振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

かっちゃんの話。後編

こんにちは!桜田紋吉(もちろん仮名)です。今年は東京オリンピックがありますが私は何の競技にも出場しません。






本日の『は?』ですが・・・






漢字の「開」と「閉」って


意味は全く逆なのに


遠目で見ると同じに見えません?





意味が類似しているなら許せますが


真逆の意味なのにシルエットが似てるってふざけんなよ!


ウチの職場にスイッチが何個もついているマシーンがあるのですが


いっつも「開」と「閉」のスイッチを間違えそうになります。(スイッチに表示してある文字が小さいからっていうのも理由の一つだけど)





というわけで


今回の『は?』は・・・


『は?もうオシャレに「open」と「close」にしちゃえよ!』の『は?』でした。











では・・・




前回の続きです。










前回のブログはコチラ↓
かっちゃんの話。前編 - 振り返ればオアシス!













自分から二年生を睨みつけたはずが


まさかの


泣いてしまった『かっちゃん』・・・。








その場にいた全員が・・・


『えっ?』という表情になり・・・


何とも言えない空気が流れた・・・








その瞬間・・・!










かっちゃんが泣きながら・・・







叫んだ!!!















「腹がぁぁ減ったのでぇぇぇ!」(泣きながら叫んだ)







「大声が出せましぇんんん!!!」(何回も言うけど泣きながら叫んだ)









かっちゃんは叫んだ後・・・


また『シクシク泣き』のモードに入った。











・・・・えっ?


・・・・どうした!?


どうしたんだよ!かっちゃん!!!


マジかよ!!!








もう






完全にやっちゃったな!!!




その言葉のせいで・・・


全員の表情が『えっ?』から『ウソつけ!』に変わってるから!


完全に『やっちゃってる』から!


やらかしてますから!








その証拠に全員が笑いそうになってんだよ!


しかも誰かが小声で


「いや『大声が出せない』って大声で言ってるし」


って正確なコメントしてんの聞こえたもんだから


なおさら


笑いそうなんだよ全員が!











頼む!!!マジで頼むわ!!!


頼むからこの雰囲気を早く察知してくれ!!!


謎に被害者を演じてるけど・・・


もう無理だぞ!!かっちゃん!!!








この平成ど真ん中に・・・


『腹が減って声が出ない』は無理があるって!


戦時中で食べ物不足している時代ならギリギリ分かるけど・・・


昼間に普通に給食パクパク食べてんだからさ!








しかも


『腹が減って声が出ない』ってさ・・・












「顔が濡れて力が出ない」でお馴染みの


アンパンマンのセリフとダブって聞こえちゃう!余計に笑いが込み上げてくるから勘弁して!












かっちゃんが泣き叫んだ後の体育館は


全員が『ウソ丸出しだから笑いたいけど泣いてるから笑っちゃいけないよな?でも・・・どうするコレ?』


という中学生には対処不能な状況に陥っていた。








正直・・・


かっちゃん本人が一番困っていたと思う。








多分、かっちゃんの今までの心境の流れはこんな感じだ。


二年生がムカつく。反抗してやる。

予想以上に怒鳴られる。

恐怖で泣いてしまう。

自分でも予想外に泣いてしまったが、恐怖で泣いたとは思われたくない。

それでも二年生に反抗したい。

(恐怖で泣いたとは思われない)+(二年生が反省する)ようなセリフを言って一石二鳥にしたい。

そうだ。自分は被害者なんだ。しっかり被害者だと思われるようなセリフを言わなきゃ!

あっ!『声が出ないほど腹が減っている』のに声出しを強要しないでくれ!俺はギリギリの状態なんだ!っていう感じでいこうかな。

で、発言してみた。「腹が減って声が出ましぇん!」

よし!これで全員が同情してくれるだろう。

ん???あれ?何この感じ?

もしかして・・・ウソってバレてる?

恐怖で泣いたことも、腹が減って声が出ないってウソもどっちもバレてんのか?

とりあえずシクシクと泣き続けるしか道はねぇ!もう泣くしかねぇ!←今ここ











・・・・うん。間違いない。


かっちゃんを幼い頃から見ているが


多分この心理分析で間違いないと思う。









勝手に一人で『かっちゃんの心理分析』を進めていたところ・・・










「おい!一年!俺達もう帰るからな!おまえらも帰っていいぞ!」


この状況に辛抱できなくなった二年生の誰かが先頭を切って帰宅し始めた。


その人を先頭に一気に二年生の全員が体育館からいなくなり


体育館には一年生だけが取り残された。








二年生がいなくなってもシクシクと泣いているかっちゃん・・・。


正直、すでに・・・


かっちゃんの目から涙は明らかに出ていなかったのは分かっていたが(途中から涙が出ている感じゼロだったからね)


誰もが『確かにここまできたら、もう泣き真似するしかないよな・・・。』と


かっちゃんの演技に近い『泣き』に付き合うつもりでいた。










・・・・しかし!!!








仲間と思っていた一年生の中に空気が読めない奴がいたのだ!


