振り返ればオアシス!

桜田紋吉(もちろん仮名)です。特に何のテーマも無いブログ《ノンポリブログ》です。過去のエピソードを書く時は事実を元にして右往左往しながら書いているので100%ノンフィクションかと言われたら胸を張って「知らん!」と答えるつもりです。

フェンスノムコウ

こんにちは。桜田紋吉(もちろん仮名)です。本日もよろしくお願いします~!








最近の口癖は「初診料っていつまでなの?ハッキリしてくれ!」です。


歯のメンテナンスが好きで3ヶ月に1度のペースで歯医者に行く俺なんですが


初診料を取られたり取られなかったりします。


1年ほど前に「初診料って前回から何ヵ月経ったら取られるんですか?」と質問したら


「約3ヶ月ですねぇー・・・」とアバウトな返答を受付の女性から頂きました。


で先週行ってきましたよ。歯医者に。


前回から『3ヶ月と1週間』経っての歯医者です。これぞ『約3ヶ月』ですよね。


結果・・・初診料ガッツリ取られました!ふざけんな!


受付の女性に「初診料って取られるんですね!」と明るく言ったら


「3ヶ月と1週間も経ってますからねぇー・・・」だとよ!!!


なーーにが『約3ヶ月』だコノヤロウ!!!


きっちり『3ヶ月過ぎたら初診に戻る』じゃねぇーか!!!


・・・でも待てよ。。。


過去には3ヶ月半経ってからメンテナンスに行った時に初診料取られずに『再診』扱いになってた・・・なんてこともあったぞ。


どうなってんだ?ルールがアバウトなのか?


ってか、そもそも『点数』で書かれた領収書をまず止めてくんない?何で病院とかの領収書って点数が書いてあってからの合計金額なの?あの点数の見方が謎なんですけど。


「今日は検査がありましたんでXX点ですねぇ」じゃねぇよ。


「XX点ですねぇ」を「XX円ですねぇ」に変えることは出来んのか?病気治す前にそこ直してくれんかね?(うるせぇ)


とりあえず違う歯医者に変えます。歯医者なんて世の中に無数にあるからよ!









では・・・


本題入ろうかね。。。










さっそくだが・・・


皆さんは経験したことがあるだろうか?


意外と多くの人が経験アリかもしれない。




何のことかというと・・・




子供の頃に友達数人と公園や運動場でサッカーとか野球をして遊んでいたら


遠くの方で知らないオジサンが黙ってボーッとコッチを見ているみたいなことなかった?


離れた所に設置してあるベンチに座っている知らないオジサンが黙ってコッチを見ているみたいな。


そのオジサンは不気味な雰囲気は少なくて


普通に俺達のサッカーとか野球を『観戦している人』って感じで黙って見ているんだよな。分かるだろ?


え?経験ない?


いやいや!あるはず!結構『あるある』だと思うけどなぁ!








で!


あのオジサンだけど・・・


あのオジサンは・・・









『俺』だ。


はい。俺だな。桜田紋吉(もちろん仮名)なんだよな。


今思うと・・・うん。俺。間違いない。











何故そう思うのかというと・・・


先日、息子(2歳)と近所の公園へ遊びに行った時のこと。


その公園には運動場も併設してあって


公園と運動場の間にはフェンスが設置してあった。
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(こんな感じね。画像はイメージですよ)








俺と息子は公園で遊んでいた。すべり台で遊ぶ息子を動画で撮ったりしながら。


すると


運動場の方から子供の声がワーワーと聞こえてきた。


ふとフェンスの向こうの運動場を見てみると


小学生らしき少年達がサッカーをして遊んでいた。








その瞬間・・・


俺の少年期の記憶がフラッシュバック!!!


気付けば数分間ほど少年達を目で追っていた。ガン見してしまっていた。


息子から「ねぇ!パパー!」と言われるまで


ずっと少年達を見ていた・・・。







「あっ!ゴメンゴメン!」


放置してしまっていた息子に謝りながら再び一緒に遊び始めた俺。


しかし


脳内には少年の頃の記憶が蘇ってしまっており


心臓がキュッと潰れそうになっていた。









蘇ってしまった記憶は・・・


小学生の頃の記憶・・・


三年生か四年生の頃だったと思う・・・







世の中は『Jリーグ』と『イチロー&松井』で盛り上がっていた。


その盛り上がりの波は田舎の小学生にも到来。


クラス中の男子が『サッカー部』か『野球部』に所属し始めた。(ウチの小学校には剣道部もあったので剣道をやっている子も数人いた)


マジで男子全員が部活をやっていた。







・・・俺以外の男子全員がね。


俺は過去のブログで書いたように『スポーツ禁止令』を親から出されていたので部活には入れてもらえなかった。(詳しくはコチラ→「スポーツ禁止」からの「スポーツしなさい」 - 振り返ればオアシス!)


スポーツ禁止の理由は『ケガをして勉強に支障が出るとダメだから』という理由だ。


もちろん今でも理解は不能だ。一生の謎だ。


とにかく当時はこれが辛かった。







何が辛いって・・・


『男子では俺だけが授業が終わった後にランドセルを背負う』ってことが本当に辛かった。







だって・・・授業が終わったら・・・


俺以外の男子全員が部活の準備をし始めてんだもん。


練習着に着替え始めたり、スポーツバッグを背負って部室に移動し始めたり、サッカー部だけで集まったり、野球部だけで固まって野球の話をし始めたり、昨日まで一緒に下校していた奴も輪の中に入って笑顔だったり・・・








