振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

芝浜って知ってますか?

お疲れ様です。桜田紋吉(もちろん仮名)は私です!今回もシクヨロでヨロシクです。







本日の『は?』なんですがぁぁぁ






俺の職場の『元・部長』が(定年で部長職から降格した)


部長だった時代によく言っていた言葉があるんですが


「上には上の大変さがあるんだよ!上の立場も考えてみてくれよ!」


みたいなことを立場が下の人間に偉そうに語る場面が多々ありました。







皆さんの周りにもいませんか?


この雰囲気を出す上司や先輩が。


ってか、どの会社にもいますよね。こんな感じの人間。







もう俺が一発で刺し殺す言葉を今から言いますけども・・・


「うるせぇよ、分かるわけねぇだろ。上になったことないんだから。でもアンタは下だった時代があるよな?だったら下の立場の人間の気持ちを考えろよ。そっちの方が平和に仕事が進むから。自分は尊敬されてるとでも勘違いしてんのか?」


・・・まぁこんな感じです。






というわけで本日の『は?』は


『は?本当はこんな愚痴臭いことブログで書きたくないんだよ!』の『は?』でした。


なら書くなって話ですけど。











さて、本題に入ろうかな。


と言っても・・・


書きたいことが多過ぎて困っている。






『今までの人生の流れ』を書くか


『バカなエピソード』を書くか


『ムカついている事柄』を書くか


『職場のイズピンと元部長のこと』を書いてストレスを発散するか


『職場の人間が60歳以上だらけで自分の感性が古臭くなりそうで心配』って内容のブログを書いて、こんなこと書くんじゃなかったと後悔するか


・・・等々




本当に書きたいことが多くて困る。







もう、こんな時は・・・


あえて『書くつもりがなかったこと』を書くしかない。


むしろ


『書くつもりもないし、俺が書く必要すらない』ってことを書く。








・・・となると


これしかない。










『落語を知らない人に教えたい・・・【芝浜】のカッコ良さを!』


これだ。これしかない。






あまりにも有名な噺なんで知っている人はスルーでもちろんオッケー。


ってか


落語の知識が少しでもある人は100%知っているレベルの噺なんで


今さら感が凄いのは承知の上です。






それでも


この現代社会は・・・


『落語、1ミリも知らん』って人は結構います。


そんな人にこそ【芝浜】を伝えたい。


むしろ


そんな人用に桜田紋吉(もちろん仮名)の勝手な解釈で【芝浜】を書いちゃう。


ガチの落語サイトとかだったら意外と難しい単語や表現があって読みづらい可能性もあるし。


なので


現代っぽい表現でいっちゃおうかな!






あっ!


さっきから【芝浜】って何回も言ってるけど


無数にある落語のネタの中の一つに【芝浜】ってタイトルの噺があるわけよ!


なんで【芝浜】って名前なの?とかは無視していいから!芝浜って地域で起こった噺だから【芝浜】ってタイトルになってるだけ!










では・・・・


【芝浜】スタート!!!












この物語は『とある夫婦』が主人公だ。


どこにでもいそうな夫婦だが


とても生活に困っている。


なぜ困っているかと言うと




『旦那が酒ばっか呑んで働かないから』




もはや今で言う『アル中』の域だ。


元々、魚屋で働いていた旦那だが


今は酒に溺れて『THEダメ人間』になってしまっている。






そんな旦那にイラついている嫁が


「おい!いい加減に働け!市場にでも行って仕事探してこい!」


ついにぶちギレる。







仕方なく朝イチで市場へ向かう旦那。


しかし市場の開場時間より早く到着してしまい


時間が来るまで暇潰しをすることになった。


とりあえず浜辺で一服していると


落ちている革の財布を発見!


中を覗くと・・・







とんでもない額の大金!


「こんな大金があったら働く必要ねぇだろ!遊んで暮らせるし!」


と大喜びの旦那。


すぐ帰宅し


「おい!よく見ろ!」と嫁に大金入りの革の財布を見せる。


「どっ・・・どうしたのそれ?」


あまりの大金に驚く嫁。


「拾ったんだよ!この金がありゃ二人で遊んで暮らせるぞ!というわけでさっそく酒呑んでくるわ!」


即効で旦那は酒を呑みに行った。









呑んで呑んで呑みまくる旦那。


そりゃそうだ。遊びまくれる金が急に舞い降りてきたんだから。


とにかく呑む!呑む!呑む!