ソイツはかっちゃんに対して真面目な顔して問い始めた・・・。







「おい!かっちゃん!」


「・・・。」←何も喋らないかっちゃん













「ウソだろ?腹減っているからって声が出せないわけないよな?何してんだ?」













・・・いやいやいや!天然が爆発してるよ君!


それ本人に聞いちゃダメ!


もう察してやってよ!


すでにかっちゃんは『シクシクと泣いた演技しながら無言を貫く』しか選択肢がないんだよ!


でも・・・


見ている分には最高に面白いよ!勘弁して!









そして・・・









マジでもう無言を貫けばいいのに・・・


またかっちゃんが謎の行動をやりだした・・・。












「ぜぇ・・ぜぇ・・ぜぇ・・」








かっちゃんが


ぜんそく』みたいな呼吸をし始めたぞ(笑)








もう勘弁して(笑)










「ぜぇ・・ぜぇ」と呼吸しながら


かっちゃんは口を開いた。









「ほん・・と・・うに・・腹が減って・・るんだ・・」






もうコントにしか見えなくなっていた。


見ているコッチが最高に恥ずかしくなるやつが今ここで行われている。


フリーザにボコボコにヤられた時の悟空のような声の出し方で意味不明なアピールをするかっちゃん。












しかも・・・かっちゃんが・・・










ヨロヨロとゆっくり歩き出した(笑)


どこで何のダメージ受けたんだよ(笑)









もう何のアピールかすら不明だ。











マジで何がしたいんだ君は!!!


すでに泣いてもいないし!!!


嘘に嘘を重ねて意味不明になってる!!!












俺は心から思った・・・



『かっちゃんと今日は一緒に帰りたくねぇ!』











一年生の仲間の誰かが


「もう帰ろうぜ」


と言ったのを皮切りに


全員がコントに付き合うのがバカらしくなったのか


無言でバラバラに帰宅し始めた。


かっちゃんはどっかのタイミングで気配を消したのか気付いたら帰宅していた。









『うわぁ~。かっちゃんと明日からどんな顔して付き合えばいいんだろ・・・』


俺は悩みながら帰宅した。(その日は一人で下校した)










帰宅して・・・


風呂に入り・・・


夕飯の時間になった・・・







俺の目の前で親父が夕飯を食べていた。


「あっ!そうそう。そういえばさ・・・」


親父が何かを思い出したように俺に言ってきた。


「・・・・何?」











「2時間ぐらい前にさ、中学校からの下校途中だと思うんだけど、自転車に乗った『かっちゃん』を見かけたぞ。俺は反対車線で信号待ちしてたんだけど。」(ご近所だから親父はかっちゃんのことを知っている)


「・・・・えっ!?」


「で、かっちゃんも信号待ちしててさ・・」


「うん!それで?それで?」(興味津々)













「白目を向いて空を見上げてたぞ。」









もう最高だよ。かっちゃん。


白目て(笑)











「白目?空見上げながら白目?」(笑いを堪えるの必死)


「そうそう。白目だったんだよ!で信号が青になった瞬間に・・・」


「で?どうなったの?」(興味津々)











「信じられないぐらいの速さで爆走してたぞ。立ち漕ぎで。」


「・・・・ふっふっ。」(笑いを堪え中)









俺は親父に今日起こった『かっちゃん腹が減って声が出せましぇん事件』を語った。


親父は


口に含んでいた味噌汁をテーブルに吹き出していた。(笑いを我慢できなかった模様)







かっちゃんのおかげで


親父との距離が縮んだ気がした。










翌日・・・


かっちゃんに


「昨日、あの後大丈夫だった?」


と聞いたら


「は?何のこと?」


と言われたので


『聞かれたくないんだな』と察し


俺は『あの事件』については一切触れないようにした。











でも・・・


やっぱり本人の口から『あの事件』について語ってほしいと思い・・・


数ヶ月経ってから聞いてみた。







「あのさ、かっちゃんが数ヶ月前に『腹が減って声が出ない』って言ったの覚えてる?」


「は?何のこと?」


「ほら!『声出し』の時にさ・・・」


と俺が言っている時に


食い気味で


「俺さ!記憶が無いんだよね!」


「・・・・は?」


「何日か前にさ、タンスで頭打って記憶無いんだよね!数ヶ月間の記憶が無くなったの!」










・・・さすがです。お見事。


この『薄い嘘を重ねる』のが彼の真骨頂。


とにかく嘘が薄いんだよね。







あまりの嘘の薄さにイラッとした俺は


「記憶無いなら次の期末試験は0点だろうね」


と言ってやった。(これぞカウンター)










かっちゃんは顔を真っ赤にしてた。



















なんだこの思い出。
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(その後かっちゃんはバレー部を退部して他の部に入部した。そっちでイキイキとして楽しそうだったから安心したのを覚えている。とにかく嘘が薄い。そのくせ嘘を重ねる。結果的に意味不明になる。それが『かっちゃん』である。最高だ)