そんな光景を


俺は見て見ぬ振りをしながら







一人ランドセルを背負い・・・


下駄箱で靴を履き・・・


そのまま一人で校門を出るのだ・・・







校門を出ると・・・


運動場の横の道路を通らなければいけない。


家に帰るにはその道路を絶対に通らなければいけないのだ。


運動場と道路の間にはフェンスが設置してある。











『フェンスの向こう側は見てはいけない。見たら絶対に悲しくなる。だから見てはいけない。』


俺は何度も自分に言い聞かせる。何度も何度も何度も。呪文のように。









でも・・・


毎日・・・見てしまうのだ。


悲しくなると分かっていても・・・見てしまうのだ。








毎日・・・


フェンスの向こうにはキラキラした世界が広がっていた。


さっきまで皆が同じ空間にいたはずなのに


この前まで一緒に下校していたはずなのに


もう皆はボールを蹴ったり、投げたり。


もう皆は叫んだり、笑ったり。


こんなに近いのに、めちゃくちゃ遠い。


フェンスの向こうは別世界。


俺が立ち入ることの出来ない世界。











『なんで俺だけフェンスの外なんだ』


『なんで俺だけ親が変なんだ』


『なんでこんなに辛いんだ』


『何も悪いことしてないのに』









フェンスの向こうを見つめながら


溢れそうになるモノをグッと堪えて


それでも『親に嫌われたら生きていけないから、言うこと聞かなくっちゃ!』と


強引に気分を変えて帰宅していた俺。






帰宅したらすぐに


母親の目の前で学校の宿題をやり・・・


母親が用意した計算ドリルを解かされ・・・


母親が買ってきた本を声に出して読む・・・


母親が本の読み方に感情が入ってない!と怒鳴れば最初から読み直して・・・


本を読み終えると感想を原稿用紙に書かされ・・・


その感想文が母親の気に入らない内容だった場合には赤ペンで修正する箇所にラインが引かれ、母親が気に入るまで書き直しとなる・・・


で、この後に夕飯をサッと済ませて英語の塾へと連れて行かれるのだ。(まぁ塾は週に一回だったけどね)




ちなみに余談になってしまうが・・・




さっきから言っている『母親から強制的に書かされた読書感想文』は


ごく稀に母親が大絶賛するような文章を俺が奇跡的に書くことがあった。本当に稀だけど。


そんな時、母親は俺を褒める。


褒め過ぎて「この感想文はね!絶対に担任の先生に見せなさい!アンタ、先生からめちゃくちゃ褒められて凄い生徒だと思われるわよ!」と超絶にイタい発言を母親はしていた。


母親があまりにも「担任の先生に見せろ」と言うので宿題でもないのに担任の先生に俺が書いた原稿用紙を渡したことがある。(渡された先生も困っただろうなぁ)


すると


担任の先生が気を使ってくれたのか・・・


『全国読書感想文コンクール』みたいな大会に俺が書いた感想文をエントリーして大会事務局的な場所に原稿用紙を送ってくれていた。


結果的に『◯◯賞』という詳しい名前は忘れたがトロフィーと賞状を同時に貰えるデカイ賞に選ばれてしまうという事件が起こった。


え?事件なの?嬉しくなかったの?と思われるかもしれないが・・・


嬉しいどころか・・・俺は死にたくなるぐらいの罪悪感に襲われていた。


俺にとってその読書感想文は母親の機嫌を取る為に書いただけの文章であり


俺の本当の気持ちは一文字も書いていなかったからだ。


母親が喜びそうな文章を無の心で書いただけ。そこには何の思い入れもなく、はっきり言って母親が購入してくる本のセンスの無さに『どこが面白い本なんだよ。クソつまんねぇ本だな。』としか思っていなかった。


『つまんねぇ大人が買う本は超絶につまんねぇ本』だと分かった俺はウソまみれの感想文を書いて母親を喜ばせていたのだ。


その『ウソまみれ』が賞を獲得した。ウソしか書いていないのに。


マジで人生で初めて死にたいと思ったかもしれない。本当の言葉で書いていないのにトロフィーと賞状をちゃっかり貰った自分が許せず罪悪感しかなかった。


それぐらい当時の俺は罪悪感で申し訳ない気持ちになっていた。もちろん母親は大喜びしていたけども。





・・・あらら。感想文の話が長くなっちゃったな。話を戻そう。







とにかく当時の俺は・・・


毎日切ない思いをしながら帰宅し


グッと堪えながら母親の指示に従い続けて


母親の機嫌のみを気にして生きていた。








今だから思う・・・


完全に無駄な時間だった。無駄な時間しかない少年期だった。


たまに「人生に無駄なんかない!どんなことでも繋がってくるんだ!」みたいなセリフを吐く奴がいるが


それは『今まで無駄なんかなかった人生の人』が言っているだけだ。


俺はハッキリと言える『時間の無駄だった』と。









・・・と、今年で35になるオッサンの俺がフェンスの向こう側で遊ぶ少年達を見て様々な思い出や気持ちが込み上げてきたのであった。







フェンスの向こう側を見ながら俺は改めて思う。


『今も昔もフェンスの向こう側は輝いているな』


今もずっと


フェンスの向こう側へ憧れがある。
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(タイトルはSMAPの名曲からパクりました。今、俺の実家には両親だけが二人で暮らしている。俺が「同居する」と言えば即日で同居可能だとは思うがそれは出来ない。俺の母親と俺の子供が遊んでいる様子を見ているだけで『昔の母親と俺』を思い出して具合が悪くなってくるのだ。先日、ある事情で俺と嫁と子供で実家に連泊したが俺は3日目で体調を崩した。トラウマによるストレスが原因だと思う。体調が戻るまで1ヶ月以上掛かった。母親は今では人が変わったように穏やかな人間になってはいるが俺の記憶の中にある当時の残像がずっと離れない。このトラウマとは一生の付き合いになりそうだ)