とんでもない聞き間違いをしていたのだ・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「酒蔵見学」(さかぐらけんがく)を・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高倉健が来る」(たかくらけんがくる)と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【「高倉健が来る」じゃなくて「酒蔵見学」ですよ】と中田の爺さんにちゃんと伝えたところ・・・・

 

 

中田の爺さんはショックを隠せずにテンションがガンガンに下がっていた・・。

 

 

 

次の日

 

 

 

 

中田の爺さんは体調不良で欠勤した・・。f:id:oasis2018:20190116134703j:image

(中田の爺さんがショックだったのも無理はない。爺さんは高倉健菅原文太任侠映画が見たくてスカパーに加入している男だったからだ。最高の爺さんだよね)