こんちは。桜田紋吉と申します。本日もヨロシクお願いします。
さっそく本題へ・・・
俺は小学生の頃、水泳の授業が好きだった。
ウチの小学校は田舎にあったので
プールはもちろん屋外。
太陽にガツンと照らされたプールで行われる水泳の授業が最高に好きだった。
授業が終わった後の
あの『なんとも言えない疲れ』もめちゃくちゃ好きだった。
あの疲れは他では体験できない。
俺は
クロールや平泳ぎは人並みに出来たのだが
背泳ぎは苦手だった。
もう笑っちゃうぐらい苦手。
とにかく真っ直ぐ進めない。
第1レーンからスタートしたはずなのに
ゴールした時には
第6レーンにいた。絶望した。
プールにはレーンロープが無かったので
自分がどこを泳いでいるかなんて
ゴールするまで背泳ぎでは位置確認不可能。
泳ぎながら見えるのは
雲ひとつない青空のみ。
当時の俺は落ち込んだ。
第6レーンだと気付いた瞬間に
マジで「これ夢?」と呟いてしまった。
俺なりに背泳ぎを必死に練習したが
独学では上達なんか1ミリもしなかった。
そこで俺は考えた。
『シンクロナイズドスイミング』が俺には合っているんじゃないかと。
(いつ見ても凄い競技)
なぜ『シンクロ』が俺に合っていると思ったのかは今でも謎。
『あれ?俺・・・出来るんじゃね?』と軽く考えたのだろう。
クロールや平泳ぎは
他の生徒の中にめちゃくちゃ速い奴がいたので
『俺はクロールや平泳ぎじゃない!シンクロで1番になる!』・・・という意味不明な思考だったと思う。
で
さっそく水泳の授業中に
シンクロの自主練を開始。
水の中に潜っては
両足だけ水面から出し
足を開いたり、閉じたり。
伸ばしたり、曲げたり。
そんなことを繰り返していた。
もう夢中だったよ。俺。
アホみたいに自主練してた。
息が続く限界まで水の中で逆立ちしてた。
ずっと逆立ち状態で両足をパカパカしてたもんね。
マジ夢中よ。
今思えばさ、当時って『ウォーターボーイズ』が放送される何年か前なんだよ。
ウォーターボーイズって『えっ!?男がシンクロすんの!?』みたいなリアクションがあった物語だったはずだけど
ウォーターボーイズよりも何年も前にシンクロに挑戦してた俺こそが・・・
『ウォーターボーイズの祖』だろ?
当時の俺の生き様から感化されて制作された物語じゃないの?ウォーターボーイズって。
妻夫木聡=俺ってこと?
ウォーターボーイズの物語の中では何人かの男子生徒がシンクロに挑戦してたけど
俺は1人だったからね。
指導者もナシよ。
選手兼監督なんだから。
シンクロの歴史に名が残ってもいいよね。
すでに殿堂入りだろ。
で
とにかく夢中になって自主練したね。
水泳の授業中だったけど自主練したよ。
水の中で逆立ちしまくった。
両足パカパカしまくったね。
そして驚いたね。
ふと我に返って周りを見渡したらさ・・・
誰もいねぇの。
1人もいねぇの。
すでに授業終わってやんの。
俺、2回目の「これ夢?」の呟きを発しちゃったよ。
ほんと焦ったよ。
プールに俺だけ取り残されてんだもん。
んで
プールの外をよーく見るとさ
全員が更衣室の方に歩いて行ってたよ。
先生は職員室がある方向に行ってたね。
俺は思ったよ。
『誰か俺がいないことに気付けよ!両足をパカパカしてたから誰かしらプールを見てたら気付くだろ!みんなヒドい!』って。
でもさ
冷静になって考えてみると・・・
多分・・・
両足が・・・
水面から出てなかったんだろうな。。。
つまり
ただ潜ってただけの状態だったんだろ。。。
ずっと潜ってただけのヤツなんだろ。。。
一生懸命に両足をパカパカさせてたけど
1ミリも水面から出てなかったんだろうな。
俺は
マジでキレイに足が水面から出てるつもりで
『これぞ、シンクロ!』の気分だったよ。
そっから先の記憶は無いよ。
どうやって更衣室まで行ったのか
完全に記憶を消去してる。
クソほど恥ずかしかったから。
ただ
潜り過ぎが原因なのか不明だが
その日の夜に
耳が強烈に痛くなって病院に行ったのは覚えてる。
耳に菌が入ったらしくて
その後、何度も通院した。
つまり
素人はシンクロには手を出すなってこと。
(いいよね。夏のプールと空って。)