で寝てしまった。


「はっ!」と目が覚めた時には家の布団の中にいた。






「あぁー・・・よく寝た。しかし昨日は最高だったな!呑みまくっても金は余りまくってたし!」


「よし!また今から呑みに行くかー!」


「おーい!嫁よ!昨日の大金持ってこい!」






ご機嫌な気分で嫁を呼ぶ旦那。


それに嫁が答える。








嫁「え?なに?」


旦「なに?じゃねぇよ!昨日の金!早く渡せって!」


嫁「・・・ん?何のこと?」


旦「だから!金!昨日拾った財布!」


嫁「・・・私、悲しいわ。。。」


旦「何が悲しいんだよ!おまえも昨日の金で好きな物でも買えばいいじゃねぇか!好きなだけ買っちゃえよ!」


嫁「・・・とうとう分からなくなってきてるのね。悲しいわ。」


旦「なんだよ!分からないって!俺はおまえの言ってる意味が分からねぇよ!」


嫁「アンタが夢と現実の区別が分からなくなっていることに悲しんでいるのよ。」


旦「・・・えっ?夢と現実?えっ?」


嫁「・・・そうよ。夢の中で金持ちにでもなったの?ウチには最近ずっと1円も無いわよ。」


旦「・・ウソだろ!?夢?夢かよ。。。」


嫁「ウソじゃなかったら家のどこに大金があるって言うのよ!いい加減にしなさいよアンタ!・・・もういいわよ。もういい。そこまで酒で狂った人間になっていたとはね。泣けてきたわ。」


旦「・・・・マジかよ。」









旦那の頭が狂い始めたと泣き出す嫁。


そんな嫁を見ながら自分自身に引いている旦那。







そんな旦那が決心する。


「・・・よし。酒やめる。真面目に働く。」


嫁は『どうせウソだろ』と信じていなかったが






元々は魚屋の旦那。


しかも意外と手先が器用な方だから仕事に対して本気になれば伸びる伸びる。


どんどん仕事を任される人物になり


休日返上で頑張りまくった。


頑張って頑張って頑張って・・・


ようやく


酒に溺れる前の夫婦生活を取り戻すことが出来たのは


酒をやめて三年後のことだった・・・。












酒をやめて『三年が経った年の大晦日』に旦那が嫁に向かってゆっくりと語り出す・・・。










旦「こんな穏やかな大晦日を過ごせるってウソみたいだなぁ。」


嫁「本当よね。」


旦「おっ。除夜の鐘が聞こえてきたぞ。いい音だなぁ。あの頃のまま酒に溺れていたら鐘の音なんか聞く余裕もなかっただろうなぁ。」


嫁「アンタが三年間しっかり頑張ってくれたおかげで穏やかな大晦日を過ごすことが出来るのよ。本当に感謝してるわ。ありがとう。」


旦「いやいやいや!感謝とかすんなよ!俺のせいで生活苦だったんだから。感謝するのは俺の方だよ。よく俺を見捨てないで横にいてくれたなぁ。本当にありがとう。おまえが俺を変えてくれたんだよ。」


嫁「確かに酒をやめてからアンタは人が変わったように真面目になったわね。・・・惚れ直したわ。」


旦「よせよ(笑)気持ち悪い(笑)」











三年間、毎日毎日休まず働いて


久々にゆっくりしていた大晦日の夜。


この調子で来年も頑張ろうと決心していた旦那に


次は嫁が語り出す・・・。












嫁「あのね・・・アンタに見てもらいたい物があるんだけど。。。」


旦「おっ!なんだ?俺へのご褒美か?(笑)」


嫁「・・・これ。見覚えある?」










嫁の手元には


あの日の『大金が入った革の財布』が・・・










旦「・・・ん?なんだこれ?・・・うわっ!とんでもない大金が入ってるじゃねぇか!!!」


嫁「思い出した?」


旦「・・・えっ?貯めたのか?凄いなおまえ!」


嫁「違う違う!ほら!アンタが拾ってきた財布!」


旦「俺が拾った・・・?ん?・・・あっ!あれか!思い出した!思い出した!」


嫁「そうよ。あの日アンタが拾ってきた財布よ。」


旦「・・・おいおいおい。夢じゃなかったってことかよ。」









動揺を隠しきれない旦那・・・


そんな旦那に対して嫁が・・・









嫁「ほんっっとうにゴメンなさい!騙すつもりはなかったの!」


旦「・・・・・。」


嫁「この大金を渡すとアンタまた酒に溺れて自堕落な生活のまま何も変わらない気がして・・・だから私『すべて夢だった』ってことにしたの!」


旦「・・・・。」


嫁「でもアンタが真面目になればなるほど真実を言えなくて・・・真面目になっていくアンタを見ているのが嬉しくて・・・だからずっと隠してたの!ゴメンなさい!こんな嫁でゴメンなさい!」


