振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

川藤幸三という愛された男。

こんにつわ!桜田紋吉(もちろん仮名)とは私のことです。よろしくお願いします。





最近の口癖は「車にこだわって独身時代は高級車に乗ってた奴って結婚して家族が増えて生活費の為に軽自動車に乗り換えた後に『もう軽自動車で充分!』っていうセリフを絶対に言うよね!」です。


分かってますよ。本当は『軽自動車で充分』だと思ってないでしょ?


「最近の軽は馬力が凄いから!」とか「こんなに車内が広いなら軽自動車で別にいいと俺は思ったな~!」みたいなセリフを付け足してらっしゃいますけど


ほんとは違うだろ?


車に対する妙なプライドが「軽自動車しか買えませんでした!」っていうセリフを言えなくしてんだろ?


ふふふっ・・・図星だな?


そんな人にはっきりと言っちゃおうかな。








おまえがどんな車に乗ろうが誰も興味ないよ。










・・・はい。


本題に入りましょうかね。







前回まで俺の二十歳前後の時期を振り返るブログを書いていました。


細々と書いているので「まだ東京に住んでないんかい!」ってブログの進み具合の遅さに自分でも驚いています。


でも鮮明に覚えてしまっている記憶なので細々と書いちゃうんですよね~。仕方ないよね~。


しかも


毎回は疲れます。自分の過去を振り返って書くのは疲れます。(前も言った)


過去の栄光の話なら別ですが(そもそも俺の過去に栄光は1ミリもない)


どんよりとした過去の話は疲れるよね~。








ってことで。


今日は大好きな野球に関する話でもしようかな。


自分のテンションも上がるしね。













では・・・さっそく・・・










皆さん・・・






このおっさん知ってますか?
f:id:oasis2018:20200605184632j:plain
(失礼を承知の上で「おっさん」と言ってます)









名前は川藤幸三(かわとうこうぞう)


今年で71歳の元野球選手だ。


ポジションは外野手であり、主に代打の切り札として活躍した。


現役時代は阪神タイガースに19年間も所属し、阪神のコーチ歴もある有名な元選手である。


というか


野球好きの人やタイガースファンの人には説明するのも野暮な程に有名人なので


俺が今から語るのも恐縮ではあるが・・・


とにかく


俺は川藤幸三が好きだ。


たまらなく好きだ。










しかし・・・


川藤は俺が生まれた翌年には引退している。


つまり俺は現役時代の川藤は見たことがない。


なんなら『本物の川藤』より『松村邦洋がモノマネする川藤』を先に見たと思う。(松村がやるモノマネは似すぎて憑依しているかのよう)








きっかけが何だったかは忘れたが


川藤という男を調べれば調べるほど


【こんな選手はもう二度と現れない】と強く思う。


本当に魅力に溢れた選手だ。








まず・・・


19年間も阪神タイガースに所属しておきながら


一度もレギュラーに定着したことがない。


19年間で一度も・・・だ。


一度も定着していないのに19年間も阪神タイガースに居れたのだ。


この時点で『ただ者ではない』雰囲気が充満している。







そして・・・


19年間で放ったヒット数が・・・









211本だ。


もう一回言おう。


19年間で【211本】だ。


・・・あっ!川藤は投手じゃないですよ!







ちなみに


イチローは大リーグで19年間プレーした。


19年間で『3089本』打っている。


1年間で『262本』打った年もあった。







川藤は19年で『211本』で


イチローは1年で『262本』だ。


もうイチローが凄いのか、川藤が凄いのか分からなくなってきた。


川藤は代打要員だったという点を差し引いても驚愕の数字だ。







そんな川藤がどうして19年も選手生活を送れたのか?


それは・・・









【愛されたから】だ。


とにかく愛されたのだ。


ファンに。チームメイトに。阪神タイガースに。


その証拠として・・・


こんな成績(失礼)なのに今では『阪神タイガースOB会の会長』に就任している。









では『なぜ愛されたのか?』を考えていきたい。


・・・いや、考えるまでもない。


一言でいうなら『キャラクターが最高』だからだ。


キャラが【THE大阪のオッチャン】だからだ。









こんな出来事があった・・・


オールスター戦に選ばれて出場した川藤は珍しく(失礼)長打を打った。


『おっ!川藤!これは飛んだ!オールスターで二塁打か!』と見ている全員が思った。


・・・が


とにかく足が遅い。びっくりするほど遅い。


余裕で二塁タッチアウト。


そんな川藤の姿に客も選手もアナウンサーも解説者も大爆笑。(YouTubeに映像あるので気になる人は検索してちょ)


直後のインタビューで


「見事な二塁打を放った川藤選手です!」


とイジられた川藤が照れ笑いを浮かべながら


「じゃかましいわ!!!」


と吠える姿は完全に大阪の飲み屋の親父だった。








・・・って、サラッと書いたけど


凄くない?地味に凄いことじゃない?







インタビューする側が選手をイジって(愛され過ぎだろ)


イジられた選手が全力で「じゃかましいわ!」ってツッコミ入れる光景って凄くない?