旦「・・・・よくも・・・・騙してくれたじゃねぇか。」


嫁「本当にゴメンなさい!」


旦「・・・・やっぱ最高の嫁だぜ(笑)」







嫁「・・・・えっ?」


旦「確かにおまえが言うとおり!絶対あの時に大金を持っていたら俺は人として終わってたよな!いい判断だと思うぜ。」


嫁「えっ?怒らないの?」


旦「怒る理由がないだろ。こうやって穏やかに大晦日を過ごせるのはおまえのおかげなんだから。感謝してるぜ。」


嫁「・・・・あっ・・ありがとう(泣)」


旦「いやいや!泣くなよ!」


嫁「本当にありがとう。」









意外な真実を告げられた旦那だったが


もう真面目な人間に戻っているので


『大金で遊ぼう』とか『あの時に大金を渡してくれていたら働かずに済んだのに』


なんて考えは微塵も浮かばなかった。


ただただ嫁に感謝。この気持ちだけだった。









嫁「・・・じゃあ、もう一つ報告があるんだけど。いい?」


旦「・・・・えっ?また何かあんのかよ?もう驚くのは勘弁だぜ・・・。」


嫁「ちょっと待ってて!持ってくるから!」


旦「・・・・持ってくる?」








内心『マジでもういいから状態』の旦那だったが


嫁が持ってきた物を見て


またもや驚いた。








嫁「・・・ふふふっ。今日買ってきたんだ。」


旦「おまえ!そっ・・・それは・・・」


嫁「そう!お酒よ!一升瓶!」


旦「おいおいおい・・・それはダメだろ?」


嫁「たまにはいいじゃない!アンタ三年間努力したんだから。」


旦「いやいやいや・・・。」








嫁の気持ちは嬉しいが


過去に何度も酒で失敗した実績がある旦那は複雑な表情を浮かべた。


そんな旦那を見て


嫁の説得が始まる。










嫁「今日だけ!今日だけ呑めばいいじゃない!せっかく買ってきたんだし。」


旦「そりゃ呑みてぇよ俺だって!でも俺が酔うとダメになるって分かってるだろ?」


嫁「今日だけダメになればいいじゃない!1日だけダメ人間になってもバチは当たらないわよ!」


旦「そっ・・・そうかぁ?」


嫁「そうよ!それに私が三年間も真実を話さなかったから・・・その償いの一つとしてアンタには今日ぐらい呑んでほしいのよ。」


旦「・・・なるほどなるほど。俺が呑んだ方がおまえは喜ぶってわけだな?」


嫁「そう!呑んじゃえ!酔っちゃえよ!ベロンベロンになってもいいわよ!」


旦「・・・もう仕方ねぇーなぁ(笑)」










『本当は死ぬほど呑みたい』のに『嫁が喜ぶなら呑む』という理由にすり替えて


とうとう呑む決心を固めた旦那。










ニコニコ顔で嫁が盃(さかずき)に酒を注いだ。


嬉しそうに盃(さかずき)を受け取る旦那。









旦「うわぁ・・・。この匂い・・・泣きそうなぐらい久々だ・・・。」


嫁「よく三年も我慢したわね。偉いわ。」


旦「ドキドキするぜ俺。昔の恋人に遭遇しちまったみてぇだ。」


嫁「何言ってんのよ(笑)」


旦「おい!本当に呑んでいいんだろうな!?呑むぞ今日は!」


嫁「いいわよ!ベロンベロンになっちゃえ!」


旦「・・・・・ありがてぇ。」









旦那は手に持っている盃(さかずき)を口元まで近づけた。








旦「・・・本当に呑むぜ。もう知らねぇぞ。」


嫁「いいわよ。たくさん呑んじゃえ!」


旦「・・・・。」


嫁「遠慮せずに呑みな!」


旦「・・・・。」


嫁「ほら!呑みなって!」


旦「・・・よし!呑むぞ!」











旦那は一気に酒を呑もうと


口に盃(さかずき)をつけた・・・












・・・・が!


呑まずに口から盃(さかずき)を離した・・・









旦「やめた。やっぱ呑まねぇわ。」


嫁「なんで?どうしたの!?」











盃(さかずき)を手から離し・・・


旦那が一言だけ呟いた・・・










「また、夢になるといけねぇ」





~~~~~~【芝浜】おわり~~~~~~









・・・・どうすか?最後のセリフどうすか?


めちゃくちゃカッコ良くない!?


「・・・・また夢になるといけねぇ」って反則ですばい。カッコよかー!


人間の弱さや優しさが詰め込んである【芝浜】が俺は大好きです。


世間では立川談志の【芝浜】が震えるほど良いって評価ですが


俺はそれほど良いとは・・・あっ。すいません。素人がマジすいません。
f:id:oasis2018:20200217175410j:plain
(俺さ・・・今だから思うけど高校卒業したら10年ぐらい落語家さんに弟子入りしてもよかったかもなって感じるんだよね。10年経っても28歳なわけだからさ。28歳で落語がダメになっても、まだ28歳だからね。今の人生に後悔はしてないけど『俺の人生、つまんねぇ人生だな』とは思っているからさ)