プロ野球の歴史でインタビュー中に「じゃかましいわ!」のツッコミ出したの絶対に川藤だけだろ。今じゃあり得ないし川藤以外ではあり得ないよコレ。







この逸話だけでも川藤が皆から愛されているのが伝わるが


特大に愛されているのが分かるエピソードがある。








それは川藤が引退する3年前・・・


もう成績も残せない・・・年齢も高い・・・こんな川藤に阪神タイガースが出した答えは『戦力外通告』だった。


要するに『クビ』だ。


しかし


川藤は球団へ懇願しに行く・・・。





「給料は要らない。阪神で続けさせてくれ。金はホンマに要らんから。」と。


この気持ちにヤラれた阪神の上層部は


再び川藤と契約を交わした。








で!


こっからの展開が異常なのだ。








「川藤が金は要らんから阪神におらせてくれぇ!言うて再契約したらしいで!」


とファンの耳に情報が届く。


そして・・・


阪神ファンの著名人達が動き出す・・・!





「ヨッシャ!だったら川藤の生活費は俺達が出してやらなアカンな!」







上岡龍太郎(漫才師・2000年引退)を筆頭に多くの阪神ファンの著名人が川藤の為に金を集めた。


「生活費の足しにせぇ」と言われ多額の金を渡された川藤。


『どれだけ愛されてんだよ!』と言いたくなるが


川藤は・・・


「ありがたいけど・・・自分だけの為になんて使えません。」と言い


その金で甲子園の年間予約席を購入しファンを試合に無料招待し続けた。







・・・泣けるやんか。素敵やんか。


ホントにグッとくる。愛され方が尋常じゃない。









こうして皆から愛され続けていた川藤。


しかし


愛されてはいるが試合には出ない。レギュラーにも定着していない。


代打の切り札としてベンチで声を出す日々。


切り札として出番を待つ川藤。


待つ・・・とにかく待つ。


いつしか『待つことが川藤の仕事』と誰かが言い始めた。






試合中、ファンはそんな川藤を見て叫ぶ・・・


「チャンスの場面で川藤出さんかい!!!」


「代打、川藤や!出したれ!!!」


「川藤出さんかい!!!」







ファンの熱意が伝わったのか・・・


甲子園にアナウンスが響き渡る・・・


「XXに代わりまして、代打、川藤。」






どよめく甲子園・・・


アナウンスを聞いたファン達が・・・


一斉に声を上げる・・・










「ホンマに出してどないすんねん!!!」








これこそが川藤幸三なのだ。皆が愛したのだ。


試合には出ない。打てない。走れない。守れない。態度がでかい。(記者会見にタバコを吸いながら登場した経験あり)


それでも引退するまで


人望は阪神でナンバーワン。ファン人気も阪神でナンバーワンだった。









引退して約10年が経った川藤が


ビール(サントリー・モルツ)のCMキャラクターに選ばれたことがあった。





そのCMの内容は・・・


居酒屋で野球中継を見ているサラリーマンがテレビに向かって吠える。


「川藤出さんかい!!!」


そして川藤が代打で登場。


見事なフルスイングでもちろん三振。


そんな川藤を見ながらサラリーマンがポツリと呟く。


「ホンマに出してどないすんねん(笑)」








・・・本当にコントみたいなCMだが何故か泣きそうになる。


愛に溢れたCMだからだ。


『男のカッコ悪さを愛する』という優しさに溢れたCMだからだ。
(気になる人は見てみて→モルツ CM 川藤 ざこば - YouTube)







そして・・・


そのCMから数年後・・・






ある漫画家が野球漫画を書き始める。


その漫画家は阪神ファンだったので


登場人物に『阪神で活躍した選手』の名前を付けていった。




新庄・・・今岡・・・桧山・・・御子柴・・・




様々な登場人物に元阪神のスター選手の名前が付けられた。


肝心の主人公の名前は・・・







『川藤』である。













この漫画は大人気となり


後にテレビドラマ化された。


主人公の『川藤』を演じたのは佐藤隆太







その漫画の名前は『ROOKIES(ルーキーズ)』


漫画、ドラマ共に大ヒットを記録した。


よって


阪神の川藤』を知らない人でも『ルーキーズの川藤』は知っているのだ。









野球の成績を残せず『待つのが仕事』と呼ばれた男。


しかし


俺は川藤幸三の仕事は『愛されること』であったと思う。


そして


残したものは成績ではなく


『とにかく愛された』という実績だと思う。










こんな選手はもう二度と出てこない。


こんな奇跡の塊のような選手は出てこない。


・・・と思う。









だが・・・


俺はいつも期待している。


この先、凄い選手が現れるかもしれない。


この先、凄いドラマが見れるかもしれない。


この先、奇跡が起こるかもしれない。








ついに


6月19日にプロ野球が開幕する。


色々あって遅れての開幕。


こんな時こそ


何かが起こるような気がしてならない。


新たなスター誕生か?夢のようなドラマか?心を震わせる奇跡か?


また今年も期待している俺がいる。
f:id:oasis2018:20200610012504j:plain
(川藤は『ヤジ将軍』という別名も持っていました。この帽子の被り方にメガホンって・・・最高)